さて、師走でございます。忘年会で“芸”を強要されている諸氏に、少しばかりの、お話を。
えーとですね、新人諸氏。多分喜び勇んで芸やる奴は、多分1割にもならんでしょう。正直、みんな“嫌々”・“仕方なく”なのです。アナタだけじゃありません。
でも、「それって義務ですか? じゃないならやりたくないです」という昨今流行している“個人主義”には走らない方がいいと思います。
何故か? 簡単です。あれもまた「リトマス試験紙」だからです。
人生、何もかも思い通り行くなら、誰も鬱になったりしません。イライラしたりしません。他人と衝突したりしません。そうじゃないから、そういうことになるんです。人生に理不尽はお腹いっぱいあります。それを全部躱しきれる、わけないでしょう。理不尽には、ぐっと堪えて、嵐が過ぎるのを待つしかない時があるんです。
忘年会の芸の強要なんぞ、台風が過ぎるのを待つくらいに考えて、おくしかないんです。でも、こういう理不尽に耐えられれば、だんだん理不尽をいなす力がついてきます。人生は所詮理不尽だらけ。いつ果てるかも分からぬ絶望に比べれば、終われば無くなる理不尽なぞ、大したことはありません。ここは拒否せず、他の理不尽を拒否することを考えましょう。それとも、終われば無くなる理不尽にも耐えられないのですか?
逆に考えましょう。成果はどうあれ、頑張った芸には賞賛が与えられるべきです(後述の例外を除く)。それをせずgdgd言うしかしない上役は、見限ってよいかと思われます。リトマス試験紙だっていうのは、こちらにとってもそうなのです。我々は芸人じゃないのです。本職を果たしているなら、それがウケようがそうでなかろうが、労をねぎらうのが上役の務めです。それを自覚していない人間に、人の上に立つ資格はありません。
ただし“パクリ”は除く。今年流行ったネタのオマージュは許されても、去年やったネタを、さらに下手にやったら叩かれても仕方がありません。模倣は技術でも、劣化は恥です。それは本来の職業でも同じことです。
おおつごもりのひに、みなわらっていられますように。
