ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン872】 珍々亭(東京・武蔵境) 油そば 大盛り+ねぎ盛り

【きっかけは?:そろそろ・・・遠征活動がきかなくなりそうだから、地元を散策です】

 ぼつぼつと・・・・心の平穏を取り戻しつつあります。4月の異動について受け入れつつあるのです。アタクシの場合、頭より先に、胃袋で納得させた方がよさそうですな。連日、帰宅路で連食すりゃもう・・・・胃がもたれて仕方ない翌土曜日の朝。胃をさすりながら、自宅の窓から雨模様の空を見上げ・・・・・「一体何やっとるのや?」と自分で自分を笑います。

 まぁ、近場でのラーメン活動がメインとなるなと考え出すと、それはそれでまだ知らない味がたくさんあると思う。これからは、そういう味を心を込めてレビューしていきたいと考えだしました。ということで今回は、武蔵野の名店「珍々亭」を目指します。何を隠そう・・・・・店名のインパクトより重要なのは、「ここが油そば発祥の店」なのです。この日は、家族が実家の都合で不在。クルマを自由に使える!めざせ!ちん○ん!○んちんてい!!

 訪問時、丁度正午!当然満席!すごいアットホームな熱気であふれています。外で待とうとすると、明るく気さくなおばさん店員さんにカウンター席の端っこを勧められてどうやら着席に成功。常連でもないくせに、メニューなどに目もくれず「油、大、ネギ多め」と偉そうにコールしちゃいました。




【タレ:醤油と油と調味料・・・というシンプルさが均衡と対峙が織り成す!風合いがノスタルジック!】

 これが・・・油そばの元祖かと思えば、身の引き締まる思いがしますな。いかにも昭和を感じる麺顔に、かつての時代の空気も感じ取ったりします。今と違ってインターネットなどと比べると情報の伝播スピードが、石器時代級かとすら思える時代に、口コミだけで広まった美味さです。という意味では「美味さの黒帯」なのですが、今となっては名誉会長という感じか・・・・「美味さの9段」という立ち位置でしょうか。とにかく、頂くのです。


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「飾り気がない醤油と油の感覚が、一周回って新しさを感じますがな・・・・」


1)甘み(旨味):和醤油の発酵旨味と動物系の油?のコクがじんわりと融合する逸品

  大盛りにしたため、混ぜる前のタレの写真撮りに相当苦労しながらも役目を終えて、割り箸の先に滲み込ませ、その味わいをダイレクトにチューーーーっとすすると、「意外と和?」「中華系の成分が少ない美味さ」という直感ですね・・・。これは、例えば醤油などのように、ベースとなる調味料は、日本料理のものを使っている中華屋の味わいを連想する・・・。だから余計に、懐かしさを感じさせます。そこに、業務用の本格的ラードと、あわせ調味料が入り交じり、ベストな旨味に仕上がっています。コクは豚系のシンプルな感じなので、親しみやすい味です。

  しかし、今回は大盛りの麺が多かったので途中で辛く、辣油とお酢を後半に投入いたしました。すると、辣油の威力というのは凄いもので、辛さはそれほど響かないものの、一気に「中華屋」の要素を高めてくれます。和風中華から、一気に本格大衆中華屋のそれと思わせるものに変貌をいたします。さらに、お酢を投入すると、それはもうイメージを固めてしまいます。


2)塩気:醤油のカエシが広がり、塩分と調味料が油で丸まった融合体ような塩味

  塩気の主体は、前半は、醤油カエシが支配した感覚で、そして、後半は辣油の投入によりそれへと変わっていったというイメージ。されど、両方にも共通して言えるのは、「塩分」「あわせ調味料」「油」の融合体がおりなす、『丸くじんわりとした出汁と化した塩味』と申せましょうか。「塩おむすび」のような塩ダイレクトで美味い!と思わせるのと少し違い、「ごま塩おむすび」のような塩と何かが結びついたときのパワーを感じるのですが・・・。ところで、この油って本当は何者なのでしょうね? サッパリしているから上質のラードかと思う一方で、鶏油と背脂の混ぜ物のような「ねっとり感」もあります。先日の「宝華」では前者とコメントした記憶ですが、最近段々と、この手の油は後者のような気がしてきましたが・・・。


3)風味香り:麺とからみ終えた瞬間は、カエシの香ばしさと、薬味ネギの苦味フレッシュな香りが交差!

  汁なし系で、スープの香りの表現は非常に難しいのです。しかし、強いて言えば、麺があつもりな故に、混ぜた時の、醤油系のタレと、ネギのフレッシュな苦みが熱で混じり、一気にもわ〜となったときの蒸せるような空気。それが、醤油のカエシのエッジングとネギの苦みが香ばしいと思った・・・ということでしょうか・・・。




【麺:ちゅるぴちとしたスタンダードな多加水麺が、熱々と醤油ダレにからむ!蒸せる香りが昭和です!】

 一方の麺ですが・・・・・多い!多いねん!見た目で軽そうに見えて、しかも連食続きで胃もタレ気味!加えて「宝華」での体験で軽く食べれる大盛りくらい!と思っていたら、手痛いしっぺカエシをくらったような、麺の多さです。大盛りで320g〜350gはあったのかな・・・・。でも、最初の口当たりはこういう感じ!


「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「懐かしの「ちゅるぴち系」なスタンダード麺の「あつもり」ってのが、ありそうでない体験やん!」


1)風貌:懐古を覚える丸麺のしなやかさ、ストレートなのに捩れが多く、手もみ縮れと見まごう

  こういう麺は、昔ながらのお店で本当によく見かけるスタイルですよね。太さは標準で、もちろんストレート。しかし、芯というようなコシは皆無なので、麺はストレートであっても混ざり具合で、所々よく捩れが生じます。その捩れは偶然の産物なのですが、前向きに捉えれば手もみ風のやわらか縮れにも見えてしまう・・・そんな麺です。


2)感触:アルデンテなどという言葉が存在しなかった昭和を思い出す「ちゅるぴち」系

  あつもり・・・・ということもあってか、アルデンテ感とは全く無縁のタイプでありました。それが、結構なあつもりでして、モチモチ感を少し通り過ぎた感覚もあり。そういう場合、例えば前歯の当たりが「スパスパ」と単純に切れたりする感覚にもなる・・・・。配膳時はその中間だったのだけど、食べすすめた途中から、モチモチ感がだんだん盛り返してまいりました。麺の表面に近い部分、そして麺の中心部分、それぞれ別の反発感を感じるものではありません。一定の反発力でクチリと千切れるシンプルな感触。前歯、奥歯のそれぞれについても同様。そして、熱が奪われるとともに、本来の良いところ・・・「ちゅるぴち」とした全体感が発揮されてきます。 昔食べ慣れた中華食堂のラーメンを彷彿とさせる柔らか麺。そんな、昭和の原風景を少し感じる、ノスタルジックなちゅるぴち感が、非常にナイスと思えるのです。


3)スベリ:あつもり独特な粘りと吸い付きが全体を支配

  スベリについては、これは賛否あるかなと思うのですな・・・・。細麺で、いわゆる柔らか麺だと、麺同士の貼り付きがどうしても気になる・・・・。油で少しコーティングしてあればそれほどでもないけど、この逸品は、明らかに仕上げはお客様自身でやってよ・・・というスタイルだから、どうしても貼り付きが気になるのですな・・・・。つまり、そういう意味ではスベリは良くない。

  しかし、貼り付く正体である「粘膜層」が、実にまたマッタリとタレをまとい、持ち上げ、麺と絡めてくれるわけだから、これを否定すると半分以上、この一杯を否定することになるのかなと・・・・いう迷いがあるのよね・・・・。あえて、この場では判断は保留としますが、これは良い意味での保留ということで、あしからず・・・。





【具:一言でいうと「クラシック」。時代を超える普遍的なスタイル!】

1)チャーシュー(繊維質の美味さ)

  脂分が一切排除かと思える、繊維質重視のチャーシューです。しかも、割と薄味でして、これはタレとかスープとのからみとか、吸い込みを予測した仕立て方だと思います。なので、好みが結構わかれるかもと察します。繊維質なので、割と固い仕上がり。されど、噛みちぎるのに苦労するようなことが一切ないので、これは長年の熟練された仕上げ方かと察します。醤油・塩とも薄味系なので、まさに、ラーメン用!


2)メンマ・ナルト(オーソドックスを地でいく)

  殆ど語るところがない、非常にポピュラーな仕立て上がりなので、軽く・・・・。ナルトは、一風変わった切り方で、垂直に、分厚く切っている。普通やや斜め切りにしてあるもんだけど、分厚く感じられる分、「ナルト食った!」という達成感はすこしだけあるかな(笑)。一方のメンマは、味がやや濃いタイプで浸透も深く、コリコリ感よりフニャリとした歯ごたえを楽しむタイプ。


3)薬味ネギ(関東らしい白ネギの苦み、やや青みの部分の苦みのハーモニクス

  まー、ネギ増ししてもらったため、相当量投入してくれましたな。茎にあたる白い部分が主体な小口切り。やや青い部分もあり、8:2程度の混じり合いかと・・・・・。それぞれで、微妙に苦みと歯ごたえが違うので、麺と少々多めにピックアップし口の中で混ぜて食すると・・・なかなか、面白い苦みが広がるものであります。一度お試しいただければ幸い。




 総じまして、いろいろと世相は時代錯誤な日本のあらゆる制度を変えろ変えろと変革でやかましい時代にあって、変わらないことの大切さを認識するような一杯でありましたな・・・・。しかし、改めて考え直せば、油そばを考案した当時は、それこそ「変革者」だったわけで、それがなければ今のように繁盛していたかはまた不明なわけです。 うーーーん、変わるべきもの、守るべきもの、こういう見極めがとても難しいことなんやろね。そして、変わると決めたときの勇気もね・・・・。なので詠います。



  珍メニュー
  イデア広まり
  今元祖


  変える勇気と
  続ける真面目


お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした!





 



followme