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2007/12/30/Sun

[]『包帯クラブ』監督:堤幸彦(2007年)

 原作は天童荒太の同名小説。主演は石原さとみと柳楽優弥。配給は東映。製作幹事は電通。TBSも絡んでおり、筑摩書房も初出資。

 周囲の評判が良かったけれど、たしかにこれはとても出来が良い。主演のふたりがしっかりしてるから、すごく説得力がある。

 物語は、ひょんなことから知り合った高校生男女が、傷ついた人を癒すために、さまざまな場所に行って物体に包帯を巻いていく。この集団「包帯クラブ」で、6人のメンバーが交友を深めていく。

 一見、自傷系の話っぽく見えるが、そこで自己愛に浸るタイプじゃなくて、他者との関係によって徐々に変わっていくというのがテーマ。無論、それぞれの若者は過去に傷つくことがありトラウマを抱えているが、それを解消していくという話なのでとてもポジティヴ。

 原作は去年出たばかりのときの読んだのだけど、正直それほどピンとこなかった。ちくまプリマー新書という若者向けのレーベルなので、あっさり感が強かった。また、包帯とか、トラウマ解消とか、ネットでコミュニケーションを取るとかっていうテーマはちょっと古くさい感もあった。

 でも映画になって、包帯がいろんなところに巻かれるという映像の面白さもあり、かなり世界が広がった感がある。彼らは包帯を巻いた場所の写真を撮ってホームページにアップロードするのだが、規模は小さいものの布で街などを多うアートで知られるクリスト&ジャンヌ=クロードの作品に通ずる趣がある。

 それよりもなによりも、石原さとみと柳楽優弥のお芝居がいい。柳楽君は下手な関西弁を操る“不思議クン”の役なんだけども、かなり説得力があった。しかし、これを説得的にできる役者はそんなにいないはずだ。石原さとみは狂言回しなんだけども、その割にはちゃんと存在感があって、あれが彼女の上手さなんだろう。

 原作を読んだときは印象が薄かったが、映画になって良かったタイプの作品だ。

包帯クラブ [DVD]

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包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)

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