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この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

森見登美彦日誌RSS

2017年06月28日

[] 森見登美彦氏、テレビで語らう


 森見登美彦氏がテレビで語らう予定である。

 お相手は上田誠氏と万城目学氏。

 なんだか万城目氏を冷たくあしらっていたような感触があるばかりで、一体なにを語り合ったものか、登美彦氏の記憶は朦朧としているが、おそらく有益なことは何ひとつ喋っていまい。この収録があった夜、渋谷貸し会議室で万城目氏や上田氏と「ディクシット」で遊んだ。

 お時間のある方はどうぞ。

 「ボクらの時代

 7月2日(日) 7:00-7:30

 http://www.fujitv.co.jp/jidai/

2017年06月09日

[] 「わたしは『夜行』をこう読んだ!」結果発表開始


 夜行


 アニメ有頂天家族2」も残すところあと三話となった。

 今さら森見登美彦氏にできることは何もない。アニメの内容も狸的修羅場を迎えつつあるが、おそらく富山の方面も狸の手を借りたいほどの修羅場を迎えているにちがいないのである。なんの足しにもならないが登美彦氏は「なむなむ」と念を送る。


 ところで、先日募集した「わたしは『夜行』をこう読んだ!」の結果が決まり、これから毎夜、一篇ずつ公開されていく予定である。


 こちらにて

 http://www.shogakukan.co.jp/pr/morimi/readersvoice.html


 ご応募いただいた皆様、まことにありがとうございました。

 そしてまだお読みでない方はこの機会にぜひ。

2017年05月09日

[] 「有頂天家族2」記念切符


 先日、森見登美彦氏は叡山電車出町柳駅を訪ねた。

 今年の三月に登美彦氏の十周年記念イベントが叡山電車にておこなわれたのだが、その際に用いた特別製「ヘッドマーク」を寄贈しに出かけたのである。ヘッドマークとは列車の前や後ろに掲げる、列車名を記した図案のことである。登美彦氏の描いた落書き「無人島のおじさん」をベースにデザインされている。前と後ろの二つを作成したので、残りの一つは登美彦氏の秘密基地に飾ってある。


 出町柳駅を訪ねた際、登美彦氏は叡山電車の方から「有頂天家族2」の記念切符をもらった。「おもしろき古都は、良きことなりきっぷ」という。

 下鴨家の兄弟やその母、南禅寺玉瀾の姿が印刷された特別入場券はたいへんかわいらしい。次兄の化けた叡電が印刷された「叡山電車一日乗車券」もある。鞍馬駅貴船口駅八瀬比叡山口駅一乗寺駅出町柳駅の各駅でそれぞれ一枚ずつ入手することができる。

 これを機に叡山電車の路線を制覇するのも楽しいにちがいない。

 京都にお越しの際はぜひどうぞ。

 詳細は下記のリンク先をご参照いただきたい。

 https://eizandensha.co.jp/event/detail131/


 それにしても叡山電車の皆様にはお世話になりっぱなしである。

 森見登美彦氏は深く感謝している。

2017年05月07日

[] 森見登美彦氏、広島へ出かける。

 

 

夜行

夜行

 

 

徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男

徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男


 昨日、森見登美彦氏は広島へ出かけた。

 2011年から続く「広島本大賞」は今年で七回目である。小説部門に登美彦氏の『夜行』、ノンフィクション部門に木村元彦氏の『徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男』が選ばれた。贈賞式にて登美彦氏は木村元彦氏と今西和男氏にご挨拶した。登美彦氏はスポーツ全般についての知識がほとんどなく、『徳は孤ならず』を読んで初めて、広島が日本のサッカーにおける大事な地であったことを知ったのである。

 『夜行』は広島だけを舞台にした小説ではない。そういうわけで登美彦氏は「なんだか申し訳ない」気持ちでもあったのだが、『夜行』第一章の舞台となった「尾道」には格別の思い入れがあることもたしかである。

 『夜行』という小説は「尾道」に始まり「京都」に終わる。

 登美彦氏の描く「京都」が「偽京都」であるように、登美彦氏の描く「尾道」もまた「偽尾道」であるにはちがいないが、登美彦氏はひとつひとつの土地をそのようにして自分の妄想を通してしか描くことができない。

 この「偽尾道」が広島の皆さんにも面白いものであれば……

 そう登美彦氏は祈っている。

2017年04月19日

[] 「シャーロック・ホームズの凱旋」(小説BOC


 

小説 - BOC5

小説 - BOC5


 中央公論新社の小説BOC第五号に、森見登美彦氏の連載「シャーロック・ホームズの凱旋」の第三話「マスグレーヴ家の儀式(前篇)」が掲載されている。あいかわらずシャーロック・ホームズ氏は有益な推理をいっさい披露しない。

 

 「ワトソン君。君はどう思う?」

 ふいにホームズに声をかけられ、私は我に返った。

 いつの間にかホームズはベッドで仰向けになり、下宿の天井を見上げていた。その胸には『イケてる世の捨て方』を抱いている。

 「……なにが?」

 「隠居するのにふさわしい場所を考えていたのさ。たとえば大原はどうだろうか。ヴィクトリア朝京都の忌々しい喧噪もスモッグもあそこなら届かない。心穏やかに生きていける。苔むしたわらべ地蔵たちとぷつぷつ語り合い、そして蜜蜂を飼うんだ」

 「どうして蜜蜂なんだよ」

 「ハチミツは身体にいいんだぜ。ローヤルゼリーも」

 「そりゃそうだが」

 「あるいは吉田兼好みたいに竹林に庵を結ぶ手もある。いかにも世を捨てた感じがするだろう。洛西には立派な竹林がいくらでもあるさ。小さな庵に立て籠もって毎朝タケノコを掘る。そして若竹煮を主食にして生きていく。いや待てよ、若竹煮だけでは栄養が不足するな。やっぱり蜜蜂も飼ったほうがいいかな。若竹煮とローヤルゼリーだけで人間は生きていけると思うかい?僕は栄養学には不案内だからね、医師としての君の意見が聞きたい」

 「栄養はともかくとして、そんな退屈な生活に君が耐えられるとは思わないね。君に隠居は向いてない」

 「失敬だな、ワトソン君。隠居する才能ぐらいあるさ」

 「何を言ってるんだ、ホームズ。まだ君の人生は始まったばかりなんだ。これからバリバリ活躍するんだ」

 「……なるほどね。で、それはいつからなんだ?」

 ホームズは吐き捨てるように言うと、本を放り投げ、布団にもぐりこんで背を向けてしまった。

 「僕の活躍はいつから始まるんだ?教えてくれ!」

 その悲痛な叫びには私も返す言葉がなかった。

 

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