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2008-04-09 勉強の対価は体(ストレス)で払えと

4/12である。

そろそろバドの準備しないと。


CUIが解らなすぎて、そしてそれ以上にバージョン管理システムが解らなすぎて、いらいらで痛みを抱え込み、口内炎は5日も治らず、まあ、それでも何とか命ぜられた作業を完了出来た。

死ぬ思いをしたが、大いに勉強になったので、今回の作業はよしとする。

(いいのか、その程度の作業にそんなに時間かけて)

<仕方ないだろ、頭悪いんだから>

UNIXの絵本

UNIXの絵本

書名:UNIX絵本


良書。

技術者と「ちょっとパソコンに強い人」の境界は、CUIを使うかどうかにあると私は個人的に信じている。

配属以来パソコンの苦手な人にありがちの拒絶感で(おいおい、それでよくプログラマやっているな)、ひたすらCUIから逃げていた。

コマンドプロンプトを立ち上げることすら嫌だった(あきれた)。


しかしまあ、今回はさすがに必要に迫られて、いやいやながらcygwinとか動かしてみることになったわけ。

案の定、まったく解らない。


話はそれたが、CUI操作ができないのは、UNIXの知識がないことと関係がある。

厳密に言うとコマンドが打てることとUNIXの知識があることとはまったく別なのだが、長く使って慣れているという習得の仕方ではなく、理屈を理解して即使えるようになる、ためにはUNIXの知識を同時に身につけた方がむしろ早い。

パイプとかリダイレクトとか仕組みを簡単にでも良いから理解している方が下手な丸暗記よりは応用が利く。


で。

前置きが長くなったが、本書は良書である。

何がよいかと言えば、初心者にとって最大の障壁となるCUI(と、CUI使う人でwindowsコマンドしか使わない人はほとんどいないからUNIXも)への抵抗感を見事に取り去ってくれるのだ。

簡易にかみ砕いた説明、分かりやすい絵、目的を絞ったコマンド

絵本シリーズの本領発揮である。

C++絵本』も良かったが、存在意義という意味で言えば、この本がシリーズの中では最高だろう(まだシリーズ全部読んでないので断定は出来ないが)。


強いて言えば、UNIXウィンドウGUIの説明は紹介程度のもっと簡潔なものでよかった。

Windows利用者がUNIXに興味関心を持つ(或いは利用する必要に迫られる)のは、10中8,9、そのCUI操作である。

これはWindowsしか利用したことのない者の偏見かもしれないが、本書の対象読者はだいたい私と同じような立場(Windowsしか使ったことがない)だと思われるので、敢えてこう書いておく。


専門外の人で情報に携わることになった人(例えば文系でこれからSEになる人など)は一読してcygwinでもいいので一通り動かして見ることを強く薦める。

半年前の私に読ませておきたかった。

目覚めよと彼の呼ぶ声がする

目覚めよと彼の呼ぶ声がする

書名:目覚めよと彼の呼ぶ声がする

著者:石田衣良


可もなく不可もなく。

読む暇があれば読めばいい程度のエッセイ

前作(?)『空は、今日も、青いか』は珠玉のエッセイ集だったが、本書はそうでもない。

ところどころ良いことを言っている箇所があるが、はっとさせられるような鋭いコメントには行き当たらず。


読むとすれば以下の3エッセイ

思春期から青年期に至る過程でのアイデンティティ模索を明解に描写した「『ぼく』の発見」。

強烈な皮肉の背後に著者の強い思いを感じる「『知恵』あるミサイルを」。

図書館の現状を憂い、将来への警鐘を鳴らす「知の箱船はどこへ」。

いずれも一読の価値ある寸評である。


本書の特長は(残念ながらその中身ではなく)装丁である。

表紙カバーは著者の仕事場の風景であるが、どこか都会の一区画を切り取ったような洗練された光景で、こざっぱりとしている。

光の使い方が非常に上手い。

また、どこかの作家大学教授の自宅のように、ひけらかすかのような書の羅列がなく、嫌みったらしさを感じさせない。

腕のいいカメラマンの作品とみた。


そして何よりも手にとって頁をめくったときの質感。

固くなく、かといって柔らかすぎず、本として理想のめくり具合である。

めくったときの音もいい。

思わず手にとって、持ち帰りたくなるような素晴らしい装丁の本(ああ、出版社にしてやられたなと感じた)。


雨の日に読む詩集だと思えば良いのではないだろうか。

内容は保証できないが(悪くはないけど飛び抜けて良いわけでもないので)、本としては最高の出来だと思う。

手にとってみるといい。

絶対に買いたくなるから。


それにしても。

この頃(せいぜい3年前か)はまだIWGPも崩れず(5巻目くらいか)、その他の本もそこそこ良い本を書いていたのだなぁ、とエッセイからも感じた。

ここ2〜3年のうちに書かれた作品はひどくて読む気が起こらない。

また、以前の良さ(この人の良さは欠落者への配慮だと思う)を取り戻してくれればよいが・・・。

少し望み薄かな。

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

書名:ウチのシステムはなぜ使えない SEユーザ失敗学

著者:岡嶋裕史


読む人によっては良書となりうる微妙な書。


少なくとも現場で働くSEプログラマにとっては当たり前の事項が多すぎてあまり新鮮味はないかも。

だが、社に籠もってソフトウェアを制作しているエンジニア(ちょうど私のような)にとっては、一読の必要があると思う。

要は顧客とのフロントエンドで何が起きているのかをある程度は理解しておかなければならないということである。


本書はソリューションを発注・受注する際の問題について主に顧客の立場から書いてある。

書いてあることはどれも基本的なことばかりで、目新しい情報は少ないが、「検収時にはしっかりと品質を確認することが大事」「工程に余裕がないプロジェクトでは異常系のテストがまともに行われていないことがある」など現場で発生していることを元に、実際の業務に役に立つ情報が一通り揃っている。


残念ながらこの本を読むだけでは、タイトルから期待される「ウチのシステムはなぜ使えないのか」は解らない。

この本に書かれているごく初歩的なことが出来ていない会社は、既に潰れてしまっているか、ん十億かけて使えないシステムを導入しても会社の屋台骨には影響が出ない超大型資本の企業(そんな羨ましい企業があるのか)であるからだ。

ただ、若い者が実態と原則を覚えるためには十分役に立つ書であろう。

本書に書かれていることは大なり小なり実際に現場で発生したことであり、またこれから起こりうることである。


本書の趣旨からはやや外れている感があるが、最後の章のフィクションは痛快などたばた劇になっている。

その章だけではなく前章通して語り口が軽妙であり、実用書としてはさらっと読めてしまう。

その辺りは良。