5年ぶりにぐらいに再読。一気に読む。刺激的な内容もあって、どうかなとも思いつつも、さすが森絵都さんで、ぐいぐい読ませる力がある作品。主人公の家族に対する解釈が変わり、誤解が解けて行くところがとてもよかった。

こういう作品にある刺激的な部分を隠さずに清濁合せて幅広く子どもたちは自由に読んだほうがいいという考えがもともと自分の中にあります。その一方、判断力があまりない幼い子に対する配慮も必要なのかなという考えも、脳裏をかすめます。

これを小学校や中学校のブッククラブなどの学習材料にすると、保護者の方からクレームや苦情も想定できます。だから学習材料を決める選書もその場の関係かなとも思う。そういう強い反発が起きる方たちがいる関係の場で、無理にこの本をということもないかな。

ただとても優れたYAの作品で、自分が高校生の時に村上龍とか村上春樹とか、サリンジャーとかいろいろな作家を読んだ時のことを思い出しました。こういう本は刺激的だったけれど、夢中に読んでいるうちに自然にある程度は読めるようになっていました。こういった本を読んで理解したり誤解したりすることで誤った考えがいくつか植え込まれたことも確かかもしれない。十代の若い時、登場人物の言っていることにとても影響を受けちゃったりして。


この作品そのものではないけれど、作品の解説に輪廻転生は仏教思想だとある。これは間違いです。解説などに誤った知識があっても、それをそうだと信じてしまうこともあるだろうな。

https://www.amazon.co.jp/カラフル-文春文庫-森-絵都/dp/4167741016/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1474154934&sr=8-1&keywords=カラフル