草創日記

2011-05-06

『月は無慈悲な夜の女王』 読了。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

冒頭でよくある管理社会からの脱出モノかと思ったら

メインテーマは政治と経済、そして独立革命だった。

要するにアメリカとイギリスの関係を月と地球に置き換えて

独立戦争をやってしまおうというわけだ。

ボリュームあるけど引き込まれる展開でぐいぐい読める。


SF小説は敷居が高い印象があったけど、月世界のとんでもない設定をさらりと記述し、

しかもそれが「ああ、なるほどねえ」と納得してしまうリアリティを持っているので

ふんふんと読んでいくうちに、いつのまにか作品内の月世界の設定が

自分の中であたかも事実のように浸透していくのを感じてしまうほど。

ああ、なるほど。これが"SF小説"か。こりゃあ面白いわ。

2010-05-12

お、おう

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 どこか深いところからゆっくりと浮かび上がるように、彼は意識を取り戻しかけていた。

 本能的に彼は意識の回復を嫌った。彼はあたかも何らかの意思の力によって、無意識と意識の隔りを埋める容赦ない時の流れを押し留め、極限の消耗の苦痛とはいっさい縁のない無窮の非存在に立ち帰ろうとするかのようであった。

 ハンマーさながら、胸郭を内側から突き破るばかりに躍り狂っていた心臓の鼓動は鎮まっていた。体中の毛穴から彼の精力と共に滝のように流れ出た汗はすっかり冷えきっていた。手足は鉛のように強張っていた。空気を求めて喘いでいた肺は再び穏やかな、規則的なリズムを取り戻していた。呼吸音は密閉されたヘルメットの中でやけに大きく耳を打った。


 「星を継ぐもの」 プロローグ より

………

「気を失っていた男が目覚めた」って、起こった出来事はただそれだけなのに!

恥ずかしながらこの歳までラノベすらろくに読んでこなかったせいか、

こういった密度の高い文章を読むと頭がくらくらしてくる。


なるほど、小説はこういう緻密な状況描写が命なのね。

自分でやろうと思っても語彙が貧困な私にはできない芸当だけどにゃー!

お、おう

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 どこか深いところからゆっくりと浮かび上がるように、彼は意識を取り戻しかけていた。

 本能的に彼は意識の回復を嫌った。彼はあたかも何らかの意思の力によって、無意識と意識の隔りを埋める容赦ない時の流れを押し留め、極限の消耗の苦痛とはいっさい縁のない無窮の非存在に立ち帰ろうとするかのようであった。

 ハンマーさながら、胸郭を内側から突き破るばかりに躍り狂っていた心臓の鼓動は鎮まっていた。体中の毛穴から彼の精力と共に滝のように流れ出た汗はすっかり冷えきっていた。手足は鉛のように強張っていた。空気を求めて喘いでいた肺は再び穏やかな、規則的なリズムを取り戻していた。呼吸音は密閉されたヘルメットの中でやけに大きく耳を打った。


 「星を継ぐもの」 プロローグ より

………

「気を失っていた男が目覚めた」って、起こった出来事はただそれだけなのに!

恥ずかしながらこの歳までラノベすらろくに読んでこなかったせいか、

こういった密度の高い文章を読むと頭がくらくらしてくる。


なるほど、小説はこういう緻密な状況描写が命なのね。

自分でやろうと思っても語彙が貧困な私にはできない芸当だけどにゃー!

2010-03-19

近況

最近は絵描いてたり絵描いてたり絵描いてたり。

とてもまだ人様に見せられるもんじゃないから結果的に更新停止状態でした。

図書館で絵の教本も色々借りてみたけど、なかなか当たりは引けず。

結局この前の「人体のデッサン技法」と、

自分で買った「スーパーマンガデッサン」くらいしか参考になる本はなく。

スーパーマンガデッサン―作画のための考えるデッサン

スーパーマンガデッサン―作画のための考えるデッサン


今は↓の本のポーズをひたすら書き取りしている最中。

ポーズイラスト2500

ポーズイラスト2500

「絵をうまくなって何を描きたいか」という

根本的なモチベーションが抜けてるからか、どうも迷走気味。


ゲームは変愚蛮怒に手を出す→飽きる→Elonaに手を出す→飽きる で、

特に記すような話もなく。


そうそう、パイプたばこの葉を使いきりましたよ。

いっつも使いきる前に次のパウチを買ってしまうから、

半分くらいしか吸えずに捨ててしまうことが多かったのに。

いやー、珍しいこともあるもんだ。

まあ、800円のパウチ吸いきるのに結局半年くらいかかってしまったわけですけども。


せっかく吸いきったことだし、次は違う銘柄にチャレンジしたい。

でもそうなるとある程度バクチになってしまうのが悩みどころ。

ハーフ&ハーフでウヘァになったトラウマが…。

いい感じに仕上がった愛用のコーンパイプに変な匂いがついても困るしなぁ。

やっぱ同じのを買おうか…うーん。

2010-02-07

脳の右側で描けワークブック

脳の右側で描けワークブック

見て描くことができるようになってしばらく経ち、

「こんな俺でも絵が描けた!」とニヤニヤできるようなゴールデンタイムは終了した感じ。

そろそろ絵のクオリティに不満が出てきてしまった。

このまま「下手だから描きたくない」の方向に行くと、またアレなことになるなあ、と……。


勢いにまかせて図書館で大量予約してしまったので、軽いレビュー。

絵の教本って本当の初心者からある程度わかってる人まで、

対象が幅広いから読む人のレベルによって当たり外れが多い印象。

8冊借りた中で本当に初心者向けのものをメモ。


脳の右側で描けワークブック

脳の右側で描けワークブック

これは購入した本。本に書き込んで練習するワークブック。

リング閉じで、表紙は厚紙で補強されているので、

どこでも膝の上に置いて描くことができる。首と背中がツラいけど。

ただ、題材に植物や静物を要求される場合もあるので、

言うほど敷居は低くないような印象。

いや、雪のない地域なら葉の多い植物とかそのへんでむしってこれるんだろうけどさ。


鉛筆デッサン教室―観察から線力アップまで

鉛筆デッサン教室―観察から線力アップまで

“まずは線を引く練習から始めましょう”

楽勝楽勝と思ってたら、まっすぐな線をひけないことにビックリした。

他にもデッサンに使うタッチや質感の表現などを初心者にも優しく解説してくれる。

お手本が細部まで精密に描かれてなく、

あくまで「タッチの解説」としての手本であることにも

初心者のハードルを下げようという心配りが伺える良著。


人体のデッサン技法

人体のデッサン技法

ちょっと古いけど、パラパラとめくった瞬間「これだ!」と思った。

色々借りた中で、人体の書き方としてはこの本が一番わかり易い。

※0208追記

テクニックではなく、あくまで理屈として教えてくれるので、

絵心の有る無し関係なく身につけられる技法を解説してある感じ。

現在「こんな俺でも顔が描けた!」とゴールデンタイム第二弾が到来中。

2010-01-24

「脳の右側で描け」

脳の右側で描け

脳の右側で描け

ネットを漂っていた最中にふと評判を聞き、図書館で借りてみた。

絵に関して全くの素人を、ある程度のレベルまで引き上げる本…らしい。

はてさて、絵は小学校低学年の棒人間のレベルで止まっているこの俺を

いったいどの程度まで押し上げてくれるのやら。

とりあえず本の指示通りに一週間、実質4日ほど続けてみたところ


練習前

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練習後

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すげえ。

なにこれすげえ。手が描けた。こんな俺にも手が描けた!

否が応にもテンションアップ。すげえこの本すげえ。

なぜピースかというと、血迷ったからだ。それ以上聞くな。


さあやる気も出てきたし、どんどん描くぞー。

…と、ノってきたところで返却期限に。

いや、いい本だわこれ。

絵を描く力は才能でも魔法でもない!と実感させてくれる良著。

(いやもちろん最終的には才能がものを言うんだけど、基本的な技術の段階なら)

難点といえば説明が詳しすぎてわかりにくいことくらい。

課題よりも説明を読んで理解するほうに時間と気力を持っていかれたよ。

説明を省いて課題に特化した、ワークショップ版というのがあるらしいので、

今度そっちを買ってみようかと思う。


教えてくれるのは基本的に模写の技術なので、

この本で勉強すると、「目に見えるものはある程度描ける」ようになる…らしい。

いや、半分くらいで返却期限が来ちゃったから、実際どうなのかわからないけどさ。

それでも、半分しかやってない俺でも実質一週間かそこらの練習で、

小学生の棒人間からこの程度のレベルまでは引き上げられたわけですよ。

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いやー、「絵が描ける」って楽しいわ。

ものすごい楽しい。なにこれ世界が変わって見える。

早く雪溶けないかなー。風景画描きたい風景画。