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この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

森見登美彦日誌RSS

2014年09月04日

[] 森見登美彦氏、アニメ有頂天家族」イベントへ出かける


 続篇のことはともかくとして、下記のようなイベントが開催されるのでお知らせする。

 続篇のことはTO・MO・KA・KUとして。。。 



有頂天家族」トーク&上映会


 2013年に放送され、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した森見登美彦原作のTVアニメ有頂天家族」から、物語のキーとなる弁天様に関係する回をセレクション上映。上映後には、アニメ弁天役を演じた声優能登麻美子さん、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー(P.A.WORKS代表)に加え、スペシャルゲストとして原作者の森見登美彦氏を加えたトークショーを実施します。


有頂天家族」トーク&上映会〜弁天セレクション〜

【日時】2014年9月21日(日) 13:00開場

【会場】京都コンピュータ学院・京都駅前校 大ホール(京都市南区西九条寺ノ前町10-5)

【スケジュール】

13:30〜16:30 本編セレクション上映【1話、3話、4話、5話、6話、12話、13話(最終話)】

16:30〜17:00 トークセッション

【出演】

能登麻美子弁天役)、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー

スペシャルゲスト:原作者・森見登美彦

【入場料】前売2,500円/当日2,800円

【チケット】チケットぴあセブンチケットで販売中

全席指定・途中入退場可能


 イベント公式HP

 http://www.kbs-kyoto.co.jp/contents/ticket/2014/ticket_037105.htm


2014年07月26日

[] 『ひとなつの。』(角川文庫


 ついに世界は夏休み的時空間に突入した。

 かつて登美彦氏が国会図書館というところで働いていた頃、夏休みは三日間であり、登美彦氏はそれを「三枚のお札」と称して大事に使ったものであった。それが今はどうであろう。夏休みであると言えばいつでも夏休みであり、書き終わるまで夏休みは来ないと言えば決して夏休みは来ないのである。自由なのか不自由なのか分からない。

 「有頂天」第二部はふたたび暗礁多発地帯に入った。

 こういうことになると登美彦氏は文章の書き方さえ分からなくなる。

 登美彦氏の夏休みはいつ来るのか、まったく予測がつかない。


 ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語 (角川文庫)


 いかにも夏にふさわしそうな文庫本が出たので紹介する。

 登美彦氏の短編「郵便少年」がこっそり入りこんでいる。


 ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)


 「郵便少年」は『ペンギン・ハイウェイ』の番外編である。

 暑い夏には『ペンギン・ハイウェイ』を読めばサワヤカに涼しくなることウケアイ。

 この二冊は夏休み的時空間内部で読むべき本である。

 だからどんどん文庫本をお買い上げいただけたらステキなのである。

 「孫たちの活躍に期待するしかない」

 登美彦氏は言っている。

 「ありがたいありがたい」

2014年07月04日

[] 登美彦氏、生きてる。


 どれだけの人が気にしている問題か分からないが、ともかく森見登美彦氏は生きているという厳然たる事実をここに報告するものである。

 そして、もはや話題にすることさえ憚られるが、登美彦氏はいま『有頂天家族』第二部のえんえんたる書き直しを経てクライマックスにさしかかり、いよいよ耳から毛を噴きそうな思いをしている。

 「え、まだ書いてるの?」と呆れる人もあろう。

 しかし気高い登美彦氏は言い訳をしないのである。

 言い訳のしようがないがゆえに。

 しかしこの広い世の中には、この登美彦氏の気高さを讃えてやろうではないかというステキな人がいないともかぎらない。登美彦氏はこの世のどこかで清らかに生きているであろうその人の存在にすべてを賭ける。トモダチ。握手。


 本来ならば『有頂天家族』第二部の刊行めどが立った時に、煮汁のように魂から染み出すヨロコビとともにこの日誌を更新しようと筆者は考えていたが、登美彦氏がちんたらぽんたらやっているものだから、まったく更新することができぬまま早五ヶ月。近所のTSUTAYAで断片的に聴き憶えた「アナと雪の女王」の歌に合わせて台所で妻の名を朗々と繰り返して遊んでいるうちに早五ヶ月。2014年も折り返し点に至った。

 さすがの登美彦氏も愕然とした。

 「許すべからざること山のごとし!」

 登美彦氏は奈良盆地の山々に叫ぶのだ。

 奈良の山々にも責任の一端はある、と登美彦氏は考えているらしい。

 「ないとは言わせませんぞ」

 登美彦氏は呟く。

 「この恐るべき、雄大な古事記時間め……」

 

 登美彦氏が抱える幾多の問題は脇に置く。

 筆者にはお知らせすべきことをお知らせする義務があるのだ。

 以下、お知らせすべきことである。


 

 かつて「とんぼの本」の一冊として出版された『京都ぐるぐる案内』が編集者氏の奮闘によってギュッと圧縮され、携帯にたいへん便利となった。

 しかしながら、森見登美彦氏は現在小説家としてキャリアがぐるぐるしているのであって、もはや京都をぐるぐる案内している場合ではないのではないか。そう指摘する人もあるだろう。筆者もまったく同感である。握手。

 

 

 登美彦氏の母親の愛読書であり、登美彦氏が『夜は短し歩けよ乙女』にチラリと登場させた愉快な本。

 登美彦氏は帯にコメントを寄せている。 

 

 

深泥丘奇談 (角川文庫)

深泥丘奇談 (角川文庫)

 登美彦氏が解説を書いた綾辻行人氏の本。

 にゅるにゅるした偽京都が現れる小説である。解説はいわば「にゅるにゅる案内」である。

 

 

四畳半神話大系 Blu-ray BOX

四畳半神話大系 Blu-ray BOX

 

 アニメ四畳半神話大系」がblu-rayボックスとなった。 

 登美彦氏は「まさかワタクシがblu-rayボックスをいただけないということはありますまい?」と編集者にイヤらしく念を押した。

 その甲斐もあってちゃんと貰えたので登美彦氏はおおいに満足したのである。


 

 アニメ四畳半神話大系」の湯浅政明監督の新作「ピンポン」。

 登美彦氏は毎週「すごいのう」と脳味噌を揺さぶられながら観ていたという。

 たんに「楽しく観ていた」というだけであって登美彦氏自身は何ら関係ないのだが、湯浅氏の素晴らしい作品なのでここに紹介する次第である。

 

 報告はとりあえず以上である。

 また会う日まで、サヨウナラ。

 

2014年02月07日

[] 『聖なる怠け者の冒険』は活躍するが、原作者はのんびりしている。


 

 聖なる怠け者の冒険 聖なる怠け者の冒険 挿絵集


 2013年に世に出た『聖なる怠け者の冒険』が本屋さん大賞にノミネートされた。

 そういうわけで朝日新聞出版の方々がおおいに奮起して、「聖なる怠け者の冒険」twitterというものを始めた。

 twitterはコチラ。

 https://twitter.com/namakemono2014

 フェイスブックにもあるそうなのだが、登美彦氏はフェイスブックのことがよくわからない。


 『聖なる怠け者の冒険』は、同じ狸的世界ということで『有頂天家族』とつながりがあるようなないような、今ひとつはっきりしないのであるが、よく考えれば、そんなことはいつものことではないか。どんな作品にせよ、登美彦氏の皴深き脳の谷間から滲み出てくるものであれば似たり寄ったり、万練村*1の子どもたちなのである。


 そして『聖なる怠け者の冒険』と『有頂天家族』という狸的兄弟がステキな活躍を見せているというのに、原作者はミドリ色のソファに座って「いじわるばあさん」を読んだりしているのである。

 「あわてるな。怠け者には福がある」

 

 いじわるばあさん 5巻

*1:「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」より

2014年02月06日

[] 『有頂天家族』は活躍するが、原作者は活躍してない。


 森見登美彦氏は机に向かってボンヤリしている。

 机上には毛玉や天狗や半天狗や胡散臭い幻術師がこんぐらがっている。

 有頂天家族の第二部は着実に進んでいるが、着実にユックリである。脳の谷間から滴り落ちる液体を朱塗りの椀に溜めているかのようにユックリと進む。

 「しかし諸君」

 登美彦氏は言う。

 「前に進んでいるのであれば、いつの日か必ず終わる日が来るヨ」

 (そうとも、いつの日にか――)

 そして登美彦氏は未来を見つめる。

 その目には、三十路半ばの男の固い決意が見えるではないか。

 そう、完成した暁には必ずや『めぞん一刻』のblu-rayボックスを買おう、という固い決意が。


 かくして原作者は奈良盆地ひとりぼっち、のんのんのんと執筆したり、のんのんのんと暗礁にのりあげたりしているにもかかわらず、今週の「有頂天」界隈はまことに賑やかである。


 まずアニメ有頂天家族」が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。まことにめでたきことながら、「四畳半神話大系」に引き続き、登美彦氏作品映像化のハードルをずんずんあげるのもたいがいにしていただきたい、と登美彦氏は述べている。

 とはいえ知らぬふりもできないので、2月5日の火曜日、登美彦氏は雪の舞い散る東京へ出かけ、吉原監督と堀川社長に「おめでとうございます」と言った。そのあとすぐにみんなで授賞式会場を抜け出し、狸鍋抜きの金曜倶楽部的な宴会で上機嫌になったのである。

 アニメ有頂天家族」、DVDblu-rayも順次発売されている。 

 全巻において、登美彦氏はオーディオコメンタリーでもぐもぐ喋っている。

 

 有頂天家族 (The Eccentric Family) 第一巻 (vol.1) [Blu-ray] 有頂天家族 (The Eccentric Family) 第二巻 (vol.2) [Blu-ray] 有頂天家族 (The Eccentric Family ) 第三巻 (vol.3) [Blu-ray]


 有頂天家族 (The Eccentric Family) 第四巻 (vol.4) [Blu-ray] 有頂天家族 (The Eccentric Family) 第五巻 (vol.5) [Blu-ray] 有頂天家族 (The Eccentric Family) 第六巻 (vol.6) [Blu-ray]


 また、今週末2月9日の日曜日に「有頂天祭」というお祭りがある。 

 http://uchoten-anime.com/special/special_140209.php

 登美彦氏も出かける予定である。

 アニメ放映が終わってこんなに経ってから、ふたたびお祭りにまじることができるのは幸いなことであろう。

 ここで登美彦氏はいちおう呟いてみる。

 「第二部を書き終えないうちにこの日を迎えてしまったこと、まことに慚愧の念に堪えない!」

 アニメ放映終了後の打ち上げの際、「森見さん、第二部はいつごろできますか?」と大勢の人に言われ、登美彦氏は打ち上げ会場で吊し上げられた。この週末にのこのこ出かけて行ったら、また同じ目に遭遇するに決まっている。ありがたいのやら、ありがたくないのやら、原作者の心中フクザツであるべきだが、「諏訪部さんたちとまたお酒が飲めるといいナア」などと机上で呟いているところを見ると、どうも深刻に考えていない気配がある。阿呆なのであろう。恥を知るべきである。

 ちなみに会場では、登美彦氏のサインした文庫版『有頂天家族』、『有頂天家族公式読本』、およびフィルムブックが販売される予定である。

 これは幻冬舎の担当編集者である小手山さんが、雪の舞い散る寒い深夜に登美彦氏を幻冬舎に監禁して鞭でぴちぴち叩きながら書かせたサイン本であり、登美彦氏自筆イラストつきの10周年記念ハンコが押されている。10周年延長宣言後に10周年記念ハンコを活用し始めるのもヤケッパチだが、これもまたやむを得ぬ。

 なお、鞭で叩かれながらしたサインであっても愛は籠っている。

 「当日会場でお買い上げいただければ、色々な人が助かります」

 と、登美彦氏は言っている。


 そしてさらに今週末2月8日、京都にて「七変化音楽劇 有頂天家族」の舞台がある。

 http://www.duncan.co.jp/web/stage/uchoten/

 思いがけない出来事によって、登美彦氏も「無事に上演できるのだろうか」と心配したが、舞台裏でさまざまな方が奔走してくださった結果、無事に京都で上演されるとのことである。

 もし京都公演がなくなれば、登美彦氏はこの自律神経に悪いことウケアイの舞台を、あやうく見られないままになるところであった。

 「ありがたいことだ。これで観に行ける」

 登美彦氏は感謝している。

 そういうわけで当日は、登美彦氏も自律神経を痛める覚悟で参上する予定である。

 「どんとこい、自律神経失調」


 不思議なことに、この一週間はたいへん「有頂天」な週なのである。

 そして、原作者は特段の活躍を見せていないのである。