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この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

森見登美彦日誌RSS

2016年09月08日

[] 『ヨーロッパ企画の本 我々、こういうものです。』(ミシマ社)

 

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 森見登美彦氏が「ヘンテコなシステムと遊ぶ人たち」という文章を書いている。ヨーロッパ企画の面白いと思うところについて。また、上田誠氏と登美彦氏の似ているところ、似てないところについて。



 先日、小説家万城目学氏が新刊『バベル九朔』のプロモーション京都へ来るというので、万城目氏と上田誠氏と角川書店の編集者と四人でお酒を飲んだのである。高倉通から細い路地を入ったところにある古風な「おばんざい」のお店であった。

 上田氏と仕事以外で会うときは二人だけで話をすることが多く、万城目氏をまじえて会ったのは初めてのことだった。

 そもそも私には京都在住の知り合いが少ない。少し前までは綿矢りささんがいて、私は上田誠氏と綿矢さんを引き合わせて「京都沈殿党」を結成し、東京在住の万城目氏を仲間はずれにしてやろうと手ぐすね引いていたのだが、そんな目論見も綿矢さんが結婚して関東へ引っ越すという祝福すべき事件によって水泡に帰し、むしろ精神的痛手を受けたのは私であった。

 しかし、そんな話はどうでもよろしい。

 面白いのは万城目氏がまじると、想像もしていなかった話題が膨らむことである。私と上田氏が二人で顔をつきあわせて「恋愛談義」になるようなことはまずない。万城目氏による呵責ない追及あらばこそ、私は上田氏の恋愛方面の思想について新知識を得ることができたのである。

 「万城目さんが加わると下世話な話になりますなあ」

 「それはどういう意味や、トミー」

 「上田さんと二人で会っているときなんか、抽象的な議論ばっかりしてますよ。竹林の清談ですよ。上田さんと会うときには、二人ともなんだかはにかんでますからね」

 「今さら何をはにかむ?」

 万城目氏は呆れたように言った。

 「ふたりとも、ええオッサンやないか」



 なぜか万城目学氏が登場しているが、万城目氏は本題にまったく関係がないのである。

 さらにまったく関係のない話であるが、登美彦氏が『聖なる怠け者の冒険』文庫版のかわいい勇姿を探して書店へ出かけてみると、なんと万城目氏の新刊『とっぴんぱらりの風太郎』がドドンと書店の店先にならんでおり、上・下巻であるという純然たる物理的理由によって『聖なる怠け者の冒険』よりも目立っているのであった。おそらく忍者が「ニンニン!」言ったりする小説であることは明らかだというのに――。

 「どうして同時に出るのか。なげかわしいことなり!」

 と登美彦氏としては言わざるを得ない。

 しかし、そんな話はどうでもよろしい。

 登美彦氏はヨーロッパ企画上田誠氏をこそ応援するものである。


 ヨーロッパ企画第三十五回公演

 「来てけつかるべき新世界

 http://www.europe-kikaku.com/projects/e35/