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とある青二才の斜方前進 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2011-08-09

つくられた環境問題〜NHKの環境報道に騙されるな〜 武田邦彦・日下公人

久々の読書日記は私の中で文系最強の論客と理系最強の論客のコラボです。ブックオフ価格ですら500円しましたが、買わせていただきましたよ。何しろ、カツカレー…いや、うにいくら丼級の豪華さじゃないですか!

つくられた「環境問題」―NHKの環境報道に騙されるな! (WAC BUNKO)

つくられた「環境問題」―NHKの環境報道に騙されるな! (WAC BUNKO)



【これ1冊で環境問題がわかる】と行っても過言じゃない良著です。科学的技術・環境問題の歴史的背景にも触れながら環境問題を解説しつつ、その上で環境問題の行き過ぎた報道を否定しているという論理性と切れ味の鋭さを持ち合わせた本でございます。

  • 簡単な概要

戦前生まれ(日下)と戦中生まれ(武田)と言うこともあって、日本の公害の歴史に触れながら話を展開する一方、年寄りならではの含蓄・独自の哲学も多く展開される。単なる環境本の域に収まらず、『文系は技術進歩に懐疑的だ(武田)』と言った科学技術論議や『そもそも税金をとっているのだから外部経済のフォローは政府の責任でる(日下)』と言った政策論まで幅広く展開される。

全部紹介できないので、ここは!と思うところだけ持論も展開しつつ紹介をしていきたい。

武田邦彦の理論の中で最も有名なものをファンが挙げるとすると『ダイオキシンは有害ではない』と言うものが出てくる。これはテレビなどでは『一番吸っているはずの焼き鳥屋のオヤジがピンピンしてるのだから無害でしょ?』という言い方をするのだが、実は膨大な情報をもった上で言っている。本書に書かれているものとしては

☆動物に有害≠人に有害・動物に無害≠人に無害
確かにダイオキシンは実験用のマウスには有害なのです。これは逆もしかりで人間に有害な硫化水素で生きている動物もいる。他にも酸素が少なめの方が生きやすい動物なんてのもいる。

これは実在する事件「サリドマイド事件」と言う薬害事件を引用して説明している。細かいことははてなキーワードに譲りますが、簡単に言うと動物には大丈夫なのですが、人間に使うと奇形児を作る原因になります。

サリドマイドとは編集


ダイオキシンが有害であると思われた理由は毒性の出方が変わっていたからだそうです。
でも、実際にイタリアで大きな事件が起きようが、70年代半ばにダイオキシンだらけの除草剤が水田で育てた米を食べたのに奇形児が全国的に大量に生まれたなんて話は80、90年代に出なかった。

…それどころか、タバコ6本で既定値にたどり着くダイオキシンですが、タバコ6本吸って死んだり倒れたりした人を私は聞いたことはない。(漫画みたいに一度に加えて火をつければ、めまいぐらいはするでしょうが、それはもうダイオキシン関係ない。)

  • 技術を作るのは理系だが、選ぶのは文系の仕事

私は実を言うとこの本を読むまでは文系でありながら、文系不要論にちかい思想の持ち主でした。いや、実際には文系は必要です。文系には文系の役割があり、それで役に立つからです。
私のブログなんてまさに理系の人に読まれていますから、『事実』に加えて、知識がある人の『解釈』は必要とされているのでしょう。ラノベ評論は文系が多いけど、政治経済系は若手の社会人か理系に読まれている。)

文系不要論を言いたい理由は文系の知恵が何かを規制するためにばかり働きこれが【進歩や想像】を遮るからです私はエンジニアクリエイターこそが本来なら最も優遇されて然るべきと考えますが、何も生み出さない事に加えてマイナスの規制・節約・削減を司る文系がお金をたくさんもらっているのが非常に許せないのです。
私が武田・日下両名の本を強く推す理由は『節約・規制・嘘の常識』についてNo!と言える上で代案を示すからです。この二人に共通しているところは【徳】を説くところです。

武田氏の場合は東電政権の対応を見て原発推進を撤回された事でも有名ですが、先日の【たかじんのそこまで言って委員会】でもアメリカの原爆を落とした責任について「科学者として原爆を人のいるところに落とさないで何で海上に落とさなかったことはおかしいと思う。威圧だけならば十分にそれで足りたし、現にそういう提案が出ていたじゃないか!」と言っています。(かなりご立腹で)

私は陸軍総力戦をやる気だった以上は1個は仕方なかったと思いますが、疑問点は多すぎる。だから、米国に対して謝罪しなくてもいいから【いい加減主権を返せよ。米軍に有利な体制だけ作って『過去の事は忘れましょ』はご都合主義だ】と言いたい。不条理極まりない。*1

話を元に戻そう。

環境と原発事故の共通点ははっきりしていて、事実を隠蔽した上で都合の悪いことは自然淘汰されるまで放置すること。間違ってましたとは決して言わない。
それどころか、文系にとって聞こえのいいものは理屈が間違っていようともゴリ押しする。これが科学の目線から見ても、経済目線から見ても良くない。

この対談本は非常に奥が深い。

国家論にも触れながら、コアな科学本、環境本の側面を持ち合わせ科学について広い視野で考えさせてくれる。

  • 印象に残ったセリフをいくつか。

武田「持続性は節約ではなく、イノベーションがもたらす。」
以前【科学技術は日本を救うのか】という本で北沢宏一さんという超伝導の専門家の本を読んだ時にもこの話は出てきたけど、私もここは理系の方々と同意見です。こういうセリフに感動する点、科学者の本を読むと多かれ少なかれ共感するのは自分が半理系だからかな?(半理系を名乗る所以は高2までは理系にいたことと、どちらかというと理系の人に思考回路が近い文系であることと、数学が好きだから。)


武田「一部の人が栄えればいいというシステムが通用したことはない」
サブプライム問題に苦しむアメリカに対していったセリフですが、これは今の日本の役人から既得権益全般に言いたい。特に政府についてはダブルスタンダードがひどすぎる。法律で庶民の権利を尊重しながら放送法にせよ、労働基準法にせよ守らせていない有名無実じゃないか。横穴を作って儲かる人のためにしか働かないシステムになっていることについて反省の「は」の字もないところをみれば上の言葉が名言に思える。

武田「目標・目的に大学生は縛られすぎている」
…いや、ないと不満なんです。というのが大学生の言い分なのですが、このパートはよんでいて面白かった。
この思想がかえって実利的なコトばかりをしかしなくなり、人間に含蓄がなくなる。(だから私は『ブログ』以外の短期目標は可能な限り捨てましたけど。…すごく楽になりました。思考が大人になります。)

日下教室にこないのは、みんな、世の中に(もっといい勉強を)見つけたんですね。けっこうけっこう。」
…志の高い人ばかりだといいのですけどね。というのが現役大学生の本音ですね。【私はあなたの本や動画に見出しました。】と正面切って言える日が来たらいいなぁ。それだけブログにせよ、今目の前にある課題を成し遂げた上でそれを言いたい。

勉強の意欲がある人が大学の授業聴けば半分はタメになるけど、半分はいらない。だから半分を埋め合わせる何かを『みつける』必要がある。それを見つけたときに祝福してくれる日下先生みたいな人の弟子になりたいね。

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*1:原爆投下について私は原爆自体が米軍による人体実験説を唱えてます。しかし、必要悪として1個陸地に落として放射能兵器の恐怖を見せつけるところまでは理解出来ます。だが、もう焼け野原で何も残っていない地域でもよかったのに広島に落としたのはけしからん。まして、2つめの長崎はどう見ても不要。3日しか待たなかったのは余りにも酷い。当時の戦況なら1ヵ月待っても選挙区は変わらないのに、なぜ三日で再び脅しをかけたかがさっぱりわからん。

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