アイアンマン3(評価:★★★★)

久しぶりに公開初日、初回上映で観てきた。
 
 
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価

少女漫画系MARVELは壮快
評価:★★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 

2.基本情報


(2013年/アメリカ/131分)
 
監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr
   グウィネス・パルトロウ
   ドン・チードル
   ガイ・ピアース
   レベッカ・ホール
 
(あらすじ)
人類滅亡の危機を救ったアベンジャーズ達の戦いから1年、今や世界的なヒーローとなったトニー・スターク。生来の明晰な頭脳に、精悍なルックス。会社の一線も退き、今やCEOとなった恋人ペッパーとの同棲もはじめ、衆目には何一つ不満の無い、羨まれる人生を歩んでいるかのように見えた。
そんな彼は自宅のラボで次々と「新作アイアンマン」を作り続け、その数は実に42体まで増えていた。作らずにはいられなかったのだ。
エイリアンとの戦い以降、彼は深刻な不眠症に襲われ、おまけに不安神経症まで煩ってしまっていた。もはや、スーツなくしては自分の身を、大切なペッパーの安全を守る事ができない。その不安が彼をして新作アイアンマンを大量制作させていた。
そんな時、全てが謎に包まれたテロリスト、マンダリンが動きだし、相次ぐ爆破テロにより全米を震撼させる。不思議な事に、爆発現場からは一切の爆発物が発見されず、政府も手をこまねいていた。
そして、マンダリンによる爆発テロにより、大切なパートナーを瀕死に追いやられたトニーは、彼らとの戦いを決意する。
 

3.コメント

その昔、もう20年も前になるけど、大学の一般教養課程で「文化人類学」なんてのを履修していた。一般教養で履修する文人には有りがちなのかもしれないけど、その科目ではいつもキャッチーなテーマで講義を行っていて、その年のテーマは「ヒーローの文化学」というものだった。
時はバブル崩壊直後。その頃に多感で無責任な学生時代を送っていた人なら心情を理解してもらえるかもしれないけど、その頃の俺は、バブル崩壊による火の粉が自分の身に降り掛かるなんて、これっぽっちも思ってなかった。「あらあら大変だねー、がんばってねー」てなもんだ。
 
で、ヒーローの文化学。前期のレポートとして「あなたにとってのヒーローを定義し、その代表的な具体像について述べよ」みたいな課題が提示された。
俺は「ヒーローなんてものは、価値観の多様性に富んだ現代では、もはや生まれない。不要だ。」みたいな生意気なレポートを提出した。
そのレポートは講義の中でも壇上で発表され、そこそこ良い成績をもらった。
 
いやー、甘かったねー、過去の俺。

必要だよヒーロー。
 
ヒーローは不安な世の中においてこそ輝く。
そこに倒すべき敵がいるのであれば、誰かがそいつを倒さなきゃならない。
そしてできれば、それは自分であって欲しくない。
 
なんてぶっちゃけるつもりもないけど、世界情勢は慢性的で漠然とした不安を抱え、そしてその敵が一体どいつなのかわからない今、マーベルコミックス・シリーズのヒーローが次々とスクリーンに登場するのは、おそらく必然なんだろうと思う。
 
さてさて、本作。
リア充イケメンなトニー・スターク君の「おいた」はかなりナリを潜め、わりと人間臭い弱さを隠さない。不安神経症の発作に襲われたり、身ぐるみ剥がされてDIYショップで購入した生活雑貨で、傷だらけになりながら戦う姿は、まるでジョン・マクレーンを想像させる。なんせ、クリスマスシーズンの話だしね。
 
ぁ、ちなみにマクレーンってこいつね。

そしてイケメンが嬲られ、虐められ、弱さを吐露しながら戦うその姿は、意外と「萌える」んじゃないかと思った。なんつーか、少女漫画っぽいのだ。
最期の最期、ラスボスが倒れるシーンなんかにも、なんとなく少女漫画的設定が垣間見える。守られてる奴が実は最強、みたいなね。
 
 
全般的に伏線の張り方がわかりやすく、それなりに場数を踏んだ映画ファンなら、常に30分後の展開を予測しながら観られるんじゃないかと思う。
でもそれは、本作に限っては悪い演出じゃなかった。謎解きがメインの話ではないし、脳内妄想が次々と映像化されていく様は、むしろ観ていて壮快だ。
大体が、娯楽系アクションハリウッドなんだから、これでいいのだ。
 
 

4.その他

あー、言い忘れていた事が2つ。
1.いちいち出てくるプロトコル名が面白い。実にトニー・スターク的だ。
2.MARVELシリーズでの定番だけど、本作も場内が明るくなるまでは、決して席を立ってはいけない。分かっているつもりだったのに俺、今回思わず立ち上がりそうになってしまった。
 

5.2013年度ランキング(4/26時点)

というわけで、本作の評価は星4つ。
アクションで萌えたい全ての方々におススメします。
(1)ベスト10
1 レ・ミゼラブル
2 アイアンマン3
3 ONE PIECE FILM Z
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7 
8 
9 
10 
 
(2)ワースト3
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3 

(3)ランク外