予防接種は誰が為に

 前回ははしかの症状や、ワクチン(MRワクチン)の効果を中心に触れました。今回はワクチン接種による副反応(副作用)とはしかの合併症、最後に助産院の掲示板コメントについて触れたいと思います。例によって間違い等ありましたら、ご指摘頂けると幸いです。

ワクチンの副反応

・どんなに効果の高いワクチンでも、副反応が起こる可能性はあります。国内のワクチン接種数と、ワクチンによる副反応報告はどのようにされているのでしょうか?
・日本では現在、「予防接種後・健康状況調査」と「予防接種後・副反応調査」の二つが実施されています。

健康状況調査と副反応調査


上の表は、その二つのうち前者である「予防接種後・健康状況調査」の平成19年度前期分(4月1日〜9月末まで)と後期分(10月1日〜3月末まで)の結果を集計したものです(表作成はTemperによる)。
・はしかは麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチンといいます)として接種されている場合がほとんどですので、MRワクチンの定期接種第1期にあたる12ヶ月以上〜24ヶ月未満のお子さんと、第2期にあたる5歳以上〜7歳未満のお子さんからの結果を用います(該当時期の詳しい内訳はこちら)。
・この調査の目的は、

国民が正しい理解の下に予防接種を受けることが出来るよう、接種
前に個々のワクチンの接種予定数を報告医毎に決め、接種後、それぞれのワクチン毎に
一定の観察期間を通じ、接種後の健康状況調査を実施することにより、その結果を広く
国民に提供し、有効かつ安全な予防接種の実施に資することである。

です。まとめますと、「予防接種を理解する上で、メリットとデメリットをうまく比べることができるように、ここではデメリット(副反応)の報告を調査しましたよ」といったところでしょうか。
具体的な調査の対象や方法は、

2 調査対象としたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア、百日せき、破傷
風三種混合ワクチン(DPT)、ジフテリア破傷風二種混合ワクチン(DT)、麻しん、
風しん、麻しん風しん混合ワクチン(MR)、日本脳炎、ポリオ、インフルエンザと結核
予防法で実施されているBCGである。

3 健康状況調査の実施期間及び対象者数は、DPT(DT)、日本脳炎については、各四
半期毎に都道府県、指定都市当たりそれぞれ40名を対象、MRについて80名を対象
とし、接種後28日間を観察期間とした。
  ポリオについては、後期(10〜3月)は、100名を対象として35日間観察、B
CGについては後期(10〜3月)は100名を対象とし、観察期間は4カ月間とした。
  インフルエンザについては、11〜12月の実施期間で40名を対象とし、接種後2
8日間を観察期間とした。

4 報告の手順は、各都道府県・指定都市においてワクチン毎に報告定点を受諾した報告
医が、各予防接種の接種当日に保護者に対して、本事業の趣旨を十分説明の上、健康状
況調査に協力する旨の同意を得た後、台帳に登録する。
  その後、保護者に健康状況調査表(ハガキ)を渡し、記入要領を説明し、保護者から
返送されたものを、カルテと照合しまとめたものである。

5 本調査は、通常の副反応(発熱、発赤、発疹、腫脹)や、稀におこる副反応(アナフ
ィラキシー、脳炎、脳症等)に加えて、これまで予防接種の副反応として考えられてい
ない接種後の症状についても報告できるように設定した。
  また、予防接種後の健康状況という性質上、変化がない場合でも返送を依頼している。

となっています。

対して「副反応調査」ですが、こちらは「医師が予防接種後の健康被害を診断した場合又は市町村が予防接種を受けた者若しくはその保護者等から健康被害の報告を受けた場合に」厚生労働省へ報告するものを集計したデータとなっています。そのため、

(1)本報告は、予防接種法に基づく定期接種として実施された予防接種を対象としており、いわゆる任意の予防接種は報告・集計の対象とはなっていない。

(2)報告するかどうかの判断は報告者が行うため、各都道府県の接種対象者人口などを考慮しても報告数に県ごとのばらつきが大きく、副反応数の発生率などについてはこのデータからは分析できない。ワクチン別の副反応発生頻度については本報告ではなく、平成8年度より実施している予防接種後健康状況調査事業の報告書を参照していただきたい。

(3)本報告は、予防接種との因果関係の有無に関係なく予防接種後に健康状況の変化をきたした症例を集計したものであり、これらの症例の中には、予防接種によって引き起こされた反応だけでなく、予防接種との関連性が考えられない偶発事象等も含まれている。集計に当たっては、予防接種との因果関係がないと思われるもの、もしくは、報告基準の範囲外の報告等についても排除せず、単純計算してまとめている。

(4)本報告は、予防接種健康被害救済制度と直接結びつくものではない。救済措置の給付を申請する場合には、別途、各市町村でまとめた書類の提出が必要である。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/s0401-5.html

という文が報告書に記載されています。予防接種の副反応であるかどうか分からない疾病(例えば予防接種と同時期に、ウイルスに感染していた等)も、1報告として含まれている可能性があるということですね。
・故に、表の健康状況調査のほうがワクチン接種後の副反応を考えるのにより適切なのではないかなと思いますので、こちらを用いて気になる結果を追ってみます。

多いのは発熱

・副反応の種類は、表にあるとおり発熱、注射部位にみられる局所反応、けいれん、じんましん、発疹、リンパ節のはれ、関節の痛みなどに分かれています。そのうち最も多いのは発熱です。
・MR1期では、37.5度以上の発熱があった児が986人(うち38.5度以上は629人)、MR2期では263人(145人)と、それぞれ全体の19.1%、6.7%を占めています。
・MR1期のけいれんは、全て37.5度以上の発熱が伴って19件みられました。MR2期ではけいれん発生自体が1件のみで、発熱は伴いませんでした。
・全体として、何らかの症状を呈したお子さんの割合は(2期対象の人数が1期よりも少なくはありますが)MR1期で1,240人(24.0%)、MR2期で454人(11.5%)となっており、どちらにおいても脳炎、脳症の発症はありませんでした。各反応の割合自体も、MR1期と2期で、年齢に伴い激減しています。
※MR1期の関節の痛みについては観察が難しいかと思われますが、報告書にあった数字をそのまま記載しています。

再度、ウイルス感染後の合併症について

・前回の関連エントリでは、1999(平成11)〜2000(平成12)年の大阪麻疹流行時の麻疹罹患者における合併症について触れました。今回は、MR1期に近い年齢のお子さんの合併症発生頻度をみるために、国立感染症情報センターから以下を引用します。

感染症発生動向調査による2008年第1週〜第52週までの麻疹患者の累積報告数は11,007例であり、このうち0歳児は610例(5.5%)であった(2009年1月21日現在)。麻疹の定期予防接種第1期の対象年齢は、1歳(生後12カ月〜24カ月未満)であることから、0歳児のほとんどは予防接種を受けていない。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/348/dj3481.html

0歳児の麻疹における合併症発生状況
麻疹発生届に合併症の記載があったのは109例(17.9%:0歳児麻疹患者610例中の割合、以下同じ)で、そのうち最も多かった合併症は肺炎の42例(6.9%)、次いで腸炎(下痢と記載された例も含む)の29例(4.8%)、中耳炎の24例(3.9%)であった。また、腸炎と中耳炎が6例(1.0%)、肺炎と中耳炎が5例(0.8%)と、複数の合併症が発生した例、およびクループの合併が3例(0.5%)あったが、脳炎の合併例はみられなかった。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/348/dj3481.html

・国に報告されたはしか患者数の5.5%にあたる610例が0歳児で、610例中、肺炎が6.9%の42例にみられました。

予防接種は誰にとって益となるのか

・上記では、0歳児の例を挙げさせて頂きました。生まれてから約6ヶ月経過するまで、赤ちゃんはお母さんからもらった抗体によって各種感染症から身を守っていますが、時間が経つにつれてその抗体もだんだん少なくなってきます。お母さんからの抗体がなくなる時期と子供自身の免疫機能の発達初期に、どうしても感染症に罹りやすくなる傾向があります(2009年の年齢別はしか報告数でも、0歳〜1歳で28%以上を占めています)。2009年の調査によると、1〜4歳では74.2%、5〜9歳では60.0%、10代では13.6%、20代では7.7%、30代前半では8.3%がはしかに対する抗体が十分でないと言われています。0歳も1〜4歳児とほとんど同じになっていますので、それだけ感染の可能性が高くなります。
・はしか感染を防ぐ手立てのなかった時代には、罹ったら運を天に任せるしかないということで、「はしかは命定め」と言われていました。はしかに罹ってそれを乗り切れば、麻疹ウイルスに対して強い免疫力を獲得できることも事実ですが、はしか自体の症状も重いため、命を落としたり、助かっても後遺症が残ってしまう子もいます。それをどうにか、もっと多くのお子さんを助けられないか、より安全に免疫機能を発達させることができないか、そして最終的に社会全体の益を追及することができないか、ということを目的として発展してきたのが、公衆衛生における予防接種の制度です。
個人の視点では、ワクチンを利用することで、より安全に、はしかに対する免疫力をつけることができます。集団の視点では、前述のワクチンをまだ接種していない乳児や、できるだけ感染症を避けたい状況の人、アレルギーなどでワクチンを接種できない人、妊娠中の人などにとって、はしかが流行する可能性を減らすという大きなメリットを得ることができます。
・特に0〜1歳のお子さんについて触れましたが、これは乳幼児に限った話ではありません。更に、日本に限った話でもありません。大人がはしかにかかると症状が重くなるといいますが、米国疾病予防管理センターのthe pink bookによると、はしかによる入院の割合は、5歳未満のお子さんと20歳以上の成人であまり差がありません。はしかの予防接種の恩恵は、お子さんだけのものではないのです。
加えて、数年前の高校生、大学生間での流行や、日本からの麻疹輸出事例を記憶している方も多いと思われます。そういった対策のために2008年4月から5年間、中学1年生と高校3年生もMRワクチン定期接種の対象となりましたが、はしかを輸入される側の、やはり感染を避けたい状況の人や医療職者にとっても、流行を考慮する必要を減らすことができます。
・昨今の新型インフルエンザワクチンで問題に挙がりましたが、はしかも同様に妊婦さんにとって脅威になります。
こちらとこちらの「こどものおいしゃさん日記」さんでは、麻疹ウイルスは現在のところ血清型がひとつしかなく(この型に対する免疫機能を感染前に獲得すれば、麻疹ウイルスの増殖・他人への伝播をなくせます)、ヒト-ヒト間の感染のみであり(ヒト間で麻疹ウイルスの流行がなくなれば、ウイルスの生存をなくせます)、天然痘のようにその他撲滅可能な条件がそろっていると紹介されています。撲滅することができるなら、これに係る医療費や医療職の方への負担も減らせますし、他の疾患へ対策する余裕もできるだろうと想像できます。
・ワクチン接種率が上がるにつれて「修飾麻疹」という感染型が問題となっていますが、これも更なる予防接種率の向上と合計2回の接種で対策できることが、アメリカ等の結果から分かっています。

結論

・以上、前回のはしか(MR)ワクチンの有効性と、今回接種による副反応をみてみました。
結論として、私は
・はしかは非常に感染力が強く、肺炎などの合併症を起こしやすい疾病である。MRワクチンは、はしかに個人的に罹ることを防ぐだけでなく、多くの人が接種をうけることによって、(理由はどうあれ)ワクチンを接種していない人をも守ることができ、社会への還元も大きい(MRであれば、風疹も予防することができます)。
MRワクチン接種後にみられる副反応は、ほとんどの場合はしかに感染した時以下の発熱や発疹、蕁麻疹、注射部位の腫れ等である。「危険だ」と声を大きくするほどのリスクではないのではないか。しかもはしかに対して免疫の無い人が感染した場合、非常に高い可能性で高熱やその後の合併症の危険に晒されることを考えると、この副反応の事実は許容できる。
・感染前の免疫獲得を通して、最終的にはワクチンを接種せずにすむようになる可能性も高い。
ということで、
はしか(MR)ワクチンは多くの人が積極的に接種すべきである。定期接種としてならタダだし!
と考えます。

件の助産師の認識と比較してみる

・では、ずいぶん間隔が空いてしまいましたが、いよいよ助産院の掲示板からのコメントを比較してみます。

保育所の他のお子さん達は予防接種をしておられるなら、はしかにはかからないということですよね。それなら予防接種を受けていない子がもしはしかにかかっても迷惑でもないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。予防接種はかからない為にされているはずですから・・・それとも予防接種をしてもやはりはしかにかかるということなんでしょうか?それなら予防接種をしてもしなくても変わらないということになります。

MRワクチンにおいては、はしか(と風疹)に罹らないようにすることが目的ですので、「予防接種は(はしかに)かからないようにされている」というのは確かにそうです。が、その後ろの「予防接種をしてもはしかにかかるのか?それならば接種する意味がないではないか」というのは、そもそも予防接種をすれば100%感染症を防げるという認識からして改める必要がありますし、100%防げないなら接種する意味がないというのも、予防接種に関する誤解、というか知識不足です。

今はやりの新型インフルエンザもそうですがワクチンの中になにが入っているか、ワクチンを打って抗体を作っても免疫は下がります。抗体イコール免疫ではないということです。

・いまひとつ日本語がよろしくないですが、ワクチンの添加物は有害であるということと、ワクチンを接種しても抗体は減少するから必要ないということが仰りたいのでしょうか。自然に麻疹ウイルスに感染するよりもワクチンを使用した場合は抗体が低いという場合もあるようですが、それを防ぐために現在2回接種が国によってすすめられています。

子供がかかる病気にはセミナーで聞いて頂いたようにそれぞれ意味があります。しっかりかかりきることでどれほどの免疫力を獲得することができるか。そしてレメディーを使うとしっかりかかりきって本当に早く治りますよね。

・病気の意味とか、ウイルスの意思とかというのはとらこぱしー信者等から良く耳にする事柄ではあります。私には田宮良子を想像するぐらいが限界ですが…
・先に述べたとおり、はしかに罹って治れば確かに免疫は獲得できます。ですが、それはほとんどすべての子に高熱や肺炎、脳炎、後遺症のリスクを背負わせ、はしかに罹ることが好ましくない人にまで、同様のリスクを持たせることを強要する方法です。予防接種というより安全な代替案があるのに、むりやり危険な方法を選ぶ必要はあるのでしょうか。
「レメディを使うとしっかりかかりきって早く治る」というのは、ホメオパシーを懐疑的にご覧になっている方であればご存知だと思いますが、全く根拠のない嘘です*1

・そして、最後に

母親として子供の為に正しいと信じた通り行動すればいいと思います。

というように、判断はお母さんに丸投げともとれる発言をしています。結局何かあったときの責任は選んだお母さんのせいだというのなら改めて、母と子に関わる医療従事者として非常にお粗末な態度であると言わざるをえず、早急に何らかの介入が必要であると思います。本来ならば日本助産師会日本看護協会など、職能団体が働きかけをしてもらえるとありがたいのですが、前者はホメオパシーに対して肯定的で、後者は政界に看護師を送り込むことしか考えてない団体のため、非常に頭の痛いところです…

どうしてこうなった

・例としてとらこぱしーに汚染信頼を置いている助産師さんをとりあげましたが、個人的に未だ解決できない疑問が一つあります。助産師という資格を得るに当たって現代医学を少なからず学んでいるはずの方*2が、何故ホメオパシーやとらこぱしーに取り込まれてしまうのでしょうか。今後は助産師や看護師の教育課程に焦点を当てて、情報提供側の問題に触れてみたいと思います。

おおきくですぎたかな…

*1:ただの水なので、ある意味「しっかりかかりきる」でしょうけれど

*2:イメージではどんな人でもホメに嵌る可能性はあるだろうと思いますが、理由を上手く言葉にできません。

素直に手を洗え

クリフィールというハンドジェルがありましてな…
CMを要約すると「誰が触ったか分からないものにふれたらものを食べる前に手をキレイにしよう」というような内容です。

上の「」内はそのままであればまぁ同意なのですが、歌詞(でいいのか?)のなかに「洗うよりキレイ でもヤサシイ♪」とあります。


洗うよりキレイ…

洗うよりキレイ……?




                        ,、ァ
                      ,、 '";ィ'
________              /::::::/l:l
─- 、::::;;;;;;;;;`゙゙''‐ 、    __,,,,......,,,,_/:::::::::/: !|
  . : : : : : : `゙'ヽ、:::゙ヾ´::::::::::::::::::::::`゙゙゙'''‐'、. l|   またまた ご冗談を
、、 . : : : : : : : : r'":::::::::::::::::::::::::,r':ぃ::::ヽ::::::::ヽ!                 ,、- 、
.ヽ:゙ヽ; : : : : : :ノ:::::::::::::::::::::;;、-、、゙:::     rー-:'、                /   }¬、
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   ヽ:ヽ、 /:::::::::::::::::::::::::     _  `゙''‐''"  __,,',,,,___       /~   ヾ::::ツ,、-/
     `ヽ、:::::::::;;;、、--‐‐'''''',,iニ-    _|  、-l、,},,   ̄""'''¬-, '  ''‐-、 .,ノ'゙,i';;;;ツ
   _,,,、-‐l'''"´:::::::'  ,、-'" ,.X,_,,、-v'"''゙''yr-ヽ / ゙゙'ヽ、,    ,.'      j゙,,, ´ 7
,、-''"    .l:::::::::::;、-''"  ,.-'  ゙、""ヾ'r-;;:l  冫、     ヽ、 /    __,,.ノ:::::ヽ. /
       l;、-'゙:   ,/       ゞ=‐'"~゙゙') ./. \    /  '''"/::::;:::;r-''‐ヽ
     ,、‐゙ ヽ:::::..,.r'゙         ,,. ,r/ ./    ヽ.   ,'     '、ノ''"   ノ
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  '     //:::::::::            {.        V           /
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はしかとは

 今回は予定を少し変更して、はしか(麻疹)についての基礎的な知識についてまとめてみます。結局個人的メモのようなものになってしまいましたが…

はしか(麻疹、measles)とは

・麻疹ウイルスによって起こる感染症です。
・ウイルスの感染力はとても強く、はしかに対して免疫の無い集団内で一人の発病者がいる場合、同様の条件ではインフルエンザが1〜2人であろうことに比較して、はしかは12〜14人に感染が拡がるとされています。
・伝染力が強く、初感染時には不顕性感染はなく必ず発症し、一過性に強い免疫不全状態を生じます。このため、ウイルス性肺炎と同時に細菌性肺炎など、二重の合併症をおこすこともあります。
・年齢別では、2009年第1〜24週の時点で「1歳69例(17.0%)、2〜4歳43例(10.6%)、10〜14歳39例(9.6%)、0歳および15〜19歳37例(9.1%)、35〜39歳35例(8.6%)、20〜24歳34例(8.4%)」となっています。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2009d/img24/chumoku05.gif

・ちなみに、2008年のはしか患者報告数は約11005、2009年は741でした。多くは触れませんがノロウイルス感染症の様に昨年は減少していますねぇ。

感染経路

・基本的にインフルエンザの様に、咳やくしゃみによる唾の飛沫を介してヒトからヒトへ伝播します。ただし接触感染、飛沫核感染(空気感染)もみられるようです。
・ドアノブなどに付着したウイルスは、2時間ほどで死滅するといわれています(インフルエンザウイルスより短い)。

ウイルスの感染の流れ

・カタル期(後述)の感染者の、咳の飛沫や鼻汁などを介して気道、鼻腔及び眼の粘膜上皮に感染し、2〜4日間はその場所で増殖します。その後リンパ球やマクロファージに感染してリンパ節に運ばれ、そこで更に増殖します。
・ウイルスはその後、白血球に感染したままで血流中に入り、それが第一次ウイルス血症をきたします。この時期のウイルス感染はまだ侵入場所付近に限られていますが、やがて全身のリンパ節に広がり第二次ウイルス血症を生じます。

症状

・症状は感染後に潜伏期間10〜12日を経て発症します。
・症状別に、大きく以下の3つの時期に分けられます。


《前駆期(カタル期)》
・潜伏期間から38度前後の熱が2〜4日続いた時期を指します。この時期は前駆期(カタル期)とよばれ、他人に最も感染しやすい時期とされています。
・具体的には38℃前後の発熱が2〜4日間続き、更に倦怠感、不機嫌、上気道炎症状(咳嗽、鼻漏、くしゃみ)と結膜炎症状(結膜の充血、目やに、羞明など)が現れ、次第に増強していきます。
・乳幼児では下痢や腹痛を伴うことが多いようです。
・発疹の1〜2日前ぐらいに、口の中、特に奥歯の近くの頬に、はしかに特徴的なコプリック斑という小さな白い発疹がみられます(ここは国試に出ます)

《発疹期》
・カタル期の発熱が1℃くらい引いたあと、約半日のうちに再度高熱となります。多くは39.5以上の高熱で、それに合わせてはしか症状の特徴の一つである赤い発疹が、首周りから全身にかけて広がります。
・結果的に、発疹範囲の拡大に合わせて、高い発熱が3〜4日続くことが多いようです。

《回復期》
・発疹期の熱が引いたあとの時期を指します。
・体力も次第に戻り、合併症がなければ7〜10日後に回復します。

他人に感染する可能性のある時期

・患者の気道からウイルスが分離されるのは、前駆期(カタル期)の発熱時に始まり、発疹の出る時期を最高として次第に減少し、第5〜6発疹日以後(発疹の色素沈着以後)は検出されません。この間に感染力をもつことになります。
・はしかは学校保健安全法による第二種伝染病に分類されており、出席停止期間の基準は解熱した後3日を経過するまでです(学校保健安全法第19条と施行規則)。

合併症

・肺炎⇒ウイルス性、細菌性、巨細胞性
・中耳炎
喉頭炎、喉頭気管支炎
・心筋炎
脳炎、亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE)
・細菌性肺炎を合併している場合は別ですが、ウイルスが原因ですのではしかに対して抗菌剤は効きません。症状に対して、必要に応じて医療介入を行う対症療法となります。

合併症の数

1999(平成11)〜2000(平成12)年大阪麻疹流行時の麻疹罹患者における合併症者(2001(平成13)年度大阪感染症流行予測調査会報告)より

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1112-6e.html

 上記は平成11年から12年にかけて、大阪ではしかが流行した時に報告された合併症とその割合です。3割を超える人に何らかの合併症があり、特に肺炎がおよそ半分を占めています。米国CDCによる(通称pink bookというらしいですが)ワクチンで防げる病気の疫学と予防についての本によると、多いものから順に下痢、中耳炎、肺炎…となっています。少ないながらも脳症や死亡例も報告されています。
 上にも書きましたが、肺炎はウイルス性のものと細菌性のもの、両方になる場合もあり、はしかによって命を落とす原因の一つです。

 合併症の中でも特に長い名称がついている亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE)は、麻疹に感染した人が、発症から年単位の時間を経て罹患する病気です。はしかの合併症総数に占める割合は100万人に対して10例前後とのことで少数ではありますが、疾患自体は予後の悪い病気で、現在難病の一つとして公費補助対象になっています。
 また、SSPE青空の会という患者会も、日本国内で活動なさっています。

予防

感染症に共通するうがい、手洗いも無駄ではないですが、冒頭に書いたとおり非常に感染力の強いウイルスですので、はしかを予防するためには予防接種をうけることが重要となります。幸いなことに麻疹ワクチンは効果が高いので、強力な盾になります。

1999(平成11)〜2000(平成12)年大阪麻疹流行時調査における麻しんワクチンの効果(VE)(2001(平成13)年度大阪感染症流行予測調査会報告)より

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1112-6e.html

 上記の表は左から調査総数、予防接種未接種群での患者数、接種群での患者数、ワクチン効果推定率となっています。前述のpink bookでは、効果は95%(90〜98%の範囲)と推定されています。
・効果は高いワクチンですが、
1)1回だけではどうしても時間が経つにつれて免疫力の減少がみられること
2)体調の都合などで1回目の接種をうけることができなかったお子さんを補助すること
3)初回の接種で免疫を獲得できなかったお子さんを補助すること
 を目的として、現在はトータル2回接種が国をあげて勧められています。

次回予告

 次回は、できるだけ早急に
・麻疹ワクチンの副反応について
・はしかの予防接種って結局どうなの?
助産師さんの言っていることの正当性について
 触れたいと思います。

参考・引用文

http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/348/tpc348-j.html
IASR(病原微生物検出情報)Vol.30 No.2(No.348)February 2009(国立感染症研究所 感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/b-measles.html
予防接種の話 麻疹(国立感染症研究所 感染症情報センター)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1112-6e.html
麻疹の現状と今後の麻疹対策について(国立感染症研究所 感染症情報センター)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/348/dj3481.html 
0歳児における麻疹の発生状況および免疫保有状況 IASR(病原微生物検出情報)Vol.30 No.2(No.348)February 2009(国立感染症研究所 感染症情報センター)

http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/002_i.htm
難病情報センター
http://sspeaozora.web.fc2.com/
SSPE青空の会

母乳で子育てすること

id:silflayさんへ
 idコールありがとうございます。
 doramaoさんの日記にて、silflayさんがコメントをお書きになった時点でお尋ねすればよかったのかもしれませんが、よそ様のブログでしたのでご迷惑をおかけしてはいけないと思い、控えておりました。頂いたコールで恐縮ですが、この機会にコメント内容についてお伺いしたいことがあります。お手を煩わしてしまってすみませんが、もしよろしければお付き合い下さい。


 slflayさんは"日本では平成17年度乳幼児栄養調査で「生後1か月の完全母乳児は45%、3か月で38%」です。無理をしなくても完全母乳ができるはずなのにそうしていないという例が非常に多いという現状があります。"とコメントなさっておりますね。コメントを拝見した限りですと、silflayさんの意見は「生後一ヶ月で45%、3ヶ月で38%の完全母乳育児割合では十分ではない。100%にはまだ余裕があるのだから、本当は母乳のみで育てられるけれど、そうしていないお母さんが多い。無理をしなくても可能なはずなのに。」ということであると私は認識しております。もし違っていたら、申し訳ありませんがご指摘下さい。

 私が気になったのは、太字にした部分です。といいますのも、以前仕事で、出産直後のお母さんに関わらせて頂いた時期がありました。お母さんたちは皆、出産前は「母乳のみで育てたい」と仰っておりまして、中には痛がるかたもいらっしゃいましたが、皆さん乳房マッサージを助産師さんからうけたりしていました。しかし、いざ実際に赤ちゃんが哺乳する段階になると、母乳のみで赤ちゃんを満たせられるお母さんはごくわずかで、満足に量を確保できない方はさらに我慢してマッサージに挑んだり、食事を気をつけたり…最終的に「私のせいでおっぱいが出ずにごめんね。」と泣きながら授乳なさるお母さんもいました。
 もちろんこれは、あくまでも私の経験でしかありませんので、だからどうしたと言われればそれまでなのですが、少なくとも「無理をしなくても完全母乳ができるはずなのに」なんていう表現は、私にはできません。むしろ「痛みに耐えて、行動を制限して、そんな努力をしても出ない人が少なくないのに、1ヶ月時点で50%近いお母さんが母乳のみで子育てしているのはすごい。」なんです。

 文章をそのまま引用していない、という意味では捏造ともとれると思いますので、その点は失礼致しました。

 ただ、乳幼児栄養調査結果でも、母乳の量が少ない、母乳がでないと悩んでらっしゃるかたがいるのがお分かりになりますよね。ですので、私からすると"無理をしなくても完全母乳ができるはずなのにそうしていないという例が非常に多いという現状があります。"と言うこと自体が不本意ですし、見当違いなのです。

 最後にもうひとつ、お伺いしたいのですが、silflayさんが"無理をしなくても完全母乳ができるはずなのにそうしていないという例が非常に多い"と判断した理由はなんなのでしょうか?コメントからですと(私の読解力がないせいですが)読み取れませんでしたので、もしよろしければ教えて頂きたいと思います。

開業助産師とホメオパシー

 明けましておめでとうございます。今年も、もう10日ほど経ちましたが、よろしくお願いします。新年はもうちょっと更新頻度をあげたい…

 新年初めは慣れない事をしてみようということで、ホメオパシー(とらこぱしー)と助産師と、助産師の知識レベルについて考えてみたいと思います。教育課程では少なからず同じ単位を学んでいる(はずの)助産師が、予防接種拒否宗教であるとらこぱしーに何故ひっかかってしまうのか、考察します。

開業ジョサンシの憂鬱

 ニセ科学対策の聖地?であるkikulogで、あるホメオパシー助産院が紹介されていました。その助産院ホームページの掲示板では、これから赤ちゃんを産むであろうお母さんや、無事に出産を終えたお母さんが各種の相談をしているのですが、予防接種(麻疹)の質問への助産師の返答が目についたので、それについて触れます。

 岡本助産院トップページから、おしゃべりROOMという名前の掲示板を閲覧することができます。その中の、一人のお母さんから

予防接種について 教えて頂きたい事があります。
講習会で予防接種の話を聞き、「下の子には予防接種は控えよう」と思い今まできたのですが
健診の際、内科医の先生から「予防接種を受けていない子供が団体生活に入るとほかの子供に迷惑だ。
あなたの子どもがはしかにかかってほかの子供に移した場合、あなたのせいですよ」
と言った内容のお叱りを受けました。
下の子は来週から保育所へ行きます。今後とも子供に予防接種を受けさせるつもりはないのですが、
集団生活はわが子だけの問題ではないので「ほかの子供に迷惑」という言葉がとても気になっています。
ホメオパシー的にはどう解釈していますか?

という書き込みがありました。
それに対して、岡本助産師という人が

お問い合わせのような言葉を小児科の先生から言われたという方は大勢いらっしゃいます。
保育所の他のお子さん達は予防接種をしておられるなら、はしかにはかからないということですよね。それなら予防接種を受けていない子がもしはしかにかかっても迷惑でもないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。予防接種はかからない為にされているはずですから・・・それとも予防接種をしてもやはりはしかにかかるということなんでしょうか?それなら予防接種をしてもしなくても変わらないということになります。
今はやりの新型インフルエンザもそうですがワクチンの中になにが入っているか、ワクチンを打って抗体を作っても免疫は下がります。抗体イコール免疫ではないということです。
もっとその事実を皆がよく理解したほうがいいと思います。ですから予防接種を打たないことが人に迷惑をかけることにもならないし、ましてや虐待をしていると言われることもないと思います。この小児科の先生の言葉でお母さん達が本当に傷ついて相談に来られます。スタッフサグリアでもなめておいて下さいね。
少し前に研修でロンドンに行ってきましたが、イギリスでは新型インフルエンザについては殆ど話題になっていませんでした。マスクをしている人もないし、まずイギリスの医師の半分が予防接種に反対したことで国でも勧めていないようです。
日本の外から日本を見ると本当に日本が病んでいると思いました。
子供がかかる病気にはセミナーで聞いて頂いたようにそれぞれ意味があります。しっかりかかりきることでどれほどの免疫力を獲得することができるか。そしてレメディーを使うとしっかりかかりきって本当に早く治りますよね。
小野さんが母親として子供の為に正しいと信じた通り行動すればいいと思います。
また良かったらセミナーに参加して下さい。
来年は1月下旬か2月初め頃に開く予定です。レメディーの在庫も置いていますのでどうぞ。

と返答しています。

 お母さんの書き込みは、まぁ典型的なホメ信者であることが分かります。本来ならば信者に対しても「良いホメオパシーの選び方(仮題)」など介入すべきなのかもしれませんが、今の自分では不毛な罵倒しかできず終わることになりかねないため保留します。とりあえず医療職者側の書き込みに対して、批判じみたことをします。

予防接種することのメリット・デメリット

保育所の他のお子さん達は予防接種をしておられるなら、はしかにはかからないということですよね。それなら予防接種を受けていない子がもしはしかにかかっても迷惑でもないんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。予防接種はかからない為にされているはずですから・・・それとも予防接種をしてもやはりはしかにかかるということなんでしょうか?それなら予防接種をしてもしなくても変わらないということになります。

この発言が一般の方であれば、「なるほど、そういう考え方もありますね。」と一定の理解は(個人的に)できます。感染症に関わらず、物事をみる視点は集団からのものと個人からのもので(時に大きく)異なります。そして、集団で得られるメリット・デメリットと、個人で得られるメリット・デメリットが互いに干渉し合う場合も少なからずあります。

 車のシートベルト等で例えるなら、集団の視点におけるメリットは「事故死減少による国際的評価の向上」「事故で亡くなる生産年齢人口減少防止」「事故による重症や即死減少によって、それにあてる医療資源分がうく」などと仮定できるでしょうか。デメリットは…すぐに思いつかないので「なし」とします。対して個人の視点におけるメリットは「シートベルトが事故の際の重症や即死を防ぐ効果がある」「安心感」、デメリットは「胸部の締め付け感がある」「シートベルトによる胸部損傷」「行動が制限される」「チャイルドシートに子供を乗せると嫌がる」「面倒くさい」などでしょうか。

 極端な例ではありますが、集団にはデメリットが(おそらくほとんど)無く、個人にとっては制限があるようにみえます。制限が無い=良、制限がある=悪と考えるなら、もちろん前者のほうであるに越したことはない…と思われますが、じゃあ実際、その制限はどのくらい悪なのかというと、上記の例でいえば「シートベルトをするメリットを超えるほどの制限ではない」と(個人的に)考えます。
 はしかに戻ると、(詳細は省略しますが)感染力の強い病気であり、38度以上の高熱が数日続くことも多いとされています。はしかに感染・発症後におこる合併症も少なくなく、肺炎や脳炎が死因となります。ワクチンに限らず、その他薬剤による副反応・副作用は確かにあります。が、さてそのデメリットはワクチン接種(薬剤を服用)するメリットを超えるほどに心配することなのか、高熱や肺炎で、子供を苦しめてまで予防接種を拒否すべきものなのでしょうか。

 上の助産師のコメントの裏には、「予防接種は不要なもの・危険なものである」という認識があるように思います。まぁとらこぱしー自体が信者をそのように洗脳しているわけで、もう驚くほどのことではありませんけれども…ただ、日本の国家試験を受けて取得する資格である助産師が、看護師という資格を共有している医療関係者が、こんなコメントを残していること自体が非常に残念です。

次回予告

 次回、はしか(麻疹)の詳細と助産師についての考察を予定しています。

Temperと愉快な仲間達

 ※今回写真多めで重いかもしれません。

 現在我が築30年のボロ賃貸マンションには、4匹の猫がおります。この場を借りてご紹介させて頂きたく。
まずは年長者から。

 名前は銀、通り名は皆の兄貴分ということでにぃと申します。たまにというか、本名はほとんど呼ばれません。
っていうか対して銀という感じでもなし。名前は飼い主(♂)の一存で決まりました。趣味の悪さが滲み出ていますね…

 はいはい眠い眠い

 かわいこぶってますけど男です。
 年上だけあってか、寝ているところに下の猫が来ても嫌がらず、毛づくろいなど積極的にしています。



 次は「にぃ」と一緒にうちに来た、ちょっと年下の風助(通称ぷう、オス)です。名前の由来は飼い主(♂)がぷ〜ねこ

プ~ねこ(3) (アフタヌーンKC)

プ~ねこ(3) (アフタヌーンKC)

が好きだということだけで決まりました。例によってオリジナルとは姿形が全く違います。センスの悪さが(略

 なーにみてんだよ!(なんかコラ画像みたい)

 行動が面白くていつも癒されてます。ありがとう。
 来た当時は体が弱く、下痢が続いたり血尿が出たりと心配でしたが、今は4匹のうち一番フリーマンです。
 



 3番目はにぃぷぅ来訪から半年ほど経っていらっしゃった、モコ助と申します。名前の(略
 写真をみる限りでは、長毛で優雅な女の子です。

 お貴族なおネコ様なのでたまに洋書を枕に寝たりします。

 可愛い布団に乗っかってます。
 実は「女の子が欲しい!」と飼い主(♂)が言ったものですから、では、と頂いた子だったのですが
 2回目の予防接種時に、獣医さんから「金玉ついてますよ!」と言われ、カル○セル○キだったことが判明しました。
 一時期名前が「○キ」もしくは「カル○セル」だったことがあります(酷い)。ちなみに鳴き声は「きゅるるん」です。
 あと、トイレの場所は間違えないのですが、自分でなさった大きい落し物のほうを踏むウ○コマンでした。現在は
 ウ○コは踏むものじゃないんだと理解したのか(踏むたびに洗われるのが嫌だったのか)、普通になさるようになりました。
 助かった…




 最後は写真右側のネコで、ぽけ丸と申します。モコ助と同時にいらっしゃいました。
 特徴は肛門が非常に綺麗なことです。

 上は来た当時の写真(すごい飲みにくいコーヒーゼリー飲料は大きさ比較のために置いてあります)ですが、モコ助と
誕生日は一緒なのに、兄弟の中で一番小さく、ひ弱な子でした。今は、関節が骨張ってはいるものの、非常に元気な子になりました。
ありがたい。

 ネコを飼いたいと思い、実際に一緒に暮らし始めてから、「生き物を飼う」という行為がどういうものなのか、考える機会が増えました。
 あくまでも私はヒトで、彼らはネコで、全く異なる種族ではありますが、体調が悪くなったり鼻血を出したりして、世話をしていて、
なんだか子供をもつというのはこういうことなのかな、とふと思うことがあります。
ペットを「自分の子供です!」と紹介しているテレビ番組をみて、以前はそれどうなのなんて周りに言ってましたけれど、実際のところ
家族のひとつのかたちとして、それもアリだな…なんて。

 まぁなんにせよ、私はねこが好きです。

おまけ


 TOP写真の風助が寝る前…


 モコ助とぽけ丸が来た当初。ジャニーズジュニアをみているようだ(何が)。


 スキマから手を入れたい…

2009/10/13 国立がんセンター院長勉強会メモ

 新型インフルエンザとがん患者―ワクチン問題を考える

【プログラム】
新型インフルエンザの諸問題」厚生労働省医系技官 木村盛世            
「日本におけるワクチン・ギャップ」細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局長 高畑紀一
「総合討論」木村盛世、梅村聡(参議院議員)、鈴木寛参議院議員)、足立信也参議院議員)、高畑紀一

【センター長挨拶】
・勉強会当日の時点で、新型インフルエンザワクチンはセンターに100人分きている(医師数200?)
・前線で働く医師だけに限定しても足りない

【本題】
新型インフルエンザの諸問題」厚生労働省医系技官 木村盛世
・新フル発生当時の空港検疫(水際作戦)について
 →空港での検疫はサーモグラフィーで行っている。発熱患者をみつけることが目的。
  潜伏期間のある疾患は、物理的に無理=インフルエンザはやるだけ無駄。
 →そもそも水際作戦とは
  ペスト=水際作戦のオリジンか?結局効果なし
  スペインかぜ=オーストリアで実施したが結局効果なし
  歴史的に感染症に対して成功したためしがない

 →検疫法ができたころ
  チフスコレラの時代
  今=流行する感染症自体が違う
    空に国境なし
    バイオテロの時代
  水際作戦は過去から学んでいない 学校閉鎖・集会自粛も効果なし(?)

 →今回検疫を実施したのは日本と中国だけ(建前上サーモグラフィーを設置した国はあったが)
  中国は世界各国から非難 残るは日本

 →感染症world cup
  日本の感染症対策のダメさ加減が露呈した
  WHOはhealth securityを唱える=時代は「健康」だけではない
  この国はオウム事件から何を学んだ?

 →今回の対策が生んだもの
  1)政府のパニック
  2)医療崩壊加速
  3)インフルエンザに対する差別
  4)タミフル耐性インフルエンザの危険
  5)経済活動への負の効果(数千億円ともいわれる)

 →国がすべきだったこと
  ウィルス発生が人為的なものか、自然のものか見極め、できるだけ拡げないようにすること