タイムの目安は不要!

私たち夫婦は、ヒルクライムどころかレース参戦も初めてでした。ヨメに至っては、ロードバイクに乗ってまだ100km走っていないという状態。

これで目標タイムを設定するのは難しいです。

でも、初参加の方が一番悩むのは、「どのぐらいのタイムを目標にすれば良いのだろう?」という点だと思います。こういう場合、自転車雑誌はまったくアテになりません…自転車雑誌に出ているのはトップレベルの話ばかりで、しかも理想論・建前論(対象者のフォームを見もしないで「骨盤立てろ」と言う自転車乗りがあなたの回りにもいると思います…「脛毛を剃れ」もいますね)が多くて、レースビギナーの参考になる記事が少ないからです。

私たちも一応の目標タイムは決めていましたが(前日の試走までは1時間半 / 試走後は2時間(笑))、これはまったく机上の空論で、意味のないものでした。そのかわりに目標にしたのは心拍数でした。

一応、普段自転車であちこち走り回ったり、エアロバイクや固定ローラーを漕いだりしていますので、「長時間維持できる最高心拍数」は大体見当が付きます。私の場合「最大心拍の85%で60分」を経験済みでした。しかし、60分でゴールできる見込みはまったくありません(そりゃそうだ)。

こういう場合に頼りになるのはマラソン/ランニング雑誌です。ランニング雑誌は、ビギナーからアスリート、ベテランなど、幅広い層に向けて、きちんと客観的な指標が示されていることが多いです。ただ、もちろん自転車のことなどは書いてありません。あちこちの記事を付き合わせてVO2Maxなどの指標を参照して「最大心拍を85から75%に落とせば、持続時間は150〜200%程度延長できるらしい」、ということがわかりました。

私の年齢から推測される最大心拍数は175,安静時心拍は45です。85%は155bpm、75%は142bpmということになります。

同じ運動量でも後半になると自然に心拍は上がっていってしまいますから、それを折り込んで、

  三合目までは140bpm、その後は様子をみて150bpmから少しずつ上げていく

という目標を設定しました。マラソンのテキストでも「最初のスタートダッシュで無理して苦しくなると結局最後まで苦しい」とあります。長距離はイーブンペースが理想なのですが、それはペースがわかる経験者の話。ビギナーとしては、前半のペースは抑えて、後半様子をみてペースアップするのが正しい戦略とされていますので、それを全面的に採用しました。

実際には

で、実際どうだったかと言うと…初出場の緊張でまだスタートする前から心拍は120を越え、スタートラインの前で145程度まで上がってしまいました。後ろからスタートしたMTBにバンバン追い抜かれていくのは忸怩たるものがありましたが、じっと我慢して140前後をキープしました。

で、三合目で少しペースを上げようとしたのですが…コースサイドには足が痙攣したのでしょうか、ストレッチしている人たちが一杯います。私の大腿四頭筋も重く張っていて、以前、一日走った後の国分寺断崖の登りでダンシングした瞬間に足が攣りそうになったことが脳裏をかすめます。完走を第一に考えて、ここは足を休めることにしました。そのため、心拍は135以下に下がってしまいました。

後から考えればもっと踏んでも良かったと思います。というのは、4合目手前で横に広がった集団に追い付いてしまい、さっさと追い抜くために止むを得ずダンシングしてみたら、足の疲労が抜けてまた踏めるようになったからです。3-4合目で我慢したから回復したということもあったと思いますが、もう1時間以上走った後でも回復するとは思わなかったので、意外でした。

それからは、だいたい心拍150を維持することができました。

後で、Polarのデータを見ると、平均心拍は144でしたので、だいたい狙い通りだったことになります。計算上、足は15%ぐらい残っていたことになりますが、ともかくリタイヤだけは避けたかったので、結果には満足しています。

ということで、来年参加してみようという方はトレーニングの一環として「30分なり60分、どのぐらいの心拍を維持して走れるか」を計測しましょう。そして、その心拍を元にして目標心拍を設定し、何が何でもその心拍を維持します。そうすれば、間違いなく完走できます。

なお、「2時間で完走」というペースの場合、勾配8%前後の坂では時速7-8kmまで落ちてしまいます。その時に、ケイデンスが70ぐらいを維持できるギアを用意しておいてください。私は無謀にも52-39/11-25という大人ギアだったのでケイデンス50以下に落ちてしまい、これが三合目で足が張った原因の一つだと思っています。

来年、富士スバルラインでお会いしましょう。