インディージョーンズ・クリスタルスカルの王国

むしゃくしゃしている日は、馬鹿な映画を観るに限る。
 
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インディージョーンズ』シリーズは、ジョージ・ルーカスの権化みたいな作品だと思う。典型的なハリウッド映画というか、仕掛けが複雑で中身がないというか、とにかく日本映画とはぜんぜん違うし、日本人には撮ることができない作品だと思う。「リメイク・続編ばっかりで最近の映画はつまらん」という人もいるけれども、安心できるのも確かだ。所詮娯楽なので、安心して観られるというのは一つの正解だ。
 
で、インディージョーンズ。時代設定自体が随分と古いので*1、劇中に登場する単語も雰囲気も古めかしいというか、悪ノリしていて良い。このあたり「当時を忠実に再現」というよりは、ただ単に「悪ノリのためのパーツ」である。
そう。この映画は時代考証が古いことを良いことに、最初から最後まで悪ノリしている。モチーフが古いことを逆に利用しているというか。
仕掛けについてはあえて全く触れないけれども、「あっとびっくりする」というよりは、「真実を知り、あぜんとして、そして笑う」という感じの仕掛け。始まってすぐに「もしかすると」と思うんだけど、「まさかねえ、そんなわけはないよねえ」と思いなおしていたんだけれども、そのまんまの結末だった。子憎たらしい演出だ。それを見せた上で楽しませるんだから大したものだと思う。ラストなんて分かっていたのに大笑いしたもんな。
 
おじいさんのハリソンフォードはCGの力をめいっぱい借りて、すっげえ元気だった。120分のうち、少なく見積もって60分はアクションシーンだったと思う。且つての精彩がないだとか、物足りないだとかいうレビューもちらほら見えるけれども、もう還暦越えてるんだぜ?あたり前じゃんそんなの。それに、そんなグダグタ感が逆にインディー・ジョーンズっぽくて笑えたと思うんだけどな。かっこ悪いところがかっこいい、というか。この辺はブルース=ダイハード=ウィルスと一緒。こういうことをさらりと言える大人になりたいよな。
 

You…are a teacher?(本当に教授?)
Part time.(時々な)

 
この映画。点数をつけるなら100点。この手の映画は0点か100点だけど、明らかに後者。
久しぶりに頭の中をからっぽにして楽しめた映画だ。観て損はない。

*1:1957年のことらしい