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映画評論家町山智浩アメリカ日記

町山智浩の映画解説リストです。
現在約800本の映画が50音順に整理され、解説へのリンクが貼られています。
お探しの映画解説はたいていここで見つかると思います。


週刊文春の連載「言霊USA」はオンラインで読めます。


町山智浩のWOWOW映画塾、YouTubeで観られます!

町山智浩の映画塾2(101〜200)

町山智浩の映画塾3(201〜)


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「キラ☆キラ」はYouTubeに残ってます

ロフトプラスワンでタランティーノと公開飲み会(無修正)

2004-02-19

TomoMachi2004-02-19

宮崎駿は「『指輪物語』は白人の有色人種恐怖の物語だ」というような発言をしている(正確な発言は忘れた)。


『指輪』で悪に連合する東方人と南方人は、露骨にアジア人とアフリカ人であり、トールキンの非白人への嫌悪感を意味していると言われている。実際、『指輪』が書かれた頃からトールキンの死後にかけて、アジア、アフリカ、中東でイギリスに植民地支配されていた現地人が次々に白人に対して反乱を起こしていった。白人という神々の黄昏だ。


マンガ版の『ナウシカ』では、アニメになっていない後半で大きく出てくる土鬼が明らかにアジアや中東系のイメージだ。

土鬼(ドルク)は最初は怪物のように描かれていて、まさに『指輪』のオークのようだが、後から、一人ひとりは普通の血の通った人間であることが描かれる。それは宮崎の『指輪』に対するアンチテーゼ、つまり悪の蛮人としてしか描かれていない有色人種の立場も考えろ! ということじゃないか。


古代から神話や英雄物語は民族主義的なもので、鬼とか悪魔の類は異民族や異民族の宗教のメタファーである。だから「熊襲」のような怪物扱いした字をあてる。ヒットラーは「ニーベルングの指輪」他の北欧神話をゲルマン民族神格化に使った。

ちなみに今、ドイツでは『指輪』のヒットに刺激されて『ニーベルングの指輪』を『神々の黄昏』というタイトルの超大作として撮影中。おじいさんが北欧からの移民だったクリスタナ・ローケンが出てる。『指輪』のテーマも「神々の黄昏」であって、根は「ニーベルングの指輪」なのは皆さんご存知の通り。