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映画評論家町山智浩アメリカ日記

町山智浩の映画解説リストです。
現在約800本の映画が50音順に整理され、解説へのリンクが貼られています。
お探しの映画解説はたいていここで見つかると思います。


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ロフトプラスワンでタランティーノと公開飲み会(無修正)

2014-10-24 映画ムダ話でフェリーニの『8½ 』

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 音声ファイル「町山智浩の映画ムダ話」、更新しました。

 今回はフェデリコ・フェリーニ監督の『8½』についてです。

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https://tomomachi.stores.jp/#!/items/544b40ddef3377ed4f001fb8

 うっかりして、いちばん大事なことを言い忘れたので、以下に書き留めておきます。週明けに音声に追加します。

この映画に登場する作家(批評家)は主人公の映画監督グイード(つまりフェリーニ)に「あんたの映画は混乱している。主張がはっきりしない。宗教や政治的な立場もどっちつかずでフラフラしている」と批判します。

 これに対して主人公(つまりフェリーニ)は「私は映画を通して主張したいことはない」と言ってしまいます。

 そして「でも、表現したいんだ」と言います。

 何を?

 主人公は「たしかにこの映画は混乱している。でも、この混乱は、私自身だ」と言います。つまり表現したいのは自分自身だと。

 フェリーニはこの映画で優柔不断で女にだらしなくてフラフラして幼稚でダメな自分をさらけ出します。でも、それが自分だ。それも人間だ、と。

「人間はこうあるべきだ」と言ってのけるのは、宗教家や思想家、道徳家です。

 でも、芸術は道徳の授業じゃない。ダメな部分もひっくるめて「どうしようもなくメチャクチャで馬鹿でダメだけど、これが人間だ」と泣いて怒って笑って全部まひっくるめて愛おしく抱きしめます。つまり何でもアリのカオス。つまり祭り。だから最後にフェリーニは「人生は祭りだ」と、開き直ってみせるのです。道化師の音楽に合わせて。

 この映画のテーマとはまさに、そういうことです。

 映画監督グイード(マルチェロ・マストロヤンニ)はSF超大作の製作準備中だったが、考えはいっこうにまとまらず、現実と妄想と回想が入り乱れて混乱するばかり……。

オール・ザット・ジャズ』『アダプテーション』『監督ばんざい』『未来世紀ブラジル』『CQ』『ビッグ・フィッシュ』『セブン・サイコパス』……みんな、この映画から生まれた!

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