Hatena::ブログ(Diary)

竹内研究室の日記 RSSフィード Twitter

2013-03-31

大学で学生に本当に教えたいこと。なぜ、竹内研の卒業生が半導体や家電メーカーに就職しないのか。

今年度も今日で終わりですね。今年は、5年前に東大で研究室を立ち上げた時に入学してきた畑中君が、無事博士を取って卒業。

そして、3年半にわたって研究室の中心となって活躍してきた、助教の宮地君がパーマネントの職を得て独立します。

学生だけでなく、研究員にとっても、大学の研究室は通過点。

ポスドク問題と言われるように、今や大学でパーマネントの職に就くのは非常に厳しい。

竹内研での活躍を評価されて、激戦を勝ち抜いたのは、本当にうれしいです。

これからは自分の研究室を立ち上げることになるのですが、健闘を祈ります。

さて、半導体メーカーが苦境に陥り、リストラが相次いでいる中で、よく「学生の就職はどうしているのですか?」と聞かれます。

今まで半導体業界の凋落と学生の就職を結びつけて考えたことが、実はありません。

今や、学生には「この会社、業界に就職しろ」と教員が指導する時代ではないです。

完全に学生の意思で仕事を選んだ結果、竹内研の卒業生で、半導体業界に進んだ人は、ゼロ。

半導体だけでなく、家電も含めたいわゆる「電機」は、随分前から学生に見放されているんですよね。

私自身は半導体業界の出身ですが、竹内研の研究は、もはや、ミドルウエアや信号処理などのソフトウエアが中心。

ハードウエアは日本の強みでもあり、技術の革新の種ではあるけど、ハードウエアだけで勝ち残るのは難しい。

むしろ、ハードを使いこなすソフトや、デバイスを使ったサービスの方がよほど重要である、と言い続けているから、いわゆる製造業には学生がいかないんでしょうね。

むしろ、ITを使ったサービスの企業に進む卒業生が多い。

また、これだけ技術の変化が激しい時代には、大学で学んだ知識で一生食べていくことは不可能。

大学を卒業をしてからも、自分で学び続けなければいけないのです。

大学で学ぶ時間より、仕事についてからの人生の方がよほど長いですからね。

ですから、大学で一番教えたいことは、学び方、学ぶ姿勢です。

現在の私も、ど素人ながら、データベースなど新しい分野を勉強し、研究に取り組んでいます。

また、研究職に限らず、あらゆる仕事を探すうえで大事なのは、自分が学ぶチャンスがあるかどうか。

より具体的には、若手に権限がある、若い組織の方を選んだほうが良い。

職場が高齢化していて、入社して何年も(下手をすると10年も)下働きが続くような職場より、早い時期から権限を持たせてくれる職場の方が、学ぶことが多いのは間違いない。

この、職場が高齢化していない、という条件だけでも、半導体や家電はダメでしょう。

ひるがえって、20年間に私が就職した時に、フラッシュメモリの研究所に飛び込んだのは、何と言っても、そこが若い職場だったから。

ここだったら、チャンス多くて、自分が成長できると思いました。

いま、自分が就職するなら、まったく別の世界に進んだろうなと思います。

日々、こういうことを言っているのも、学生への就活に影響しているのかもしれません。

卒業生たちの就職を見ると、実は私なんかよりも、時代の変化を察知して、賢く仕事を選んでいると思います。

これからも時代の変化を察知しながら、常に学び続けながら、しなやかに生きていってくれると思います。

むしろ、心配すべきなのは、学生よりも、自分の方かもしれませんね。

年を取るということは、変化をどうしても嫌うようになるから。

2008 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 |