パワードスーツ
ここで取り上げるのは、あくまでも人間が機械の鎧を着たもの。ロボット少女とは別なので混同しないようにしてほしい。またサイボーグとも別である。
ただし、ロボットやサイボーグがさらに機械の鎧をまとった場合は、このカテゴリとする。
また戦隊ヒーローシリーズの戦闘服も体力強化という意味ではこのカテゴリだが、機械っぽさがほとんどないので、戦闘服のカテゴリに入れた方がいいだろう。ただ「特捜戦隊デカレンジャー」のスワットモードなんかは微妙にこちら側かもしれない。
特徴
パワードスーツは基本的には、鳶嶋工房ゲームザッキ - 外見要素-服-アーマーと同じで生身と金属(この場合は機械)との対比と、戦闘と女性の対比よる萌えだ。
それに加えて、着ているものが動くので、異形のものに常に抱かれている状態といえる。つまり、美女と野獣モチーフとほぼ同断。
そして、機械に縛り付けられている拘束感がフェティッシュなところ。
当然、力が強くなるので「力もちっ娘萌え」も発生する。
歴史
1980年代前半、じわじわとロボットのデザインをアレンジして女性の鎧とするという流れができていたが、まだ方向性としてレディか少女かは微妙だった。
そこに登場した明貴美加の描くMS少女が、美少女方向へ決定づけた。MS少女はフィギュアブームの立役者の一つで、正にロボットから美少女への架け橋となった作品でもある(ちなみに、個人的に「エルガイム少女」を描いた記憶がある。メカ少女の額当ての部分をちょっと下に出っ張らせるデザインが好きなのは、たぶんそのせい)
時代は10年以上後になるが「電脳戦機バーチャロン」フェイ-イェン1995、「機動武闘伝Gガンダム」ノーベルガンダム1995などは、MS少女的(というかセーラームーンですけど)なコンセプトで作られたロボットという、変わり種。いわば萌えの逆輸入。さらにそれが擬娘化されたりして、もう事態は訳の分からない方向に。
「超時空騎団サザンクロス」1984は、一般的にはロボットアニメだが、かなり強化服(戦略機甲スーツ)を全面に推したアニメでもあり、主役は3人の美少女で固められていてなかなか萌え要素高い。
(時代的に早かったのか、ストーリー投げっぱなしでよく判らなかったからか、メカデザインや作画がアレだったからか(いいところがどこにもないように思えますけど、そんなに悪くないアニメです…が)打ち切り。ちなみに主役メカは商品化されなかったけど、強化服のプラモは出てました、顔の造形がいまいちでした、技術的に早すぎたー!!)
気を取り直して、これも模型誌発祥「スターフロント・ガルフォース」パワードスーツ+少女(ケモミミ装備)1985
という、最初から完全に狙った企画が作られて大人気に。
OVAでは「プロジェクトA子」赤城山23号+大徳寺美子(B子)1986が、より衣装に近い形の機械をまとって登場。これもスマッシュヒット。
それから「アップルシード」ランドメイト+デュナン・ナッツ1985が、パワードスーツ+美少女モチーフの方向性を決定づけ、商用作品や同人誌に多数の亜流を作り出した。作者の士郎正宗は、その後もライフワーク的にパワードスーツ+美少女モチーフのイラストを描き続けている。
また、映画「エイリアン2」パワーローダー+リプリー1986が強烈な印象を残し、もはや機械の鎧をまとって戦う女、というモチーフは完全に一般化する。
その後「バブルガム・クライシス」1987がスタイリッシュな強化服で、「パワードール」1998は、ハードな設定と美少女の組み合わせで、それなりにヒット。
そして大ヒットした「サクラ大戦」1996も忘れがちだがパワードスーツものだ。
昨今では「トリガーハート・エグゼリカ」2006がもろにこのジャンル。多少変わり球だが「オトメディウス」2007(予定)も同じ流れといえる。
現在コナミが展開しているトイ「武装神姫」2006、およびアニメ「スカイガールズ」2007がこのジャンルの正当後継作品といえるだろう。
参考:メカ少女 - Wikipedia、MS少女 - Wikipedia、パワードスーツ - Wikipedia、パワードスーツの登場するサイエンス・フィクション一覧 - Wikipedia
なお、「ゲイトウェイ」オニコ・バキンのように、虚弱な身体を補佐するためのパワードスーツというのは、「アルプスの少女ハイジ」クラリスを代表とする車椅子少女の変形として、非常に高い萌えを誘起する要素だと言えるかとおもうが、いまのところさほど有名なキャラを輩出していない。