GANTZ(評価:★★★)

昨日まで結構頑張っていたので、今日は仕事をしないことにした。ちょうど金曜日だったので、例によって映画館に足を運んだのでした。
  
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
平日の昼間に観てはいけない。
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

 
(2011年/東宝/130分/R12)
 
監督   :佐藤信
原作   :奥浩哉
出演   :二宮和也
      松山ケンイチ
      吉高由里子
      本郷奏多
      夏菜
 

幼馴染の玄野と加藤は、線路上に転落した酔っ払いを助けようとして電車に轢かれてしまう。次の瞬間、2人は見慣れぬマンションの一室にいた。そこは同じように"死んだはずの人々"が集められ、リビングの中央には"ガンツ"と呼ばれる謎の大きな黒い玉が異様な存在感を誇っていた。
〜公式サイトより抜粋〜

 
3.コメント
平日第一回放映を観に行ったのだけど、チケット売り場のお姉さんにいつもの通り「真ん中の真ん中あたり」と告げると、なぜかいつもよりずいぶん後ろの方を勧められた。
眼鏡を持ってきていなかったので「もうちょっと前よろしこ〜」と頼むと、お姉さんはちょっと迷ってから、「では、K列の真ん中より少し右でいかがでしょう」と言った。場所的にはまったく問題なかったので、そこにしてもらうことにした。
上映が始まる前にトイレに行くと、トイレ近くのベンチに8人くらいの"おばねえさん(おばさんとお姉さんの中間ぐらいのおんなのひと)"がたむろしていて、何やら楽しそうに話をしていた。主婦って良いよね、こんな時間からみんなで映画館来れるんだもんね。僕も映画館来れるけど、一緒に観てくれる友達いないもんな。
 
予告編がはじまった少し後に上映館に入る。チケット売り場のお姉さんが空いてないと言っていた席が空いていて、僕の他には2人しかいない。お姉さんのうそつき。でも空いてるからいいや。
 
なんて感じで席に座り、SP革命編の予告を観ているあたりで、さっきのおばねえさんたちが入ってきた。
おばねえさんたちは大声で話ながら僕の横を通り過ぎ、大声で話ながら僕の真後ろの列に一直線に並び、「あめたべる?」とか「こないだ幼稚園でさあ」とか「うっそう、いやだあ」とか自由にはなしている。大声で。
 
くっそばばあ。
 
スクリーンでは「マナーを守って楽しく観ましょう」みたいなことをアニメのキャラクターがしゃべっている。でもばばあには見えないみたいだ。相変わらず大声で「きのうだんながさあ」とか「わっ、わたしこのあめだいすき」とかしゃべっている。
 
くっそあま。 
おもむろに僕は立ち上がり、ゆっくり後ろを振り向いた。スクリーンに映る「映画泥棒は犯罪です」の明かりに照らされたばばあたちの話が止まる。まだ、これから何が起こるかわかっていないのだろう、口元にはさっきまでの笑いが20%くらい残留している。
 
可哀想に、適切な状況判断もできないくせに、威勢の良さとキツイ口調のお陰でその一団のリーダ格になっていったんだろう。ひとりのばばあが僕を見据え、「あのお、邪魔で見えないんですけどお!」と挑発的に言い放った。
きっと、学校の先生にも、近所の主婦友達にも、こういう態度で無茶な要求を通してきたんだろう。先生、おつかれさま。とおとなりさん、おつかれさま。もう今晩から悩まされずに済みますよ。僕は上着の内ポケットに右手を差し込み、そして取り出した拳銃をリーダーに向けた。
 
リーダーは突然向けられた銃口に一瞬怯んだけれど、すぐに気を持ち直し、立ち上がって僕の前で腕を組んだ。
 
「いい大人が、なにをふざけたことしてんの?そんなおもちゃの拳銃をポケットに入れて持ち歩くなんて、平日の昼間にのこのこ映画館に来ているだけのこ・・・」話が終わらないうちに、僕は拳銃の銃口をリーダーの口にねじ込み、トリガーを引いた。乾いた音がして、リーダーがぐらりと姿勢を崩した。銃口を引き抜くと、空いた口の向こうから、映写室の光が少しだけこぼれてきた。
 
残された主婦たちは、しばらく黙りこんだ後で、なぜか引きつった笑いを浮かべた。体は危険を察知しているのに、頭がそれを認めることを拒否しているという感じだ。
日本人はみんなそうだ。社会や経済の情勢、コミュニケーションの状況がこれだけ悪化しているのに、誰かが見つくろってきた最もらしい言い訳や、誰かが見つけてきた最もらしい犯人にすがり、自分の置かれている状況や、自分の責任から目を背けている。一体、日本人はどうしちまったんだろう?
まあ、いいさ。あなたたちは今日を以て、真剣に考えるふりをしたり、ポーズで誰かを非難したりする必要もなくなるのだから。
 
2人目に銃口が向けられた段階で、主婦たちはようやく何が起こっているかに気付いたようだ。でももう遅い。劇場に乾いた音が鳴り響く度、1つずついびつな風穴が増えていった。
 
最後の主婦は、劇場の端に座りこみ、足元に大きな水溜りを作りながら言った。
「わっ、私たちが何をしたっていうのよ!!」 
僕はこう答えた。
「なにかしたんじゃない、なにもしなかったんだよ。」
最後の主婦は、言葉の意味が良く分からなかったようだ。
僕は頭を振り、8つ目の風穴を開けた。
振り向くとスクリーンでは、あわれな"ねぎ星人"の子供が、主婦たちと同じように銃口を向けられていた。
 
〜 Fin 〜
 
 
なんてことはもちろんなく、主婦達は終始楽しそうにおしゃべりをしていた。
僕は学んだ教訓はこれだ。

嵐が出ている映画は、
平日の第一回放映で観るな

 
あ、映画は結構おもろかったです。
かなりグロいけど。
 
5.2011年ランキング(2/25時点)
GANTZが暫定1位なんだから、今年はまだ"コレキタ"というのがないみたいだなあ。
(1)ベスト10
  1 GANTZ
  2 相棒-劇場版2-
  3 白夜行
  4 
  5 
  6 
7 
  8 
  9
10
 
(2)ワースト3
  1 
  2 
  3
 
(3)ランク外