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「パチンコで借金かさみ気力ない」元十両の高見藤が引退届

 十両高見藤(27=東関)が18日、ギャンブルでの借金を理由に現役を引退した。同日、日本相撲協会に師匠の東関親方(63=元関脇高見山)が都内の東関部屋で緊急記者会見を開き、事実を明かした。
 東関親方は目に涙をためて話し始めた。「高見藤は私が大嫌いなギャンブルで4カ所の消費者金融や後援者から借金を重ねていた。話し合った末に本人の意思で廃業することになりました」。すでに当人は部屋を後にしており、師匠のみの異例の引退発表になった。
 役場勤めの経験もあり「けいこ熱心」と評判だった高見藤は、パチンコで身を崩していた。同親方によると、高見藤は5月30日の名古屋場所番付編成会議十両昇進が決まり、再び給与を手にすることを見込んで、1度に4社の消費者金融から借金をしていたという。情報は東関親方の耳に入ったが、本人が強く否定していた。しかし、今月13日にそのうち1社から、請求書が部屋に届いて事実が発覚。当日、ハワイ巡業から帰国した東関親方は激怒。口論の末、高見藤は「部屋に迷惑を掛けた。もう、相撲を取る気がしません」と言い残し、部屋を飛び出していた
 15日に岡山から上京した母親と高見藤、東関親方の3人で話し合いを行った。同親方は「借金は肩代わりしてもいい。もう1度頑張れ」と励ましたが、本人の意思は変わらず、引退が決まった。借金の額は数百万円とみられるが、東関親方は「額の問題ではない。関取は若い力士の手本になる存在。再十両という時に挫折は残念だが仕方ない。悔しいし、苦しい選択でした」と声を振り絞った。【柳田通斉】

http://www.nikkansports.com/sports/sumo/p-sp-tp3-20070619-215001.html

高見藤は入門当時からギャンブルにはまり、稽古を終えると昼寝の時間も惜しんでパチンコ店に通い詰めだったという。師匠も注意はしたが、ギャンブル癖はエスカレートする一方。4件の消費者金融に加え、部屋の後援会関係者からも借金をしていた。

師匠激怒!借金苦で高見藤が廃業 - Sponichi Annex

「ダメ人間」そう言い放つ者もいるだろう。だがダメ人間が十両になれるほど相撲は甘くない。

 大相撲春場所(3月11日初日・大阪府立体育会館)の番付編成会議が24日に行われ、公務員から力士に転じた26歳の高見藤が新十両を果たした。
 「この選択は間違っていなかった。後悔したことは一度もない」。関取の座をつかみ、胸を張って言い切った。岡山・岡山理大付高で相撲を始め、東洋大4年の2002年には学生横綱。卒業後は05年に国体開催の故郷、岡山県に貢献するため、和気町役場に就職した。「安定した公務員人生を描き、国体が終わっても普通に暮らそうと思っていた」と話す。
 しかし03年に全日本実業団選手権を制し、幕下15枚目格付け出しの資格を得たことで心が変わった。「自分の大きな体を使う仕事が向いている」と思い、04年春場所初土俵を踏んだ。
 187センチ、141キロで突き、押しが得意。だが体の硬さが災いし、十両昇進のチャンスを逃して涙を流したこともあった。それでも今場所はけいこ休みの元日から一人で黙々としこを踏み、やっと夢をかなえた。
 「国体要員として雇われながら、裏切る形になって申し訳ない」との思いは今もあるが、出世することが地元への恩返しになる。異色の経歴の持ち主に、待望の「春」がやってきた。

元公務員の高見藤が新十両(07/01/24) - デイリースポーツonline

高見藤関は、東洋大で学生横綱となった後、岡山県和気町役場国体室に勤務し、パソコンの勉強やコピーなどの雑用も経験しました。そんな高見藤関の闘志に再び火がついたのが03年9月。全日本実業団選手権を制し実業団横綱となったことで幕下15枚目格付け出しの資格を取得しました。
04年春場所初土俵を踏み、この度ようやく夢をかなえました。

高見藤関が表敬訪問

 倉敷市出身の新十両高見藤関に、母校・岡山理大付高の相撲部後援会から、十両力士の証でもある化粧まわしが贈られた。  贈呈式は同大で行われ、橋爪道彦校長らが「志高く、果敢にチャレンジする姿は卒業生にとっても誇りになる」などとたたえ、化粧まわしを披露した。
 化粧まわしは西陣織で、前垂れ部分には同高を運営する加計学園ロゴマークや「KAKE」などの刺しゅうが入り、同学園のシンボルカラーでもあるフジ色のもの。  角界入りまで町職員として勤務した和気郡和気町の名物のフジの花を思わせる紫色で「?藤?を自らのしこ名に入れるまで和気町への愛着も持つ高見藤に気に入ってもらえると思った」(同校)という。
 高見藤関は「立派な化粧まわしでプレッシャーを感じます。まずは勝ち越したい」ときっぱり。化粧まわしは既に出身の東洋大と同大相撲部から2セット、さらに8日夜に発足する和気町後援会からも近日中に贈られることになっており「場所中は日替わりで、すべてを着用して土俵入りしたい」と笑顔を見せていた。

http://www.okanichi.co.jp/20070308132812.html

 恩師の田所実・相撲部監督(48)が「昇進おめでとう。春場所勝ち越しに全力を尽くしてほしい」とエール。顔を紅潮させた高見藤関は「立派な化粧まわしで感激している。今の自分があるのは田所先生がスカウトしてくれたおかげ。このまわしで胸を張って土俵入りしたい」と春場所での健闘を誓っていた。
 母親の横山恵子さん(52)は「大阪へ晴れ舞台を見に行きます」と涙ながらに語った。

産経ニュース
  • 幼少の頃、両親が離婚鴨方町(現・浅口市)で育つ
  • 実際は倉敷市の出身であるが、和気町出身としている。これは、佐伯町と合併する以前の旧・和気町の職員を1年で退職したため、和気町の人達に恩返しをしたいという理由のためである。
エピソード - Wikipedia

高見藤は自分を応援し支えてくれる支持者、友人、そして家族の期待に応えようと必死で頑張ったに違いない。その期待がプレッシャーとなり彼を押しつぶし、パチンコに逃避させたのではないか。
パチンコに罪はない。悪いのは全て自制できなかった高見藤だ。しかし、一度は公務員という安定した職業に就き、それでも夢を諦めず挑戦し、厳しい稽古に耐え、関取の座を勝ち取った。そんな強靱な男をくじけさせ、彼を支える人々を裏切らせる結果に至らしめた。それほどまでに強い中毒性があることは事実だ。
彼はこれからどうするのだろう。やっぱりプロレスにでも行くのだろうか。「ネット・ゲーム中毒を精神障害に分類」しようと米学会が推奨しているそうだが、それならばパチンコ依存症は完全に精神障害と言っていいだろう。彼はまだ27歳と若い。病気を克服、相撲界に復帰し、再度化粧まわしを締め直す日が来ることを願う。*1

パチンコ依存症からの脱却法

Q:39歳女性、失業中、離婚後、パチンコ店に開店から閉店までいます。パチンコ依存が治れば、今の私の問題の大部分は解決すると、自分でもよくわかっています。悪循環なのです。こどももネグレクトしています。何か手を打たないと、先ははっきりと見えています。すでにカウンセリング・交流分析自由連想法は体験済みです。「パチンコ止めたらいいじゃない」というご意見のほかに、何か眼からウロコが落ちるようなご意見をいただけたら、大変ありがたいです。
A:そういうものはありません。パチンコをやめる以外に方法はありません。それ以外の「目からウロコが落ちるような対策」を求めているうちは、決して治らないでしょう。

Dr林のこころと脳の相談室 (thx:Eco)

*1:現状の相撲界では難しいだろうが、一度つまずいた者が復活できないなんてダメだ