最近読んだ本のレビュー

まとめ書き。とりあえず一行感想を。

福井エドワード 『スマートグリッド入門-次世代エネルギービジネス-』

オバマ政権下でにわかに騒がれ出したスマートグリッド、入門書はまだそんなに数がないようなのでこれをセレクト。スマートグリッドとは要するに、エネルギー産業とITの邂逅であるのだが、個人的には近年のクラウドブームよりも、こちらの方がよっぽど身近なものに感じた。エコとの繋がりは置いておいても、電力もITも、ネットワークがなければ始まらないという点では共通している。学問的にも複雑ネットワークだとか、ネットワークを巡る知見が何かしらここには活用できそうな気がして可能性を感じた。

岡田利規 『わたしたちに許された特別な時間の終わり』

わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫)

わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫)

イラク戦争が起こっている間、ラブホテルで4泊5日セックスする男女のお話。終わり。かと思ったら、一番最後のシーンが印象的。この部分は初期の大江健三郎にある「グロテスクな肉体」というモチーフに共通するものがある。そこが大江健三郎賞受賞の理由か?

三枝匡 『戦略プロフェッショナル』

この人の本はどれも小説形式なのだが、読みやすいというのは当然のこととして、小説形式にすることでより一層ビジネスの持つ泥臭さが強調されるように思う。むしろそこを狙っているのかもしれないが、個人的にはこの泥臭さが結構好きだったりする。『V字回復の経営』の方が泥臭かったけど。

絲山 秋子 『エスケイプ/アブセント』

エスケイプ/アブセント (新潮文庫)

エスケイプ/アブセント (新潮文庫)

少なくとも僕は彼女の作品を今後二度と読むことはないと断言できる。