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映画評論家町山智浩アメリカ日記


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映画秘宝連載中の「男の子映画道場」が単行本になりました。
「狼たちは天使の匂い 我が偏愛のアクション映画」です。


町山智浩の映画解説リストです。
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週刊文春の連載「言霊USA」はオンラインで読めます。

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集英社WEB連載「町山智浩の深読みシネガイド」



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ロフトプラスワンでタランティーノと公開飲み会(無修正)

2011-07-12 ジェニファー・アニストンが淫乱サディスト歯科医「ホリブル・ボス」

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TBSラジオ「キラ★キラ」、毎週金曜日午後3時から出演してます。

今週は『Horrible Bosses ホリブル・ボス ひどい上司たち』という映画を紹介します。

ジェニファー・アニストンケヴィン・スペイシーコリン・ファレルが最悪の上司たちを演じ、

彼らの三人の部下たちが、上司を殺そうとするブラック・コメディです。

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この映画の監督セス・ゴードンは、『キング・オブ・コング』というドンキーコング世界一をめぐるドキュメンタリーを撮った人で、

『ホリブル・ボス』のひどい上司のひとり、コリン・ファレルのキャラクターは、ビリー・ミッチェルというドンキーコングのチャンピオンをモデルにしています。

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だから、予習として2007年にオイラが「TVブロス」に書いた『キング・オブ・コング』の紹介文を再録します(単行本『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』収録)

「♪そるじゃー、そるじゃー、アソコの毛も剃るじゃー」と歌うみうらじゅんさんと一緒に初代ファミコンで「スターソルジャー」をしていた86年、一秒間16連射高橋名人毛利名人と「スター・ソルジャー」対決する『ゲームキング』という映画があった。それを思い出したのは『キング・オブ・コング/一握りのコイン』を観たからだ。

 キング・コングじゃないよ。「ドンキーコング」の世界チャンピオンをめぐる戦いを記録したドキュメンタリー映画だ。「ドンキーコング」は1981年の任天堂製アーケード・ゲームで、ゴリラが投げてくる樽をマリオ(これがデビュー作だ)がジャンプして避けながらお姫様を救う。そんな昔のゲームに今もしがみついている男たちがいるのだ。

 チャンピオンはビリー・ミッチェル(42歳)。82年から25年も王座に君臨し続け、任天堂からも表彰されている。 ビリーはロン毛にヒゲ、いつもスーツにネクタイでオシャレにキメて、ちっともオタクっぽくない。自作のBBQソースを売って大儲けして、フロリダでレストランも経営するビジネスマンでもある(カミさんはエロい巨乳)。ビリーがハイスコアに打ち込む名前は「USA」。「オレがアメリカで一番だからさ!」

 挑戦者スティーヴ・ウィーブ(35歳)は、子供の頃から天才で、スポーツも絵も楽器も万能。学校の成績も優秀。しかし、人が良すぎて人生という戦いに勝つガッツがなく、何一つ大成しなかった。今は田舎の中学の理科の教師として細々と暮らしている。

「オレの人生、どっかおかしい!」と悩んだスティーヴはドンキーコングの筐体を買って自宅のガレージに置いて毎日やりこんで前人未到の100万点を突破。証拠のビデオには「ぱぱ〜、うんちもれる〜」と叫ぶ三歳の息子に「待ってろ! もう少しで100万点行きそうなんだ!」という切迫した会話も記録されている。

 アメリカにはゲームの最高得点を正式に記録し続ける組織があって、スティーヴとビリーを対決させようとする。しかしビリーは直接対決を避けて逃げ回りながら、子分たちにスティーヴをスパイさせる。しかし子分たちはスティーヴの真摯な戦いぶりに感動し、ビリーに反抗し始める……。

『キング・オブ・コング』は、単に押しが強く駆け引きやハッタリが上手いために社会的に成功した男と、才能はあるのに生きるのに不器用な男とを対比して、人生について考えさせられる。スティーヴの娘の一言が何もかもチャラにしちゃうけどね。「記録争いなんて意味ないわ。人生のムダよ!」