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2008/06/07/Sat

[][]女性ファッション誌ポジショニングマップ・2008:『文化社会学の視座』より

 上の図は、今年春(3月)の段階での女性ファッション誌のポジショニングマップです。

 4年前にも、私は『日経エンタテインメント!』2004年9月号、三浦展著『かまやつ女の時代』、同『下流社会』のための調査で、女性ファッション誌のマップを創りました。それはここでも発表しましたが↓、その続編ということです。

http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20041224/p2

 今回の図は、先日発売された南田勝也・辻泉編『文化社会学の視座』(ミネルヴァ書房)に私が寄せた論文「差異化コミュニケーションはどこへ向かうのか」のために創ったものです。

 4年前と違い、今回は網羅している世代の中心に雑誌のタイトル名を置きました。たとえば『CanCam』は「コンサバ→専業主婦」の23歳あたりに置かれていますが、実際の読者は10代後半から20代後半まで幅広いです。

・追記:「『装苑』や『SPUR』や『GINZA』が入ってない」との指摘が一部見られますが、その理由は4年前のエントリに書いてます。『Vogue』も入れてません。クオリティマガジンは外してます。

 今回4年ぶりにこのマトリックスを創って感じたのは、ギャル誌がけっこう分化していることです。便宜的に「ガングロ・B系」、「姫系」と名付けたりしていますが、もうこういった単純な分類は難しくなってきたなぁという印象です。また、姫ギャル誌にかんしては、いま売りの『日経エンタテインメント!』2008年7月号(日経BP社)の雑誌特集でも書きました。『小悪魔ageha』の編集長インタビューをしたり、分析をしたりしています(なお、男性マンガ誌の分析や、道端ジェシカさんと長谷川潤さんのインタビューもしています)。

 4年前と違う点は、他にも細々とあります。休刊したり新たに創刊されたり、マップを比較すると細かい違いがたくさんわかるかと思います。実際このマップを昨年の12月くらいに最初に創り、決定稿を入稿する3月までの間に、3、4誌が休刊したり創刊したりするなどの動きがありました。また、すでにこの図のなかにある『Celebich』などはいまはもう休刊していたりもします。

 さて、『文化社会学の視座』のほうで私が書いたのは、『CUTiE』の読者欄10年分の分析です。そこで詳しく見ていったのは、CUTiE少女の〈コ〉ギャルたちへの意識についてです。CUTiE少女も〈コ〉ギャルも、ともに原宿や渋谷と関係するストリートスタイルですが、90年代中期以降の〈コ〉ギャル文化の浸透以降、CUTiE少女たちは〈コ〉ギャルをとても意識する言説が読書欄に散見されるのです。

 私は、CUTiE少女が主張する〈コ〉ギャルと自分たちとの違いについての言説を読み解き、それにより日本におけるファッション(文化)がどのような有り様であるのか、ということを分析していきました。

 4年前に『日経エンタ』などで仕事した後、日本でもこういうファッション誌の分類などはときどき見られるようになりました。しかし、こういう分類はあくまでも便宜的なもので、状況把握を簡便にするための見取り図でしかありません。分類することそのものが目的ではありません。このような分類されるような状況とはいったいなにか、それこそが重要です。

 私がそこでどのような分析をしたかは、論文のほうで詳しく書いたのでここでは深く言及しませんが、ひとつだけ言えることとしては、海外からもとても注目される日本のファッション状況は、世界的にも非常に独特だということです。そして、こういう差異化コミュニケーションは、オタクや新人類といった文化属性が生み出されたのと同じ社会背景を持ちます。歴史や経済、エスニシティなど、アメリカやヨーロッパとは違う日本独特の社会によって生み出された文化だということです。たとえば、ヒップホップやパンクカルチャーとCUTiE少女や〈コ〉ギャルの文化は、その背景がまったく違うのです。オタクや新人類についてもそうですが、僕の強い関心はここにあります。

 また、この論文では、ファッションの歴史についても簡単ではありますが、前半で押さえています。ここも現代日本のファッションがいかに海外のそれと違うのかということを考えるうえで重要です。

 この論文は、社会学の専門書に寄せた論文なので、ちゃんと社会学の手続きを踏んだものですが、それほど難しい内容ではありません。「学部の1,2年生でも十分に理解できるように」というオーダーが出ていたので、わかりやすく書きました。読んでいただければ幸いです。

 また、この本は、鈴木謙介がケータイ文化について、永井純一さんがロックフェスについて、木島由晶さんがキャラ萌えについて、阿部真大さんが若年者の労働について等々、さまざまな文化が扱われています。あ、クレジットはないけど、表紙の写真も僕が撮りました。お暇ありましたら、読んでいただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

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●帯より

 メディアと日常文化の「とらえ方」。現代文化を実証的・経験的にとらえるための案内の書。

●目次

●第1部:文化のとらえ方

第1章:メディアと集いの文化への視座

――経験的/批判的アプローチからマルチメソッドアプローチへ 辻泉

第2章:表現文化への視座

――文化作品は人に何を与え、人と人とをどうつなぐのか 南田勝也

第3章:世代や世相の文化への視座

――量的アプローチと質的アプローチ 辻大介

第4章:文化の変遷への視座

――構築主義と言説分析 岡本朝也

●第2部:のめりこむメディア文化

第5章:なぜケータイにはまるのか

――メールコミュニケーションの社会学 鈴木謙介

第6章:テレビ視聴のスタイルはどのように変化したか

――能動的受け手とツッコミの変質 名部圭一

第7章:なぜキャラクターに「萌える」のか

――ポストモダンの文化社会学 木島由晶

第8章:なぜロックフェスティバルに集うのか

――音楽を媒介にしたコミュニケーション 永井純一

●第3部:そこにある日常の文化

第9章:現代の親子関係とはいかなるものか

――仲良し母娘とその社会的背景 中西泰子

第10章:地方に生きるとはいかなることか

――現実は「豊か」か「貧しい」か 藤井尚

第11章:差異化コミュニケーションはどこへ向かうか

――ファッション誌読者欄の分析を通して 松谷創一郎

第12章:若年労働問題では何が問われているのか

――「マニュアル」「資格」という専門性の二つの位相 阿部真大

第13章:「日本人」であるとはいかなることか

――ISSP2003調査に見る日本のナショナル・アイデンティティの現在 田辺俊介

●他オンライン書店

bk1(6/9・am0:00現在、在庫あり/24時間以内に発送/送料無料)

http://www.bk1.jp/product/02990053

セブンアンドワイ(6/9・am0:00現在、在庫あり/当日〜2日で発送/送料無料)

http://www.7andy.jp/books/detail/?accd=32078955

・YAHOO!ブックス(6/9・am0:00現在、在庫あり/当日〜2日で発送/送料無料)

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/32078955

ライブドア・ブックス(6/9・am0:00現在、品切れ/送料無料)

http://books.livedoor.com/item4623051587.html

ジュンク堂(6/9・am0:00現在、池袋本店に6冊在庫あり)

http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0109017278

・紀伊国屋ブックウェブ(6/8・am2:00現在、在庫あり/1-3日以内に発送)

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%95%B6%89%BB%8E%D0%89%EF%8A%77%82%CC%8E%8B%8D%C0

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●内容紹介

【表紙/インタビュー・研究】

絢香 成長し続ける20歳の素顔

【インタビュー】

櫻井 翔(嵐) ”取材する”アイドルが明かす不安とやりがい

【特集1】

~どこよりも早い!流行を先取り!

「夏のヒット番付」

●映画、テレビ、音楽・・・注目度ランキング50

●大胆予測!この11大ブームを見逃すな!

【特集2】

「雑誌を面白くするキーワードはコレ!」

スターモデル ・ 姫ギャル系 ・ ユニセックスマンガ

【特集3】

~”フィルムコミッション”の誘致で新名所が全国に続々誕生

「話題の映画ロケ地マップ」

【特集4】

もはや“知らない”では済まされない!?

ニュースな「著作権」

【特別付録】

世界の話題作を採点!超辛口批評!

「松本人志”ぶった斬り”映画ガイド」

【人気者研究】

さまぁ~ず:深夜で引っ張りだこ、“中堅芸人”の人気の秘密

【新世代俳優ファイル】

仲里依紗 : メイドコスプレで注目度急上昇のU-19美少女