全国各地から反響次々


東京同窓会の記念出版母校創立100周年記念出版
『寺井日記がつなぐ未来日記――次世代へのメッセージ』

東京同窓会が1年がかりで編集・発行した旧制福中の先輩、寺井俊一さんの「戦中・戦後の記録」である「寺井日記」をもとにした上記『未来日記』を読んだ方から次々と編集部に反響が寄せられています。しかも、同窓生にとどまらず、他校の卒業生からも福中・福高同窓生のつながりの強さと「総合知」を羨む言葉が来ています。
 この本は5月13日の東京同窓会参加者全員にお配りしますので、ぜひご参加ください。

 佐賀県に住む60代の同窓生からは「夜遅く帰って手にしたら止まらなくなり、妻に何してるの、明日の朝早いでしょう、と言われたが読み終わるまで寝られなかった」、福岡市の「本にはうるさい」50代の同窓生からは「読むほうも寺井さんの友人になったような気持ちになった。ミニ解説も役に立った。いい本だ」とハガキがきました。
 シニア世代に比べると、若い世代からの反応はまだ少ないようです。それでも、30代の同窓生からは「すごい先輩がいて、その先輩の思いを僕たちの世代につなげようという、次の先輩たちがいる、福高同窓会はすごいと感じました」との感想をいただきました。

 では次に同窓生以外からの声です。人間味あふれる医療実践で知られる都内の50代の病院長さんからは「とても感銘を受けました。書店では出あえない貴重な書物に触れることができ、感謝します」とメールがとどきました。
 地元では母校と同じ「福高」で親しまれている京都府立福知山高校卒で、現在は北海道で和牛など肉牛500頭を飼っている牧場の71歳のオヤジさんからは「地味だけれど、すごい本だ。近隣の高校の知り合いの先生たちにも読んでもらうから送ってほしい」と嬉しい連絡をいただきました。
創立121年の和歌山県立田辺高校卒の元大学教授(平和構築がライフワーク)夫妻からは「日記を書きつづけた先輩もすごいし、その日記を掘り出し、掘り下げた後輩たちもすごい。危うい時代の今、肝に銘じて読ませていただきました」と。
最後に、「深い知性に裏打ちされた高潔な志、それに未来への強い責任感(それは未来への希望ですが)、それらが物静かに、しかし直に迫ってくる作品です。世情を思うにつけ、よくぞやってくれた、と快哉を叫んでいます」とのメッセージをくれたのは灘高卒の元大学教授です。彼からはその後、「同窓会としてこのような本を出した識見に敬意を表します。灘高同窓会ではできるか、どうか」と、電話で追加メッセージがありました。
未来日記』は近く、西日本新聞で紹介される予定です。
また、若い世代の方々のお声をお寄せください。本は懇親会でお配りしますが、出席できない方でご希望の方は編集部にご連絡ください。

「心にふれる話」

東京新聞の朝刊一面に「心にふれる話」という500字足らずのコラムがあるのをご存じだろうか。私は定期購読していないため詳しいことはわからないのだが、毎日出ているのではなく、署名記事で、ベテラン記者が書いているみたいです。
6月6日付のそのコラムに、私と事務所の仲間が昨年末に普通では考えられないくらいの猛スピードで編集・デザインした単行本のことが紹介されているよ、と友人が知らせてくれたのです。著者は既に故人、どこの出版社も引き受けてくれないので、友人たちが実行委員会形式で故人の想いを実現しようと奔走し、最後に当方に話が回ってきたのだった。
コラムの見出しが「戦時下のリアルな青春」とあるように、平時なら召集されることなどなかったはずの丙種合格で過酷な軍隊生活に放り込まれた著者の想いに応えようと、「戦後70年のうちに何として発行したい」と関係者が汗を流した作品で、題して『吾が青春に悔いあり』。コラムの名前「心にふれる話」いっぱいの本ですから、ぜひ読んでください。

もうすぐ18号もできあがります

そのまえに…


単行本(A5判300ページ)を福島市の平和活動をしている人たちが、このほど発行しました。本日14日の朝日新聞福島版に紹介記事が載りました。電話がひっきりなしとか…。
私たち編集者・デザイナーも暮れぎりぎりまでがんばった本だけに、また今日の世情だけに、多くの人に読んでほしいですね。文章も挿し絵も、3年半前に91歳で亡くなった著者の作品で、まさに遺作です。本体価格は1800円です。ただ、一般の書店に並ばないのが残念です。

十勝の牧場のオヤジが語る魅力の物語


僕の尊敬する友人、片岡文洋さんは北海道・十勝で500頭の肉牛を飼う「夢がいっぱい牧場」の創設者(会長)である。その彼が、ミネルヴァ書房の「いま日本の≪農≫を問う」シリーズの最新刊⑧『おもしろい! 日本の畜産はいま』(6人の共著)で、大地に踏ん張って生きている牧場のオヤジならではの骨太で魅力的な≪物語≫を書いている。
 「夢がいっぱい牧場」の展開――北海道での新規就農から六次産業化まで、のタイトルで綴られる63ページには、ほとんど裸一貫でやって来た十勝で牧場を築いてきた50年近い年月の汗と涙と牧草と牛のにおいに満ちた喜怒哀楽がいっぱいだ。
 飼育する牛を増やしていく過程での彼が見せるパワーと知恵、それを支え、時にリードする妻の芙美子さんとの二人三脚や地域の人たちに愛される人となりは、羨ましいほど。漁師泣かせの毒を持つオニヒトデを牛の糞尿と合わせて無毒どころか作物の発芽を促す人気の堆肥に変身させて「天使になった海のギャング」(名付け親は芙美子さん)として売り出したり、彼を慕って研修にやって来る若者も多く、その数は延べ1,000人を超える。中には、自殺しようと思い詰めてやってきたのに、牧場で一緒になった若者同士の語らいや子牛との触れ合いを通して生きること、生命について考え直した人もいるし、ここでの出会いが結婚につながったり、人生の進路を見つけた人もいて、夢がいっぱい牧場は、若者たちの貴重な出会いの場ともなっている。「農業は生命産業、人生の総合大学」と語る片岡さんの魅力あふれる内容である。

京都経由岩手・岩泉町から松茸の便り(写真)です


質の高さでは日本一といわれる岩手の岩泉町の松茸が3キロも、京都市左京区岩倉の里山で活動を続ける「まつたけ山復活させ隊」に送られてきました。
一番大きいモノは1本320グラムも。この運動の代表を務める吉村文彦さんは以前、「世界唯一のまつたけ栽培研究所」といわれた「岩泉まつたけ研究所」の所長を長年務め、独自の理論と実践で里山の環境を改善し、岩泉町を松茸の名産地に育て上げた人です。
吉村さんたちが活動を続ける岩倉の山では、10年たった現在もまだ松茸は顔をみせてくれませんが、この岩手の松茸が刺激になって京松茸が復活するといいですね。