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映画評論家町山智浩アメリカ日記


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2004-08-06 シャマランの「ザ・ヴィレッジ」は「××の××」のモロパクだ!

TomoMachi2004-08-06

そろそろ『華氏911』の試写が日本でも始まったから、

どうせまた「これはドキュメンタリーとして公平じゃない」「鵜呑みにするな」とかいつものゴタクを並べるバカどもが出てくるんだろうからあらかじめ言っておく。


公平? バカか。

マイケル・ムーアは反政府ゲリラだよ。

爆弾や銃の代わりにカメラを使ってるだけだと前から言ってるじゃん。

反政府ゲリラのパンフレットを見て「政府の言いぶんも書いてないからよくない」とか言ってどうするの?

ムーアに反対意見があるなら、あんたがそれを言えばいいだけであって、

ムーアの映画に反対意見も盛り込んでバランスを取ることを要求するな。

野球の試合やってるチームに「敵にも反撃の余裕を与えろ」と言ってるようなもんだ。


何度も書いてきたように、アメリカのメディアはイラク戦争以来、毎日24時間ブッシュ万歳報道をタレ流してきた。そして、『華氏911』に登場するイラクの民間人の被害、米兵の負傷者、息子の戦死に号泣する母親といった「戦争の悪い面」の映像は一切、国民の目から隠されてきたのだ。

くわしくは以下の日記を参照。

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040725

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040308

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040703


こんな、公平さのかけらもない、一方的な情報ファシズム体制の支配に対するたった一人の男の叛乱が『華氏911』なのだ。

だからさ、レジスタンスなんだよ。

ナチに抵抗するレジスタンスのパンフレットを「ヒットラーのいい面(そんなものあるとして)も公平に描くべきだ」と批判するのか? 

バカも休み休み言え。




M・ナイト・シャマラン監督の新作『ザ・ヴィレッジ』The Villageを観た。


19世紀アメリカ東部の村(ヴィレッジ)。

その村を囲む森には怪物が住み、時たま家畜を襲っていた。

そのため、人々は村から決して外に出ずに自給自足で暮らしていた。

しかし、ある事件で、一人の若者が結界の外に出る決心をする。


シャマランの『シックス・センス』は『恐怖の足跡』Carnival of Souls(61年)にヒントを得ていると思われる(『ゾンゲリア』にもおそらく影響されている)。

アンブレイカブル』は『墜落大空港』Survivorと発端部が酷似している。

『サイン』はヒッチコックの『鳥』の状況設定と演出をそのまま使っていた。

で、今回の『ヴィレッジ』はどうかといえば。


××××・××××監督のテレビ邦題『×××××』(58年)を19世紀アメリカに置き換えただけ、まったく置き換えた「だけ」の映画だった(しかもオチはスケールダウンしている)。

オイラは実は、この『ヴィレッジ』のプロットが発表された時点で

「これって『×××××』じゃないの?」と思って、あちこちに書いていたのだが、

まさか、本当にそのまんまとは驚いたね。


これって著作権的にどうよ? ここまで同じだと盗作の範疇に入ると思う。

偶然というにはあまりに似すぎてるし、それに過去4作品がどれも既成の映画と類似していたことを考えると、偶然とは思えない。

(ちなみにアメリカでは、特許や著作権においては類似しているアイデアが先にある場合、たとえ偶然であっても何らかの対価を支払う場合が多い)

でも、裁判にはならないだろうなあ。

まず、その映画『×××××』はあまりにも有名な××××××××の大ヒット作『××××』にもアイデアが流用され、それは当時から指摘されたが裁判になっていない。

その理由は『×××××』を作った××××・××××がパクリと二番煎じで×本くらい映画を作っている男なので、他人のことを言えないからだ、と言われている。


それはさておき、『ヴィレッジ』のアメリカでの評判は悪い。

全米の印刷メディアに出た批評をチャートで示すサイトRottentomatoによると、

http://www.rottentomatoes.com/m/village/

全批評のうち、57パーセントがこの映画を嫌っている。


そのなかからアメリカで最も権威のある映画批評家ロジャー・エバートがシカゴ・サン・タイムズ紙に書いた『ヴィレッジ』評を引用しよう。エバートはピュリッツァー賞を受賞した唯一の映画批評家で、なおかつラス・メイヤー映画の脚本家でもあり、ゲテモノ映画には理解がある(平成『ガメラ』をいち早く絶賛した人でもある)。

最後についに秘密が暴かれる。このオチを「アンチクライマックス」と呼ぶ人がいるかもしれないが、それは「クライマックス」という言葉への侮辱であるだけでなく、「アンチ」という接頭語にすら失礼だ。この映画の秘密はあまりに安っぽくて「夢オチ」とハシゴ一段ほどしか違わない。あまりにひねりがないので、実際、観客はこのオチを見ると見なかったことにして、映画を巻き戻したくなるだろう。

ついでにもっともっと巻き戻して、巻き戻そう。映画が始まる前、席から逆回転で立ち上がり、後ろ向きで歩いて映画館を出て、エレベーターでキップ売り場に戻って、レジスターからお札が飛び出して財布に戻るまで。


えらい言われようだなあ(笑)。

ちなみにアン・リーの『ハルク』は明らかにトビー・フーパーの『スポンティニアス・コンバッション』から基本プロットを盗用していたのだが、日本の批評家でそれに気づいたのは他には樋口泰人さんだけだった。

まあ、フーパーとか『×××××』観てても威張れないけど、批評家があまりに映画観てないから、こういうカンニングが横行するんだよ。


でも、わかっちゃった人も、それをコメントに書き込まないでください。他の人に悪いので