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この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

森見登美彦日誌RSS

2014年11月14日

[] 『聖なる怠け者の冒険』、京都本大賞をいただく。

 

 聖なる怠け者の冒険


 登美彦氏は『聖なる怠け者の冒険』が京都本大賞になったと聞いた。

 しかしながら、登美彦氏が書いているのは偽京都である。

 「ひょっとすると京都本大賞を貰ったのでは?」

 「狸たちが授与しているのでは?」

 登美彦氏はそのように考えて本気にしなかった。

 よかろう、彼らがその気ならば期待にこたえて、森見登美彦を授賞式へ送りこむべきであろう。森見登美彦偽授賞式京都本大賞を貰うならば八方毛深く、丸くおさまる。登美彦氏はそうするつもりだったのだが、有頂天家族第二部の書き直しに忙しくて、適当な影武者を見つける暇がなかった。

 「ちぇっ、しょうがないなあ。狸どもめ!」

 そうして登美彦氏が化かされる覚悟で出かけていくと、ぽんぽこっぽい人たちが大勢いて狸気濛々としていたので、登美彦氏は「ほら見ろ。やはりな」と思った。しかし大賞はホンモノであった。狸っぽいのは、ぽんぽこ仮面のお面をつけた書店員の方々だったのである。

 登美彦氏はおおいに恐縮した。

 下記、「みんなのミシマガジン」で授賞式について触れられている。

 http://www.mishimaga.com/hon-kobore/048.html


 登美彦氏はユッタリした記者会見っぽいものをしたり、書店員の方々と喋ったりして、記念品をもらって帰った。

 なにしろ小説はふわふわしたもので、まるで青空を流れていく白い雲を作るようなステキに地に足つかない仕事であるから、この記念品のように手で触れて棚に飾れるカッチリしたものを貰えることを登美彦氏は喜ぶ。

 そういうわけで登美彦氏は記念品を仕事場に飾った。

 へんてこなものがたくさん写っているのに、肝心の受賞作が写っていないのは、写すのを忘れたからである。

   

 f:id:Tomio:20141114224218j:image:w360


 ところで本日、登美彦氏が妻といっしょに近所のクリーニング店へ出かけていくと、店員の人に「第二部が出るというから、『有頂天家族』の第一部を読んで復習してます!」と言われた。

 このような方に出逢うと登美彦氏は恐縮するしかない。「ありがたやー」

 ちなみに登美彦氏は、その後卓袱台をひっくり返すようなこともなく書き直しを進め、すでに『有頂天家族』第二部の執筆を終えた。登美彦氏は身体中にまとわりついた狸の毛を払い、天狗や狸がうごうごする偽京都にサヨナラして、次なる新天地を求めて早くも旅立ちつつあるが、担当の編集者氏はこれからいよいよ頑張らねばならない。おつかれさまである。

 以上、「ちゃんと仕事をしてます」という、さりげないアピールに他ならない。

2014年10月06日

[] 森見登美彦氏、新刊を待つ。

 

 よつばと! 12 (電撃コミックス)


 森見登美彦氏は『よつばと!』の新刊を待っているが出ないのである。

 しかし「新刊が出ない」ということについては、色々な人が色々な事情を持っていることを、登美彦氏はいやというほど知っている。

 もっと我々はやさしさを持たねばならぬ。


 「スケールの大きな古事記的時間に身をまかせるしかないな」

 登美彦氏は言ったが、妻は「いやです」と言った。

 「なぜなら『よつばと!』が読みたいのは厳然たる事実」

 「贅沢を言ってはならん」

 「どうして言ってはいけないの」

 「そもそも私に人様の新刊を『待っている』などと言う資格があろうか。『有頂天家族』の続編は、そもそも昨年の夏に出版され、アニメ化の勢いに乗じておおいに盛り上がるはずであった。それがどうだ。アニメ化のタイミングを逃してビジネスっ気のなさを満天下に宣伝したばかりか、アニメ放映が終了した秋になっても出ず、もはや完全に手遅れとなった冬になっても意地のように出ず、ふたたび季節がめぐり二度目の夏がやってきてもなお出ない。調子にのって『十周年記念作品』などという愚かな宣言をしてしまったばかりに、本が出ないかぎり十周年に終止符を打てず、十周年という恐るべき時空に閉じ込められたまま歳もとれない。迂闊なことをしたものだ。かくも情けない三十路のピーターパンが人様の仕事ぶりに口を出すとは言語道断!」

 登美彦氏はたいへん怒った。

 そうすると妻がもっと怒った。

 「よそはよそ!うちはうち!」


 しかし実際のところ、いつまでも十周年を延長しているわけにもいかないのである。

 「そろそろマジメにやらねばならぬ」

 そういうわけで登美彦氏は禁断の儀式を始めた。

 この儀式とは、生贄たる「ひこにゃん」のぬいぐるみを中山式快癒器に寝かせて神棚にそなえ、その前で「傑作おどり」を踊ることによってインスピレーションの訪れを促すものである。

 登美彦氏の一日の大半はその儀式に費やされた。


 その甲斐もあって、『有頂天家族』第二部の初稿は本日をもって完成した。

 これからは地道にコツコツと手直しの日々が続くが、まさかこの期に及んで卓袱台をひっくり返すという大技が許されるはずもなく、また登美彦氏にそんな元気はない。

 いずれ来年にでも、キチンと世に出ると信じたいものである。

2014年09月04日

[] 森見登美彦氏、アニメ有頂天家族」イベントへ出かける


 続篇のことはともかくとして、下記のようなイベントが開催されるのでお知らせする。

 続篇のことはTO・MO・KA・KUとして。。。 



有頂天家族」トーク&上映会


 2013年に放送され、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した森見登美彦原作のTVアニメ有頂天家族」から、物語のキーとなる弁天様に関係する回をセレクション上映。上映後には、アニメ弁天役を演じた声優能登麻美子さん、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー(P.A.WORKS代表)に加え、スペシャルゲストとして原作者の森見登美彦氏を加えたトークショーを実施します。


有頂天家族」トーク&上映会〜弁天セレクション〜

【日時】2014年9月21日(日) 13:00開場

【会場】京都コンピュータ学院・京都駅前校 大ホール(京都市南区西九条寺ノ前町10-5)

【スケジュール】

13:30〜16:30 本編セレクション上映【1話、3話、4話、5話、6話、12話、13話(最終話)】

16:30〜17:00 トークセッション

【出演】

能登麻美子弁天役)、吉原正行監督、堀川憲司プロデューサー

スペシャルゲスト:原作者・森見登美彦

【入場料】前売2,500円/当日2,800円

【チケット】チケットぴあセブンチケットで販売中

全席指定・途中入退場可能


 イベント公式HP

 http://www.kbs-kyoto.co.jp/contents/ticket/2014/ticket_037105.htm


2014年07月26日

[] 『ひとなつの。』(角川文庫


 ついに世界は夏休み的時空間に突入した。

 かつて登美彦氏が国会図書館というところで働いていた頃、夏休みは三日間であり、登美彦氏はそれを「三枚のお札」と称して大事に使ったものであった。それが今はどうであろう。夏休みであると言えばいつでも夏休みであり、書き終わるまで夏休みは来ないと言えば決して夏休みは来ないのである。自由なのか不自由なのか分からない。

 「有頂天」第二部はふたたび暗礁多発地帯に入った。

 こういうことになると登美彦氏は文章の書き方さえ分からなくなる。

 登美彦氏の夏休みはいつ来るのか、まったく予測がつかない。


 ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語 (角川文庫)


 いかにも夏にふさわしそうな文庫本が出たので紹介する。

 登美彦氏の短編「郵便少年」がこっそり入りこんでいる。


 ペンギン・ハイウェイ 角川文庫


 「郵便少年」は『ペンギン・ハイウェイ』の番外編である。

 暑い夏には『ペンギン・ハイウェイ』を読めばサワヤカに涼しくなることウケアイ。

 この二冊は夏休み的時空間内部で読むべき本である。

 だからどんどん文庫本をお買い上げいただけたらステキなのである。

 「孫たちの活躍に期待するしかない」

 登美彦氏は言っている。

 「ありがたいありがたい」

2014年07月04日

[] 登美彦氏、生きてる。


 どれだけの人が気にしている問題か分からないが、ともかく森見登美彦氏は生きているという厳然たる事実をここに報告するものである。

 そして、もはや話題にすることさえ憚られるが、登美彦氏はいま『有頂天家族』第二部のえんえんたる書き直しを経てクライマックスにさしかかり、いよいよ耳から毛を噴きそうな思いをしている。

 「え、まだ書いてるの?」と呆れる人もあろう。

 しかし気高い登美彦氏は言い訳をしないのである。

 言い訳のしようがないがゆえに。

 しかしこの広い世の中には、この登美彦氏の気高さを讃えてやろうではないかというステキな人がいないともかぎらない。登美彦氏はこの世のどこかで清らかに生きているであろうその人の存在にすべてを賭ける。トモダチ。握手。


 本来ならば『有頂天家族』第二部の刊行めどが立った時に、煮汁のように魂から染み出すヨロコビとともにこの日誌を更新しようと筆者は考えていたが、登美彦氏がちんたらぽんたらやっているものだから、まったく更新することができぬまま早五ヶ月。近所のTSUTAYAで断片的に聴き憶えた「アナと雪の女王」の歌に合わせて台所で妻の名を朗々と繰り返して遊んでいるうちに早五ヶ月。2014年も折り返し点に至った。

 さすがの登美彦氏も愕然とした。

 「許すべからざること山のごとし!」

 登美彦氏は奈良盆地の山々に叫ぶのだ。

 奈良の山々にも責任の一端はある、と登美彦氏は考えているらしい。

 「ないとは言わせませんぞ」

 登美彦氏は呟く。

 「この恐るべき、雄大な古事記時間め……」

 

 登美彦氏が抱える幾多の問題は脇に置く。

 筆者にはお知らせすべきことをお知らせする義務があるのだ。

 以下、お知らせすべきことである。


 

 かつて「とんぼの本」の一冊として出版された『京都ぐるぐる案内』が編集者氏の奮闘によってギュッと圧縮され、携帯にたいへん便利となった。

 しかしながら、森見登美彦氏は現在小説家としてキャリアがぐるぐるしているのであって、もはや京都をぐるぐる案内している場合ではないのではないか。そう指摘する人もあるだろう。筆者もまったく同感である。握手。

 

 

 登美彦氏の母親の愛読書であり、登美彦氏が『夜は短し歩けよ乙女』にチラリと登場させた愉快な本。

 登美彦氏は帯にコメントを寄せている。 

 

 

深泥丘奇談 (角川文庫)

深泥丘奇談 (角川文庫)

 登美彦氏が解説を書いた綾辻行人氏の本。

 にゅるにゅるした偽京都が現れる小説である。解説はいわば「にゅるにゅる案内」である。

 

 

四畳半神話大系 Blu-ray BOX

四畳半神話大系 Blu-ray BOX

 

 アニメ四畳半神話大系」がblu-rayボックスとなった。 

 登美彦氏は「まさかワタクシがblu-rayボックスをいただけないということはありますまい?」と編集者にイヤらしく念を押した。

 その甲斐もあってちゃんと貰えたので登美彦氏はおおいに満足したのである。


 

 アニメ四畳半神話大系」の湯浅政明監督の新作「ピンポン」。

 登美彦氏は毎週「すごいのう」と脳味噌を揺さぶられながら観ていたという。

 たんに「楽しく観ていた」というだけであって登美彦氏自身は何ら関係ないのだが、湯浅氏の素晴らしい作品なのでここに紹介する次第である。

 

 報告はとりあえず以上である。

 また会う日まで、サヨウナラ。