登美彦氏、幸せと淋しさを噛み締める。


 森見登美彦氏は明日も出勤しなくてはならないのであるが、しかし活動漫画版「四畳半神話大系」を見た。それにしても濃密な九話の素晴らしさはどういうことであるかと登美彦氏は呟く。ここに至って、このへんてこなる活動漫画は、壮大な締めくくりに向かって大きく舵を切る。残り二話である。
 登美彦氏が仕事仕事と言って慌ただしく右往左往しているうちに、いつの間にか、もう別れの季節が近づいてきたのである。
 なんと淋しいことであろう。
 「サヨナラだけが人生だ」と登美彦氏は或る偉い人の言葉を呟く。