Hatena::ブログ(Diary)

和田崇のまちづくりノート

2013年10月09日 チャレンジ・フォーラム

 超・久々の投稿です。

 本日(10/9),広島県主催のイベント「チャレンジ・フォーラム」に出演してきました。この取組は,広島県内の自治体職員がチャレンジ精神を発揮し,創意工夫をこらして,多様な主体と連携して取り組むまちづくり活動を,県内23市町から募集し,その中で特にいい取組をほめそやし,広め,そこから皆が学んでいこうというものです。私は,広島大学大学院の伊藤先生(広島を代表する社会科学者),スタジオLの山崎亮さん(情熱大陸にも出演された今をときめくコミュニティデザイナー)と一緒に応募事例から優秀事例を選定するとともに,イベントにてコメントを述べる役割をさせていただきました。

 応募事例はどれも,とてもユニークでチャレンジングでこちらが勉強するばかり。「じぇじぇ!」っていう感じです。その中で,特にキラリと光る「じぇじぇじぇ!!」の取組を選ばせてもらいました。選ばれた5事例が発表されるのが「今(日)でしょ!」ということです。そして,それを聞いた他市町の皆さんが今後は自分たちも頑張るぞ!「来年は倍返しだ!」という気持ちになって,それぞれの取組を進化させてもらえれば嬉しいな,ということを期待するものです。

 以下,私が会場でコメントしたことを記します。

1.「連携・協働」が目的でなく手段として位置づけられ,活用されることが重要。

2.目標とする「公共社会像」は,行政計画・方針の住民への押しつけでなく,住民や企業など個々のオモイ・ネガイ・強み・得意を引き出しながら,それを積み重ねる形で,みんなで創りあげることが大切。

3.市民主体・行政支援の形が一つの理想型だが,行政は後方に下がって何もしないのでなく,プレイング・ファシリテーターあるいはプレイング・コーディネーターの役割を果たすこと。

4.「広げ」型の連携・協働に注目するだけでなく,行政が市民生活の充実のために粛々とプロとしての役割を果たしていくことも重要。「深め」型,「極め」型といえるかも。

 これらが適切なコメントだったかどうかは,フォーラム参加者の皆さんの判断に委ねるしかありませんが,何かのヒントになったり,元気が出て来るきっかけになっていたら嬉しいです。

 それにしても,山崎亮さんの講演,面白かったなあ。実践内容も講演内容もしゃべりも勉強になりました。

2013年05月18日 ネロリの島おこし

 本日17時から中国放送テレビ「RCCプロジェクト Eタウン」にて、広島県竹原市沖の瀬戸内海に浮かぶ大崎上島における島おこしプロジェクトが特集されます。JAやフェリー会社、企画会社などが仕掛け役となり、島民や行政を巻き込みながら、レモンの葉やネーブルのつぼみを使ったお茶の開発・販売、農園体験などに取り組んでおられます。レモンやネーブルなどの柑橘の香りのことを「ネロリ」というそうです。先週12日に私もゲストコメンテーターとして取材に同行し、関係者にインタビューしたり、感想を述べたりしました。

 番組ではキャスターやデレクターの方がうまく編集、演出してくださっていると思いますが、以下、取材を通じて私が感じたことを記します。番組視聴と併せてお読みいただければ幸いです。まちづくり観点からみて、大崎上島における取組みのポイントは次の4点にあると感じました。

 第一は、「ないものねだり」でなく「あるもの探し」です。行政や外部からの(特にハード建設への)投資を求めるのでなく、島にある魅力を探し出し(気づき)、それを活用している点です。すなわち、「地域資源の活用」を実践しているということです。しかも、これまで捨ててきたネーブルのつぼみ、レモンの葉に着目し、活用してきた点が秀逸ですね。なお、それらに着目したのは島外の人であった、ということも示唆的です。地域資源を活かす、しかもそこにしかないものを活かすことは、必然的に活動のオリジナリティを高めます。

 第二は、「まちづくり台風理論」を実践している点です。最初は熱帯低気圧だった台風がうねりをおこし、まわりを巻き込みながら、次第に大きくなっていく。まちづくりも、最初は小さな取組みであっても、持続的な発信と働きかけによって、周囲の人々や組織の賛同と共感を得て、活動の環を広げていく。そんな様子がみてとれました。その際、島民の皆さんの参加を得るため、「実際にやってみせる」「効果を実感してもらう」「楽しんでもらう」といった仕掛け側の工夫がみてとれました。

 第三は、観光客や交流客というより「応援客」の参画を得ている点です。商品やサービス、あるいは空間を「消費」する観光客(一見さんを含む)、継続的に行き来し、より親密な人間関係も構築する交流客というよりも、参画してもらうことでその地域の維持・発展、産業振興にもつながる、応援客ともいうべき客を巻き込もうとしている点です。人口減少・高齢化の進む島々は地域コミュニティの維持、産業振興等の面でさまざまな問題に直面しています。東日本大震災ではこうした問題が突然かつ急激に発生しましたが、瀬戸内の島々などは人口減少・高齢化の進展に伴い、これらが徐々に顕在化しています。震災復興ボランティアツアーが人気を得たように、人口減少・高齢化地域再生ボランティアツアーなるものが今後、企画、商品化されてもいいかもしれませんね。

 第四は、持続的な循環の仕組みづくりに挑戦しているという点です。まちづくりというと、イベントやボランティアといったイメージが強く、その結果、経済的にも精神的にも限界が出てきて、活動が単発で終わるケースがしばしばみられます。まちづくりは「終わりのない持続的な取組み」ですから、人と金と情報が循環する仕組みをつくることが大事です。お茶という商品や農園体験というサービスを通じてお金を循環させ、人が生業(もしくはその一部として)参画し、行き交う情報が人々をさらに結びつけると同時に、活動をブラッシュアップさせる。そんな好循環を生み出そうというにおい(香り)が、ネロリの島おこしには感じられます。徳島県の「葉っぱビジネス」も有名ですが、高齢者の作業として適当な葉っぱ集めに対して、瀬戸内の「ネロリビジネス」は若者や女性が参画できるようになり、定住にもつながるという、柑橘栽培が卓越する瀬戸内の新しい振興モデルになればいいな、と思います。

 第一と第二の点はまちづくりの基本の再確認といえます。それに対して、第三と第四の点は大崎上島での取組みに感じられる可能性といえます。番組中でこれらがうまく表現できたかどうかわかりませんが、以上が私がネロリの島おこし取材に同行して感じたことです。みなさんのご感想、ご意見をお聞かせください。

 最後に、こうした取材機会を与えてくださったT大学のK先生(歌って踊れる大学教授)、RCCのIキャスターおよびNディレクターに感謝いたします。

2013年02月18日 金沢でシンポジウム

3月2日(土)に金沢市にて「第1回リアル・コンテンツ・ミーティング」が開かれます。漫画やアニメ等のコンテンツをメディアだけでなく現実空間でも楽しむためにはどうしたらいいか?を考えるシンポジウムです。簡単に言えば,漫画・アニメなどによるまちづくりを考えよう!ということです。私もパネリストの一人として参加します。ご関心のある方はぜひご参加ください。

f:id:TakashiWada:20130218160533g:image

2013年02月11日 メイドインジャパン

 先々週から3週にわたって放送されたNHK「メイドインジャパン」。とても興味深いテーマであり,ストーリーでした。高度経済成長以来の日本経済を支えた業種の一つ・電気機械・器具製造・販売業がアジア諸国等の台頭に伴って次第に競争力を失い,会社の立て直しを模索する物語。現在の日本経済を象徴するようなテーマおよびストーリーでした。

 第1回では,日本企業タクミは,圧倒的な生産力と低コストを強みとする中国企業に契約を奪われようとします。第2回では,タクミは技術を盗んだ疑いで中国企業から技術料を払ってもらおうとしますが交渉に失敗し,その中国企業を法的に訴えることに。一方でドイツ企業との提携も模索...。第3回では,一転,タクミを退社して中国企業に移籍した技術者記者会見を機に,タクミと中国企業が,信用と技術力,生産性と市場というそれぞれの強みを活かして提携を進めることに。日本企業のおかれた現状を浮き彫りにした第1回と第2回に比べて,第3回は今後の日本経済,グローバル経済への期待を込めた内容だったように思いますが...。唐沢寿明高橋克明大塚寧々岸部一徳など,個性ある俳優陣の演技も良かったですね。

 http://www.nhk.or.jp/drama/madeinjapan/

 このドラマで感じたことはいくつもありますが,その中で「技術」と「希望」に着目したいと思います。「技術」については,高橋克実が演じた,タクミから中国企業に移籍した技術者記者会見で言った「私は技術に対して嘘はついていない」「技術は誰が開発したかというよりも誰の役に立つかだ」「技術は社会を大きく前進させる力を持つが,同時にリスクもあり,それに対応していく必要がある」という台詞(本当の台詞はたぶん少々違っていると思います)が印象に残っています。いずれも技術者哲学倫理を示しているように思います(ドラマでは理系の技術に焦点が当たりましたが,社会変革の技術もこれに含めてよいと思います)。研究者としての哲学倫理にも共通するなと思いました。また,二番目に挙げた台詞については,イノベーション,創造性,知的財産権が重視され,それが国や地域の競争力の源泉として見直されている中で,これをどう捉え,位置づけ,折り合いをつけていくか,ということを考えさせられました。

 もう一つは「希望」。ドラマ中の架空企業タクミの社歌のタイトルでもあり,岸部一徳が演じたタクミ創業者,そしてタクミの新たなステージを見いだそうとする唐沢寿明が演じる主人公が発した言葉です。個人にとっての希望,会社としての希望,国としての希望,地球社会の希望...。さまざまなレベルの希望があると思いますが,いずれの場合も希望がともるのは一人ひとりの心の中かな...。希望がみんなの心にともるような家庭,会社,地域,国をつくることは大事だなあ,と改めて考えました。閉塞感がただよう今の日本だからこそ...。職業柄,若い人たちが希望を持てるような仕事に励まなければね。

 「メイドインジャパン」は,「白い巨塔」「仁ーJinー」などに続いて,私が久しぶりに「見たい」「面白かった」と感じたドラマでした。こんなドラマがどんどん作られてほしいなあ。

KadotaKadota 2013/02/12 18:37 私も、全部みましたが、最後が綺麗にまとまり過ぎてる感が、ありました。
実際の現場は、もっとドロドロしてますヨ!(*^^*)

TakashiWadaTakashiWada 2013/02/12 18:49 私もそう思います。第3回は「希望」「期待」ですよね。

2013年02月03日 島スクエア

 久々のブログ投稿です。Facebookを始めてから,ブログ更新が滞っております。今日は5年前から外部評価委員として関わってきた「島スクエア」のことを書きます。

 山口県周防大島町にある大島商船高等専門学校は,科学技術戦略推進費補助事業の地域再生人材創出拠点の形成「山海空コラボレーションみかん島再生クルー」(通称「島スクエア」)に取り組んでおられます。5年間の補助事業で,最終年度の今年度まで島での起業家育成をめざし,「島(起業基礎)」「山(商品開発)」「海(体験型観光)」「空(Web・動画)」などのコースで講座やフォーラムなどを開催してこられ,5年間で延べ351名の修了者を送り出し,そのうち何名かが実際に起業するという成果も出されました。

 http://www.oshima-k.ac.jp/shima-sq/

 本日はその最後の外部評価委員会が開かれ,私も僭越ながらコメントをしてまいりました。2回の発言チャンスがあり,最初は5年間の事業に対する評価,次に今後の展開可能性について述べさせていただきました。

 まず,5年間の事業については,すばらしいと感じた点を3つ,残された課題と感じた点を2つ述べさせていただきました。すばらしいと思ったのは,

 1.都市計画コミュニティ・デザインに加えてビジネス・インキュベーションもまちづくりの一つの柱と実感できたこと,

 2.それに高等教育機関が関与する意義と可能性が確認できたこと,

 3.計画だけでなく運動論も展開され,起業教育研究センターが設置されたり,NPO設立準備が進んだりしたことなどです。

 また,課題としては,

 1.インプットだけでなくアウトプット,アウトカムも具体的に示してほしかったこと,

 2.高等教育機関がビジネス・インキュベーションをはじめとする地域貢献活動に関わる際の具体的な工夫や課題を示してほしかったこと,

 です。次に,今後の展開可能性(起業教育研究センターについて)については,6つの提案をしました。

 1.高専教員による「周防大島学」ともいえる研究を支援する制度の創設

 2.高専学生による周防大島をテーマとした卒業研究等の推進

 3.地域内外の方を研究生として受け入れ,共同で周防大島研究を推進

 4.小学生の夏休みの自由研究高専がサポート(ジュニア研究生inサマー)

 5.上記研究成果をとりまとめた紀要等の発行

 6.島をフィールドとした起業プランコンテストの開催

 これらを10年続ければ,相当の蓄積が進むのではないかと思いました。1年に1回か2回,会議に行くだけで生意気な発言でしかないかもしれませんが,会議に参加された方,また周防大島に関わる方の中でどなたかが1点でも引っかかるところがあれば幸いです。また,このブログを読まれたみなさんから,コメントをいただければ幸いです。

 ちなみに以下の写真は,本日の会議資料,起業教育研究センター入口,起業教育研究センター横に廃校を活用してオープンした福祉施設です。

f:id:TakashiWada:20130203154158g:image:w360

f:id:TakashiWada:20130203154159g:image:w360

f:id:TakashiWada:20130203154200g:image:w360

2013年01月10日 和田ゼミ卒業研究発表会

 1月26日(土)に和田ゼミ卒業研究発表会を開催します。学内・外を問わず、ご関心のある方はどなたでもご参加いただけます。内容は以下のとおりです。

日時:平成25年1月26日(土)15:00-17:00

場所:徳山大学5号館522教室

題目:

 木下幸治「山口市秋穂地区における農村空間の商品化ーみかん栽培からみかん観光へー」

 李 氷「中国における日系銀行の立地展開ー大連市の日系銀行を中心にー」

 チャン・ティ・イェン「ベトナムにおける日系企業の進出状況ーロテコ工業団地を事例にー」

 3年生(9名)による卒業研究構想の発表も行います。

2012年12月18日 徳山大剣道部稽古納め

 昨日は徳山大剣道部の稽古納め。40分ほど元気あふれる学生たちと地稽古してきました。1年生たちの成長が著しい!! 稽古後に「自分ではこの1年で何が成長したと思う?」と稽古した学生全員に聞いてみたのですが,しっかりと自分の考えを言える学生ほど伸びているように思います。

 その後に今年度最後の周南市行政改革審議会(一応,副委員長を仰せつかっています)に出席。現在,周南市では公共施設再配置計画案に対するパブリックコメントを実施中。多くの皆さんに関心を持っていただき,コメントを寄せていただけると幸せます。

http://www.city.shunan.lg.jp/section/gyokaku/bosyu_hennkou.html

2012年12月16日 「道」「愚直」と「効率」「利益」

 今朝のテレビ番組。久々に日曜朝の情報番組をみました。ある番組で特集していたのが日本の強みとしての「道」。「茶道」「書道」「柔道」「剣道」・・・・。ここまですればよし,何かすればそれに対する報酬を,という感覚でなく,常に高みや深みを求めていこうとする姿,そこから生まれるものに本当に価値があるのだと。そして,それが文化力が求められるこれからの時代における日本の強みになるのだと。確かに,その可能性はあるでしょうね。

 それは,近年の日本が求めている「効率」優先,「利益」優先の経営,ビジネスとは逆の考え方と言えるかも・・・。しかし一方で,道を求めていくことが価値創出につながり,それが結果的に益を生み出すことになるはず。

 研究や教育に求められるのはどちらかというと「道」であり,非効率であったり,愚直であったりすることが大切だと思います。まずは「道」「愚直」,そしてその結果として(決して金銭的だけではない)「益」を得るように考えていきたいですね。

2012年11月27日 英語勉強会

 毎週火曜日朝(1限が始まる前の1時間)に続けている英語兼地理の自主勉強会地理学論文の英語要旨を,学生が1文ずつ順番に読んで和訳しています。本日の題材は,H先生のPOSデータ分析に基づくコンビニ立地の論文。4名の学生が朝から頑張りました。

f:id:TakashiWada:20121127092507j:image

2012年11月23日 ブログとSNSと近況

 Facebookを始めてからブログ更新頻度が大幅に低下しているここ半年です。FacebookなどのSNSはセミクローズドな情報交流空間,ブログはオープンな情報交流空間だといえると思いますが,両方を使い分けながら継続していくのはなかなか大変ですね。みなさん,どのようにして使い分けておられるのでしょう。これにTwitterが加わると,さらに大変ですね。インターネット上での情報の発信・交流の必要性は言うまでもありませんが,そればっかりに時間をとられていても仕事やリアルなコミュニケーションができなくなりますからね・・。

 ちなみに,前回の投稿以降,私は次のような活動をしながら時間を過ごしてきました。

 10/26 やまぐち総合ビジネスメッセ(徳山大地域連携センター出展)

 10/27 周南まちづくりコンテスト表彰式

 10/27-28 周南市大津島でゼミ合宿(山口大・九州国際大と合同)

 11/6 西京銀行で講演

 10月後半-11/10 投稿論文の修正と再投稿

 11/11-16 シンポジウム論文(趣旨説明と総合討論)執筆

 11/19-21 来年の国際学会のための発表要旨作成(English!)

という感じで,あっという間に時間が過ぎていきます。また現在,山口地理学会の学会誌に投稿する論文を執筆中です。今年の執筆の努力が来年に公表される結果となって顕れればいいのですが・・・。