サイボーグ
サイボーグは生物に機械を移植したもので、生身の部分が残っているもの、人でなくても良い。アンドロイドは要するに人造人間で人型に限る。
サイボーグ(改造生物)とアンドロイド・ガイノイド(人造人間)の違いは分かったと思う。
しかし、美少女という文脈で見た場合、サイボーグとガイノイドの差はほとんどない場合が多い。それは、後で思い返してサイボーグだったかロボットだったか分からなくなるキャラが多いことからも分かる。
そもそもの話、読者どころか作者もその差を理解していない場合すらある。
個人的にはサイボーグであるかどうかに、脳や記憶は関係しないという立場。小林誠「未来兵器AS」義頭野郎もサイボーグと考えるのだが、一応ここでは生物の精神を持ち、体の一部または全部が機械でできたものをサイボーグと呼ぶことにする。
例えば鎧に魂が定着した荒川弘「鋼の錬金術師」アルフォンス・エルリックも、ここではサイボーグとして扱う。
参考:メカ少女 - Wikipedia、Category:サイボーグを題材としたフィクション作品 - Wikipedia
歴史
サイボーグヒロインはそんなに大量にいるわけじゃないので、主要キャラはほぼ網羅できるんじゃないか、と思って極力多く時間軸にそって取り上げてみた。
1960年代
そもそもサイボーグという言葉が発生したのが1960前後であり、それ以前となると概念自体もほとんど存在しなかった。
石森章太郎「サイボーグ009」フランソワーズ・アルヌール1964はサイボーグヒロインの代表かつ嚆矢と言っていいだろう。情報収集能力に優れたサポート役で、あまり戦闘での活躍はない。
石森章太郎「009ノ1」ミレーヌ・ホフマン1967は、セクシーさを前面に出したキャラで、サイボーグ化されたボンドガールというと分かりやすいかと思う。個人的には乳房に武器が仕込まれているのには萎えた。1969にはサイボーグ設定なしでTVドラマ化、原昨登場から約40年後の2006にアニメ化されている。
1970年代
1970年代で記憶にとどめておかねばならないのは、イラストレータ空山基が作り出したロボット・サイボーグ美女のイラスト群の存在である。
イラストの方向としてはエアブラシを用いた「スーパーリアル」と言われるもので、多くの劣化コピーも産んだが、一見リアルとは対極にあるアニメや漫画(の萌え)に与えた影響は非常に大きい。
まず「仮面ライダー」1971蜂女などの改造人間が、女性戦闘サイボーグの先陣を切った。
そして満を持して主役のサイボーグ少女が登場「ミラクル少女リミットちゃん」西山リミット1973だ。少女向けアニメとサイボーグ少女の組み合わせと、戦うわけではないが怪力を売りにするのが新しかったが…ちょっと新しすぎた。
そもそも、サイボーグ手術で生きながらえたものの、技術的に不完全なため生きていられる時間も限られているので「リミット」ちゃん、という設定がハードすぎる。
この時代で注目すべきは手塚治虫「ブラックジャック」ピノコ1973の存在だ。
彼女はサイボーグとは思われていないが、定義からすると紛うことなきサイボーグである。彼女の存在が医療目的のサイボーグという枠を作り出していることに注目してほしい。サイボーグは必ず強くなるものではないのだ。
これからの萌えキャラとして、障碍少女の延長として「か弱いサイボーグ」というジャンルが確実に成立し、その時ピノコがその嚆矢として語られる日が来るだろう…たぶん。
「ブラックジャック」には他にも、翼を移植された少女などのサイボーグ的な少女が登場する。
サイボーグとしては特異な少女として「マジンガーZ」ローレライ1973がいる。彼女は巨大ロボットのドナウα1(ラインX)と一体となり「巨大サイボーグ」となる。「鋼鉄ジーグ」の原型は美少女だったのだ。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「接続された女」デルフィ1974は、アイドル型プローブとでもいうような存在で、本体は機械に接続されたまま遠隔操縦(テレプレゼンス)を行っている。これも一般的なサイボーグイメージとは異なるが、確かに機械と生物が融合した姿でありサイボーグの一種である。
現在はオンラインゲームの登場人物として、テレプレゼンス的少女が多く登場しているが、その後には一周回ってテレプレゼンスヒロインが人気となる…かも。
さて、現在のサイボーグ美女の本流に戻ろう。
「仮面ライダーストロンガー」電波人間タックル(岬ユリ子)1975で、特撮でもついに味方にサイボーグ美女が登場。しかしまだ、サポート役、あるいはさらわれ役であった。
「メカゴジラの逆襲」真船桂1975は手術シーンがあるとか、劇中さらに改造が加えられるというサイボーグ少女好きのツボをつく展開で、多くの作家に影響を与えたが、この後かなりの間ゴジラシリーズが作られなくなったことからも分かるように、映画そのものはヒットしなかった。
現在に繋がるサイボーグ美女の源流は、アメリカTVドラマの「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」ジェミー・ソマーズ1976にあるだろう。彼女は強く・速く・賢く、そして美しい。
それを受けて「ジャッカー電撃隊」1977のハートクインがサイボーグ女戦士として登場。その後の戦隊シリーズでは、主役にサイボーグやロボットは登場しなくなるが、「超電子バイオマン」ファラキャットなどのメカ美女、サイボーグ美女が敵を中心に、サポート要員やゲストとしても多数登場している。
宇宙人かつ(おそらく)サイボーグの玩具「ミクロマン」レディコマンド1977は女性戦士。G.I.ジョー、変身サイボーグの流れで発生したミクロマンの変種だ。
後に流行することになる女性アクションフィギュアの先駆けであるのだが、残念ながら、さほど盛り上がりは見せなかった。「超時空騎団サザンクロス」1984でも萌えフィギュアとしては早かったぐらいなので、その7年前は早すぎるのにも程がある。
完全に子供向けの商品であったが故に、レディコマンドなんか持っている子供は「女の人形で遊ぶ軟弱者」という雰囲気で見られたのは容易に想像できる事態だ。個人的な記憶でも、このラインナップの意味が分からなかった。なんで女?誰が買うの?ぐらいのものである。
企画的には、ミクロマンのごっこ遊びに女の子も巻き込もうとしたのではないかと思うのだが、女の子はリカちゃん買うよなぁ…。そんでリカちゃんとミクロマンという異種格闘技的なごっこ遊びをするのが、普通の落ち着く先だ。
この頃から、アニメに性的な雰囲気を纏った女性キャラクタが登場し始める。
サイボーグも当然その流れに乗る。例えば「銀河鉄道999」1977のクレアやメタルメナは機械化人ウエイトレスで、その肢体は機械であるものの、いや機械であるからこそのエロスの香りを放っていた。
「コブラ」アーマロイドレディ1978は、重いものを持ち上げたり、厚い壁をぶち破ったり、怪力っぷりを披露。スタイリッシュな怪力美女を定着させた。
その他も寺沢武一は萌えの文脈で取り上げるべき要素を多く漫画に盛り込んでいる。もっと評価研究されるべき漫画であり、漫画家と言える。
レディは特に海外で、その造形美からスタチュー(フィギュア)の人気が高い。これはもう完全に大人向け商品。
「無敵鋼人ダイターン3」コロス1978は、湖川友謙デザインのサイボーグ(メガノイド)で、メガノイド側の副官であり実質的な指揮官でもあり美人秘書的雰囲気が首領ドン・ザウサーとの間に怪しい雰囲気を醸し出していた。富野監督が依怙贔屓したキャラとして有名。
1980年代
荒木飛呂彦が言った「仮面ライダーとか、サイボーグになれてラッキーじゃない(うろ覚え)」というのが、一般的なオタクの感想となってくると、単に改造されたというだけでは悲劇性は生まれなくなってきている。
そのため、サイボーグものはあっけらかんと明るいものと、もの凄い悲劇を背負わされたものなどの極端なものが現れ、多様化してくる。
「赤い牙 ブルー・ソネット」ソネット・バージ1981は、サイボーグ美女からサイボーグ少女への転換点といえる。1989にOVAとなっているが、漫画ほどの影響はなかったといえるだろう。制作会社が倒産したこともあり、さほど流通しなかった。そのためかなりのマニアでもアニメ化を知らなかったりする。私もぜんぜん知らなかった。
少女売春などのシチュエーションも凄いが、そもそも少女漫画であるということが凄い。
映画「風の谷のナウシカ」クシャナ1984は、ファンタジックな舞台故に無視されがちだが、義手に仕込み銃を装備していて、サイボーグと言っても良いだろう。
特に漫画版(義手ではないが)はかっこいい女性司令官のイコンとして、オタクの脳に強く印象づけられた。庵野秀明がクシャナの外伝を作ろうと宮崎駿に掛け合った話は有名。
この頃にコミケの隆盛が始まる。そこではパロディとしてのサイボーグが大量に描かれ、商業誌にも流入して行く。
例えば、むつ利之「サイボーグ女子高生 バニラ37℃」1985は、極めてライトな漫画で、そこには悲壮感などない。月曜ドラマランドでTVドラマ化された。
神崎将臣「
巻来功士「メタルK」冥神慶子1986は、怒りで体(外皮)が溶け出すという衝撃的な設定の復讐のダークヒロイン。巻来功士は前作「機械戦士ギルファー」でもサイボーグを描いている。
OVA「ダンガイオー」ミア・アリス、ランバ・ノム、パイ・サンダー1987
TVアニメ「超音戦士ボーグマン」アニス・ファーム1988このあたりになるともう完全に萌え路線に乗ったキャラ作りとなっている。
そして麻宮騎亜「サイレントメビウス」キディ・フェニル1988がサイボーグ怪力娘として登場。サイボーグであるということは物語の主人公であるに十分だった時代が終わり、沢山のキャラクタの特徴のひとつ、という段階になる。こういうチームが作られたのは、作者の麻宮騎亜のアメコミ趣味が理由のひとつと思われる。
この頃になると「サイレントメビウス」に限らず、ロボットやサイボーグの怪力娘は当たり前の存在として登場するようになっている。手塚治虫や石森章太郎(原作のアニメ・特撮)で育った子供が作家となっているのだ。
土方茂(現 小畑健)「CYBORGじいちゃんG(読み切り版)」1989では、新人というのに超絶に上手い絵と相まって、サイボーグ化されたお姉ちゃんとお母さんが妙にエロかった。
特撮映画「ガンヘッド」ベベ1989は、強く頼りがいのある女性サイボーグ。ちなみに漫画版は麻宮騎亜。
OVA「エンゼルコップ」エンゼル1989は、時期も近く特殊公安の女性サイボーグという極めて草薙素子と似た設定、監督:板野一郎、脚本:会川昇、キャラデザ:結城信輝という布陣ながら、見事にこけた。ちなみに漫画版の「エンジェル・コップ」は北崎拓が担当。
そしていよいよサイボーグヒロインの代名詞ともいえる、士郎正宗「攻殻機動隊」草薙素子1989の登場となる。映画版「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」1995のビデオがアメリカでヒットを飛ばし、「マトリックス」に影響を与えたことも有名だ。
1990年代
Vシネマ「女バトルコップ」御子柴かおる1990は、作品自体はぐだぐだだったものの、「ゼイラム」イリアに繋がる実写ヒロインとして注目できる。
高田裕三「万能文化猫娘」ヌクヌク1990は、ちょっとややこしいが、アンドロイドに猫脳を移植したサイボーグだ。
木城ゆきと「銃夢」ガリィ1990は、草薙素子に匹敵するサイボーグヒロイン。とにかく頻繁に身体を破壊され、四肢断裂状態になり復活を繰り返す。
「幽☆遊☆白書」躯1992は火傷し機械化された半身と美しい半身の対比が印象的なキャラクタ。前述のクシャナがモデル。
鳥山明「ドラゴンボール」人造人間18号1992は名前と異なり人間を改造したサイボーグではあるが、その性格は人間味が薄く冷徹でロボット的だ。後にサイボーグでありながら子供を産むのが斬新だ。
ツンデレキャラの一人としても認識されていて、その人気はドラゴンボールヒロインの中でもかなり上位。
躯といい、このころのジャンプはサイボーグ美女ブームか?
データイースト「アンダーカバーコップス」ローザ・フェルモンド1992は、電柱をぶん回し、ヒヨコを生で食うワイルドさとバンプーを見せつけた。
カプコン「エイリアンVSプレデター」リン・クロサワ1994は、エイリアンを相手に、そのパワーとスピードを存分に発揮した。
安西信行「
タイトー「レイフォース」F041994は戦闘機の機体性能を極限まで引き出すサイバネティクス・リンク・ システムのためにサイボーグ化されているという、「歌う船」を思わせるハードSF的設定。
「GUILTY GEAR」梅喧1998は、「どろろ」の百鬼丸を彷彿とさせる暗器を義手に仕込んだ刀の使い手。
2000年代
高橋しん「最終兵器彼女」ちせ2000は、まるっきり強そうな外見でも性格的にも強そうでもないのに、実際は最終兵器の名の通り圧倒的に強い。サイボーグであることはSFという文脈上のものではなく、分かりやすい喩え、つまり寓話の中の存在となる。
「アイドルを探せ!」番組内ライトコメディドラマ「サイボーグしばた」2001などは、ひたすら軽いノリで、魔法で強い力を手に入れたのと本質的な違いはない。
もりしげ「こいこい7」メンバー6人全員2002この作品もサイボーグの悲壮さは殆どない。
相田裕「GUNSLINGER GIRL」ヘンリエッタ他2002は、サイボーグの年齢が低く、完全に少女であるところが背徳の匂い濃厚である。逆に言えば幼い少女を改造するぐらいでないと、罪の匂いを付加することが困難なほどサイボーグが日陰者であるという意識がなくなっている、ともいえる。
小説では冲方丁「マルドゥック・スクランブル」ルーン・バロット2003も、改造前の虐げられる少女娼婦の存在からサイボーグとなってからの圧倒的能力の落差が魅力。アニメ化が企画されたが制作は中止。冲方丁はその後「オイレンシュピーゲル」「スプライトシュピーゲル」というサイボーグものも書いている。
「舞乙HiME」
ナノマシンは機械であるものの、その作品内での描写は魔法により近い。
「キスダム KISS DUM -ENGAGE planet-」沙々羅樹2007は、この時期にしては真っ当なサイボーグ。逆に言えば工夫がない。
「ブラスレイター」ベアトリス、スノウ2008、ブラスレイターの場合は感染するナノマシンによる人体改造なので、従来のサイボーグとは少々異なるが、「仮面ライダー」を意識した変身やアクションは必見。
「機動戦士ガンダム00」ルイス・ハレヴィ2008は、ほとんどサイボーグ的な超人描写はないどころか、機械の腕であることが画面に映ることもほとんどなく残念。
「鋼の錬金術師」ランファン2008、驚異的な(忍者的)体術を持った体に機械を移植した、現在もっとも注目されるサイボーグ少女だ(個人的に)
漫画、中島零「ぴことぴけ」サイボーグぴこ(鏑木璃子)2008はロボットぴけとの婦警コンビ。
ロボットにはない魅力
萌え文脈におけるサイボーグ少女の魅力の多くは、ロボット少女と共通し、これらはメカ娘としてひとくくりにされることも少なくない。
そのことについては、以下のロボットについての考察を参照してほしい。
しかしロボットとサイボーグには決定的な違いがある。その精神が人間(生物)のそれであるということだ。
これは元は人間であったのにサイボーグへ変化した、ということでもある。
そしてこれは、いつ人間であるというアイデンティティが失われてしまうかもしれない、という危うさでもある。
変身・変貌・変容
整形手術は単に姿が変わるだけだが、サイボーグは能力的にも違う人間、さらには人間以上のものになるための方法である。
力が強くなるというのが定番だが、コンピュータとの接続能力が高くなるなど、様々なパターンが存在する。
超能力者、ミュータント、人外(怪物)、宇宙人などとも共通する、人類以上の超能力をもつという魅力がサイボーグにもある。逆に言えば、能力自体はサイボーグ特有の魅力ではない。
ロボットとの違いと同様に、「機械によって後天的に力を得る」のがサイボーグの魅力である。
機械の体に脳が移植できたのならば、その後もまた中身(脳)が入れ替えられる可能性があるのがサイボーグだ。
親しいものがいつの間にか赤の他人になっている、または自身の体が赤の他人のものになっている、そういう状況がサイボーグのいる世界では簡単に発生する。
サイボーグは機械部分の運動機能が乗っ取られる可能性がある。素晴らしい力を発揮する肢体は同時に完全無欠の拘束具でもある。
サイボーグは拘束具を越えて自由に操作される可能性もあり、それは「可愛い女の子を自由自在に操ってみたい」という欲望をストレートに表すことになる。ロボットの場合は最初から操られること前提で作られているが、サイボーグは操られることは前提ではないのがこの場合は(萌え的に)大切だ。
改造手術というエロス
ロボットとサイボーグには、萌えと言うか美少女文脈的でも圧倒的な違いがある部分、それは「改造手術」という過程を通っているかどうかである。
改造手術とはつまり、裸にひんむかれてベッドに縛り付けられ、複数の男に囲まれて体をいじり回されるわけで、それはもう画面的には集団レイプとの区別は全くないと言える。とはいえ、改造場面が実際に画面に登場する必要は全くない。想像力が刺激される設定であればいいのだ。
特に同人誌では、繰り返し改造される美少女というモチーフが描かれている。
「連続幼女誘拐殺人事件」1989の被告の宮崎勉が、あれは「改造手術」だった、と語ったのは有名な話で、そこにエロスが介在していたかどうかは分からないが、改造手術という響きは人を惹き付ける魅力があるのは間違いない。
ちなみに彼が犯人かどうかは相当怪しいと思うので、その発言についても参考程度と見ておいた方がいいだろう。
ともあれ、人体改造にはスナッフフィルム的な犯罪の香りがあるのは確かで、それがサイボーグの魅力の一つであるのもまちがいない。
フリークス
多くの人の目に触れるメディアで不具者を出すのは、訳の分からん文句を付けてくる人らが多いので、何かと面倒なことが多い。「エンバーミング」マリゴールドは、これをド直球で商業誌でやったのが凄い、凄すぎる。
それはそれとして、サイボーグとなると四肢切断以上であったとしても、何故か文句がぐっと減る。
身障者萌え、もっと範囲を狭めると四肢切断萌えの受け皿としてのサイボーグ需要は確実に存在する。敵に破壊されるとかメンテナンスだとか、色々と理由を付けてはサイボーグの手足は取り外される。
小さな箱に入れて育てられた人工的奇形「箱娘」のような、非人道的な見せ物としての側面がサイボーグにはあるのだ。
サイボーグではないが、「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ」キャメロンの裸の上半身のみが、機械むき出しのままで吊られているパッケージは、この趣味の代表的なイメージと言える。
なお、この趣味は「ゾンビ娘」でも同様に解決できるが、腐ってるとかそもそも死んでるとかいうゾンビ特有の高いハードルをクリアしないといけないので、サイボーグ以上にマイナーだ。
柔と硬
全身サイボーグでない限りは、そのカラダの表面には生身の部分と機械部分とが共存することになる。
それは甲冑少女のもつ魅力と同じもので、柔らかな女体が硬い金属によって強調され、魅力が大きくなる効果がある。そのような意味では、眼鏡っ娘もヘッドフォン娘もサイボーグの一種であると言える。
参考:アーマー - 鳶嶋工房ゲームザッキ、パワードスーツ - 鳶嶋工房ゲームザッキ
しかしサイボーグの場合は、体に機械を付加しているのではなく、体の一部を機械と「交換している」ということが決定的な違いだ。人間ではないモノに「片足突っ込んでいる」わけである。
サイボーグは機械を埋め込むことで人を越えた力を手に入れると同時に、異形と、拒絶反応という爆弾を抱えた不具者でもある。
これは、異形・不具のものは何か不思議な能力を持っているという
そして、サイボーグは頻繁に医療施設で調整を行うのが常なので、超人的能力と同時に「不治の病におかされた薄幸の美少女」的な要素も持つことになる。
まとめ
サイボーグは、猟奇と科学とエロスの融合。
萌えのマニアックな部分を凝縮したかのようなサイボーグ。それだけに、メジャーになり難い要素でもある。