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映画評論家町山智浩アメリカ日記


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ロフトプラスワンでタランティーノと公開飲み会(無修正)

2007-09-07 所ジョージはひどすぎる

http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/geinou/200709/graph/06_4/

劇場版『ザ・シンプソンズ』のタレント声優たちの記者会見。

タレントを使えば芸能ニュースで取り扱われて知名度が上がるという計算どおりなわけだが、所ジョージのコメントが冗談にしてもひどすぎる。

所さんはホーマーさながらに「アフレコは思ったより大変だった。でも作品を見ているとつい笑っちゃうので、スタッフは(僕が)喜んで(吹き替えを)やっていると思ったかも。大変だったからもっとギャラください」とあくまでマイペースで、スタッフにわがままを言っていた。

冗談としてもまったく笑えないが、とにかく、ホーマーの本当の声優である大平透さんと、声優という職業に対してあまりに失礼だ。

「もっとギャラください」って、所ジョージが今回一回だけの吹き替えでもらうギャラよりもケタ違いに少ないギャラで、声優さんたちは、十年以上、真剣に演じてきたのだ。

 せめてこれくらいは言うべきだろう。

「ファンのみなさんが親しんでいる大平透さんの代わりに私がホーマーに抜擢されたことに責任を感じております。大平さんには及びませんが、一生懸命やらせていただきます」

 それが、芸能界の大先輩とファンに対する礼儀じゃないの? 

 でも、それだと所ジョージのキャラじゃないか。

 とにかく、「喜んでやってない」「大変だ」「ギャラが安い」と言うほど嫌々やってる人に無理にやらせたほうも悪い。


 そもそも所ジョージというタレントは「大変な」ことはしない、ラクなことをテキトーにやるのが芸風なので、それ自体は悪くないが、吹き替えにはあまり向いていない。

 実際、所ジョージがやった「アルフ」の吹き替えはまったくやる気がなくて、完全に棒読みだった。

「WOW(ワオ)」という英語独特の感嘆詞も「わお」と抑揚無く台本を読むだけ。

 まったくやる気が無くて投げやりで、基本的に台本の棒読み。

 アドリブなどの工夫は一切無し。

 だから他の声優との丁々発止のやりとりには絶対にならなかった。


 アルフはやる気の無いシニカルなキャラだったからまあいいとしても、少なくともホーマーはそういうキャラではない。

トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーもミスキャストだった。

 バズは自分が正義のヒーローだと思い込んでるマッチョな熱血漢であって、オリジナルのティム・アレンは腹の底から響くような藤岡弘的発声でオーバーアクトしている。その声を一度でも聴いたら所ジョージの声がいかに作品内容を理解していないかわかるはずだ。

 

原語のホーマーと、大平透の吹き替えの音声を聞き比べたことのある人ならわかるはずだが、ほとんど同じ人間が日本語でしゃべっているように聞こえるほどそっくりだ。

 所ジョージには、英語版の声優の声質や口調を日本語で再現しようという気はまるでないだろう。そういう訓練も受けてないし。キャラクターを内面化する時間も余裕もないだろう。

 だから「所ジョージのホーマー」をやるはずだ。

 「ザ・シンプソンズ」のホーマーじゃなくて。


 日本の声優文化は、オリジナルのキャラや演技の口調ばかりか内面までもを表現し、さらにそれを日本的に違和感なく聞かせるという努力の上に培われてきた伝統芸であり職人芸なのだ。

 それを、声優どころか、まともに演技の勉強もしたことがないタレントたちに知名度目当てでやらせてはいけない。