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竹内研究室の日記 RSSフィード Twitter

2009-11-14

Net Present Valueで測れるものと測れないもの

事業仕分けをブログに書いてから爆発的にアクセスが増えたので、もうひとつコメントを。昨日の事業仕分けをネットでじっくり聞いていて、加速器のSpring8など主に基礎研究が税金に対するアウトプットが明確でないと叩かれていました。叩いた方々のバックグランドはわかりませんが、金融系の人たちが多かったようなので、おそらくファイナンス理論のNet Present Value:NPV(株価や事業、資産の現在価値を、現在から将来にわたるアウトプットと金利から評価する手法)的なセンスで語られていた気がします。

たとえば私が研究しているLSIのような応用研究はNPV的なもので評価することができると思います。実際、もし私が研究成果を実用化するためにベンチャー企業を作ったとすると、事業計画の中で、研究の価値を金額(NPV)に換算しないと投資家に投資してもらえません。

仕分けにまつわる混乱の一つは、加速器のようなNPVでは評価できないものも同じ尺度で議論しているから堂々巡りの話になるのではないでしょうか。毛利衛さんが力説していた科学館が子供に与える影響というのも、とてもNPVで評価するにはそぐわないですよね。また大学ですと、講義など教育の価値もNPVでは測れない。私が留学したシリコンバレーにあるスタンフォード大学は、工学部からベンチャー企業を輩出していますし、ビジネススクールからはベンチャーキャピタルを輩出しており、NPVの本家本元のような大学でした。でも、その一方、スタンフォードには世界的に有名な加速器が、しかもキャンパス内!(写真↓の白い線が加速器)にありました。東大の本郷キャンパスに加速器を作るべきだとは思いませんが、長期的にみれば基礎研究も役に立つわけで、NPV一本やりではない評価尺度の多様さも大事ではないかと。アメリカではどうやって基礎研究を評価しているんでしょうね。軍事部門の予算が大きいからだけでは無いと思いますが。

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