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この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

森見登美彦日誌RSS

2016年11月07日

[] 森見登美彦氏、右往左往する。


 

ダ・ヴィンチ 2016年12月号

ダ・ヴィンチ 2016年12月号


 雑誌「ダ・ヴィンチ」において、森見登美彦氏の十周年記念おわり記念特集がおこなわれている。登美彦氏のインタビュー、能登麻美子さんとの対談、さまざまな方からのお祝いコメント等、じつに盛りだくさんの内容である。十周年をさんざん延長した挙げ句にこのような立派な特集をしてもらえるとは思っておらず、登美彦氏は送られてきた雑誌をめくりながら「ありがた申し訳ない」感じに包まれている。「十周年を終わらせるのに十三年かかった」という自分の恥をわざわざ宣伝しているわけだが、もう開き直るしかないのであった。やむを得ぬ!

 ご協力いただいた皆様に御礼申し上げます。


 先週末、登美彦氏は福山、広島の書店を訪ねた。

 温かく迎えてくださった書店員の皆様に登美彦氏は深く感謝している。

 広島カープのパレードを翌日にひかえた広島はすがすがしい秋晴れで、広島風お好み焼きや路面電車の乗り心地を味わうことはできたものの、出版社の皆様が知恵を絞って練り上げたアクロバティックなスケジュールであったがゆえに、書店員の皆様の歓待に後ろ髪を引かれつつも、登美彦氏は疾風のように去るほかなかったのである。いつの日か登美彦氏は広島の街を再訪し、今度は穏やかな春風のようにさまよいたいと願っている。

 また翌日、登美彦氏は大阪の書店をうろうろしてサイン本を作り、グランフロントにある紀伊國屋書店にてサイン会もした。

 紀伊國屋書店の皆様、そしてサイン会にお越しいただいた読者の皆様に登美彦氏は深く感謝している。


 嵐のような時間が過ぎ去って、登美彦氏は奈良の静けさの底にて安らいでいる。

 しかしいつまで安らいでいられるのか。

 次なる締切次郎が登美彦氏を脅かしている。

2016年10月28日

[] 「十周年記念企画」と「王様のブランチ」について


 夜行


 そろそろ『夜行』が全国の書店へ行き渡りつつあるという。

 森見登美彦氏はどちらかといえば明朗愉快な作品のものが多い。考えてみれば『きつねのはなし』は十年前の作品なのである。しかし『きつねのはなし』の原形となった作品はさらに時間をさかのぼって、『太陽の塔』と同時に書かれたので、いわば『きつねのはなし』と『太陽の塔』は双子である。怖い話と愉快な話は登美彦氏の出発点から存在していた。

 

 太陽の塔 (新潮文庫) きつねのはなし (新潮文庫)

 

 とはいえ、怖い話を書く機会は少なかったから、そもそも登美彦氏がそういう作品も書く、ということを知らない人も多いかも知れぬ。そういう人が「ありゃ!?」と驚きつつも楽しんでくれることを登美彦氏は願っている。多少わけがわからなくても気にせずに、長い夜の果てに現れる風景を見届けていただければ幸いである。

 「どうせ作者も全部分かってるわけではないから安心したまえ」

 登美彦氏はそんなことを言っている。


 『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』も、どうかよろしくお願いします。

 

 ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集


 ところで『聖なる怠け者の冒険』『有頂天家族 二代目の帰朝』『夜行』の三作は十周年記念作品である。

 すでに告知されているように十周年記念イベントが計画されている。

 応募要項はこちらの特設ページを参照。

 http://www.shogakukan.co.jp/pr/morimi/

 イベントの詳細は登美彦氏と編集者諸氏が色々悪だくみをしている。

 そもそも登美彦氏が十周年を三年も延長したのが悪いのであり、その点については謝罪するほかないが、それはそれとして応募数が少ないとたいへん淋しいことになって、編集者の人たちとも気まずくなる。各単行本と帯をお持ちの方々は「人助け」と思って積極的に応募していただければ幸いである。イベントが無事に成功するそのときこそ、登美彦氏の呪われた十周年は終わるのである。


 また先日、登美彦氏は「王様のブランチ」の取材尾道へ出かけ、気持ち良い秋空のもと、坂の町をうろうろしながら『夜行』について語った。

 その内容はおそらく今週末の「王様のブランチ」で放送されるのではないかと思うものの、関西では「王様のブランチ」を見ることができない。テレビに出るというのは落ち着かないものだが、その点、自分の家のまわりで放送されないというのはたいへんありがたい。近所の人に「見たぞ!」と指さされることもないのである。

 「王様のブランチ」が映る地域に住んでいる方々は、急に登美彦氏が画面に出現してぶつぶつ言い出しても、「ふーん」と適当にやり過ごしていただければ幸いである。


 あと小学館の人のご尽力によってCMも作られた。

  D

2016年10月22日

[] 『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』(小学館

 

ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集

ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集


 坂崎千春さんの手による鹿男登美彦氏が目印の対談集である。

 こちらも『夜行』と同時に書店にならぶ予定である。


 対談相手は、

 劇団ひとりさん

 万城目学さん

 瀧波ユカリさん

 柴崎友香さん

 うすた京介さん

 綾辻行人さん

 神山健治さん

 上田誠さん

 羽海野チカさん

 大江麻理子さん

 萩尾望都さん

 飴村行さん

 本上まなみさん

 綿矢りささん

 そして2003年に『太陽の塔』を出版したばかりの登美彦氏。

 以上のような方々である。


 ずいぶん以前の対談もあるので、もはや「小さな歴史」を感じさせるものとなっている。

 このたび収録を許可してくださった対談相手の皆様に登美彦氏は深く感謝している。そして「申し訳ない」と思っている。なにしろ十周年企画が延長したということは、この対談集の出版も延期されたということで、かなり長い間にわたってこの対談集は「出るのか出ないのかハッキリしろ」という宙ぶらりん状態にあったからである。ようやく出版の運びになって、「これ以上、みなさんに迷惑をかけなくて済む」ということが登美彦氏は嬉しい。

 せっかくの同時刊行であるから、『夜行』とあわせてお買い上げいただければ幸いである。

 『夜行』の不気味さを中和するのに役立つかもしれない。


 

夜行

夜行

2016年10月21日

[] 『夜行』(小学館

 

夜行

夜行

 

 森見登美彦氏の十周年記念作品『夜行』が刊行される。

 10月25日頃から全国の書店にじわじわと姿をあらわす予定である。


 しばしば登美彦氏は自分の作品のことを「我が子」と表現してきたが、もし『有頂天家族』を「毛深い子」とするならば、この『夜行』は「夜の子」というべきであろう。『夜は短し歩けよ乙女』『宵山万華鏡』に続く三人目の娘のように感じられる。したがって『夜行』は「夜の娘」である。


 登美彦氏には「明朗愉快」な作品が多いが、『夜行』はそういう作品ではまったくない。したがって、アハハと笑いながら読める作品を求める方々は用心していただきたい。

 この作品に明朗愉快なところはどこにもない!

 不明朗不愉快!

 嘘ではない!これは本当!

 ことごとく腑に落ちない出来事が続き、登場人物たちは暗い道を辿り、ミステリーは何一つ解決されず、盛り上がる熱い展開も爽快な大団円もない。最後まで読めば何らかの光明が見えるかもしれないが、それが本物の光明であるという保証はどこにもないし、かえって夜の闇が深まるかもしれないのである。わざわざ本を買ってガッカリするようなことになっては申し訳ないのであり、ある種の覚悟をもって読んでいただく方が作者も読者も幸せになれるにちがいない。

 それゆえに登美彦氏は購入前の「試し読み」をオススメする。


 下記の特設サイトから。

 http://www.shogakukan.co.jp/pr/morimi/

2016年10月20日

[] 森見登美彦×前野ひろみち特別対談


 ランボー怒りの改新 (星海社FICTIONS)


 星海社の編集者H林氏の陰謀によって、森見登美彦氏は前野ひろみち氏と対談することになった。

 そのギクシャクした顛末が記載されているのがコチラである。

 小説の一部分も試し読みができる。

 http://sai-zen-sen.jp/sa/rambo/


 『ランボー怒りの改新』に収められた短編はいずれもへんてこな小説だが、ベトナム戦争飛鳥時代がガムシャラに融合した表題作のほか、登美彦氏としては「満月近鉄」が好きである。舞台も雰囲気もまったく違うが、『ペンギン・ハイウェイ』に通じるものがある。

 それにしても「近鉄」という言葉が小説のタイトルになることはあまりない。

 「近鉄に乗ればどこへでもいける。伊勢でも京都でも、満月でも」


 なお、登美彦氏の新連載「シャーロック・ホームズの凱旋」の発想は、前野ひろみち氏の短編「ランボー怒りの改新」に基づく。

 ここに登美彦氏は前野ひろみち氏に対して深く感謝の意を表する。

 

 小説 - BOC - 3