てろてろ

てろてろ

耳だけで見る、フェアリーテイルの世界。
余計な視覚情報を一切排したいと思って目を閉じる。耳だけを頼りに音の世界を見るとそこに、矢野絢子が歌っていた。昔、枕元で聞いた童話のような心地よさで、音が鮮明な視覚の世界を作り上げた。内容など分からなくても繰り返し読んでとせがんだあの頃と同じに、顔も知らない高知の歌姫は、小さな歌小屋で、ステージいっぱいに声を響かせていた。猛々しく儚い、それは歌姫の姿だったと思う。  同じ四国にいるのになぜだろう。高知という場所が持つ太平洋の無限大のイメージが、僕には小さな猜疑を抱かせる。優れた人を育てるバックボーンが、そこにはあるような気がする。これからも高知で歌い続けることを決意した彼女。決意と言うよりもそれは、自分の運命を知る鳥や獣や花のようにごく当たり前のことだったのかも知れない。  次に聞くときは勇気を出して、目を開いてみようと思う。喉の渇いたアオヘビが、チロチロと舌を出しながら大地を這い水瓶に集まるように、ゆっくりと自分の居場所を確認しながら。  高知の小さな歌小屋の歌姫が、鮮烈な全国デビューを飾るまであと少し。歌とピアノというミニマムな視覚が、もうすぐ日本中にマキシマムの感動を運ぶだろう。(B)

 ◇ てろてろ 矢野絢子 ユニバーサルミュージック



新たなる香辛料を求めて

新たなる香辛料を求めて

J-POP界の異端児、初のフルアルバム。昨年は『さくら』など郷愁的な風景を描いていたが、今作は“起き抜けの革命家”として、さらに高い次元から世界を俯瞰し、バラエティに富んだ作品となっている。果たして、直太朗が辿り着く先とは…?(Y)

 ◇ 新たなる香辛料を求めて 森山直太朗 ユニバーサルミュージック



ソングバード

ソングバード

イントロのパッパラコーラスとサビのスキャット、曲全体にフィーチャーされたハンドクラップが憎いくらいにオシャレでスウィンギーでハッピーなオレペコ渾身のニューシングル。初回限定盤にはDJ高宮永徹によるスペシャルMIX CD付き。(Z)

 ◇ ソングバード orange pekoe BMG JAPAN



アカシア

アカシア

彼らはノスタルジックなだけのバンドではない。前に進もうとする衝動をそのままに体現し、グルーヴ感を増したギターロックを提示したのがこの曲だ。また、打ち込みを導入した『五月雨』(M-2)も印象的。レミオロメン、第二章の幕開けである。(Y)

 ◇ アカシア レミオロメン Speedstar



diversive audio ep

diversive audio ep

デビューから聴いてる者として、「どこまで進化するんだ!」と言いたくなるBDB。エレクトリックだし、やっぱりロックだし、と我が道を行くそのサウンドは純粋に聴いていて楽しみがいっぱいです。僕のカーステでヘビロテ確実の1枚です。(S)

 ◇ diversive audio EP BACK DROP BOMB TOY'S FACTORY



アンダー・マイ・スキン

アンダー・マイ・スキン

ルックスがいいだけに楽曲よりもそちらで話題にされてしまうことが多い、アヴリル。でも、先行シングルの3曲目なんかは力強くも切なくて最高。新しい一面を見せてくれましたよ。アイドルなんかじゃなく、ミュージシャンとして聴きましょう。(S)

 ◇ Under My Skin Avril Lavigne BMG JAPAN



S.F.sound furniture

S.F.sound furniture

服や髪型はもちろん、インテリア、雑貨、カフェでのティータイムすら今やファッションアイテムであって、そこには音楽だって含まれてるんです。キュートなライフスタイルにぴったりの、近未来的ピコピコ音に彩られたポップサウンドが満載!(Y)

 ◇ S.F. sound furniture capsule YAMAHA MUSIC



Starlight EP

Starlight EP

何かが後押ししてくれるのなら僕はまた頑張れるんだ。そんな「何か」にこのバンドの楽曲がなり得るような…、そんな気がする。男女ツインボーカルが紡ぎ出す極上のPOPセンスと疾走感がたまらなく心地よい。捨て曲なしの全4曲EPだ。(Z)

 ◇ scarlet EP Scarlet ユニバーサルGEAR



ナミナミ

ナミナミ

すごく自然に耳に入ってくるんです。余計な情報が入ってないからかな? ピアノと歌、たったそれだけでリスナーのイマジネーションをかき立ててくれる表現力に思わず脱帽。原田郁子クラムボン)好きにはオススメですよ。(Y)

 ◇ ナミナミ 東川亜希子 MIDI Creative