書き残したことその3:水槽

書き残したことシリーズで「必ず書かなければならない」と思っていたトピックを書き損じていました。
 
それは、念願の水槽を導入したことです。
 
結婚したのとほぼ時期を同じくして、「熱帯魚の水槽が欲しいなあ」という淡い願望を抱き続けていた。元来生き物が大好きなのだけれども、さすがに犬猫は手に余るだろうと考えた僕の妥協点だった。
しかし、結婚することになった人(つまりうちの奥さん)は、元来生き物が大嫌いなので、「大体、誰が世話するのよ(怒)」という至極真っ当な反論で僕の淡い願望は長らく押さえつけられていた。まあ確かに、僕は殆ど家にいなかったし、奥さんの言うこともよくわかるので、10年来ずーっと我慢しつづけていたのでした。
 
しかし、僕が仕事を辞め自宅に軟禁状態になるとなれば話は別。相変わらず奥さんからは「そんなもん育てていないで子供育てなさい」という至極真っ当な反論があったのだけれども、息子が学校からもらってきたメダカを理由に、半ば強引に水槽を購入してしまった。
 
まあぶっちゃけ、やっちまえばこっちのもんです。
 
そんなわけで購入された水槽は、当たり前のように僕の仕事場の机に置かれた。ものの本によれば、電子機器の近くや不安定な机の上は、ともに水槽を置くのに適していないらしい。それを同時に満たす仕事場の机の上は、設置場所としてかなりリスキーなのだろうけれども、他に置く場所もないし、何よりいつでも水槽が眺められるってのが素晴らしいじゃないですか。
 
こんなことを書くと、各方面からお叱りの言葉を頂戴しそうだけれども、水槽が設置された直後はそれこそ仕事どころじゃなかった。水槽を眺めるのが楽しくて楽しくて、一日に何時間も水槽を眺めていたし、馬鹿みたいに水換えをしていたし、毎日のようにペットショップに行っては新しい水草仕入れたり、魚やエビを仕入れたりしていた。
とは言え水槽は30cmの小さなものだったし、あまり派手にやると奥さんに叱られるので、ちょっとずつちょっとずつ。

奥:「あれ、メダカ増えてない?」
僕:「いやあ、一匹じゃかわいそうだから」
 
奥:「あれ、さらにメダカ増えてない?」
僕:「いやあ、メダカが卵産んじゃって」
 
奥:「あれ、エビが増えてない?」
僕:「いやあ、コケを取ってくれるらしいから」
 
奥:「あれ、草が増えてない?」
僕:「いやあ、酸欠になっちゃうとかわいそうだから」
 
奥:「あれ、明らかにメダカじゃない魚が増えてない?」
僕:「いやあ、ゴミを食べてくれるらしいから」

などというステップを踏んで、気がつけばかなり既成事実を積み上げてきた。
 
そしてその間、かなりアクアリウムの勉強もした。
今やっている仕事の報酬が入ってきたら、いよいよ水槽のサイズを拡大しようと考えている。もちろん奥さんには内緒だ。

奥:「あれ、水槽のサイズが大きくなってない?」
僕:「いやあ」
奥:「いやあじゃないだろっ!!」

となること請け合いだが、欲しいもんは欲しいのだもの。
 
水槽ってのはしかし、女性にはとても受けが悪い。
なんでなんだろうか、こんなにかわいいのに。