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映画評論家町山智浩アメリカ日記


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ロフトプラスワンでタランティーノと公開飲み会(無修正)

2005-03-30 ああっ、エースさま

TomoMachi2005-03-30

ハワード・スターンのラジオに昨日、KISSのギタリスト、エース・フレーリーが出演していた。

「REMEDY」という映画に出たのでその宣伝ということだったが、朝早いからか、始終眠そうで「ああ」とか「うう」とかしか言わないの。これで宣伝になるのか?

声もひからびて80歳の老人みたい。

ハワードが、「今年もKISSはエアロスミスと一緒にツアーやるらしいけど、あなたは「エアロなんかとやれるか」って言ってジーン・シモンズから追い出されたんですって?」と聞くと「ああ、そうだけど」とボソッとつぶやくだけ。

「ジーンの暴君的なリーダーシップに頭にこないの?」と言っても

「ジーンはいい奴だよ。友達だ」と力ない返事。

ハワードのスタッフがKISSファンで、「KISSの名曲はみんなエースがいたときの曲ばかりだ。それってKISSのサウンドはあなたが作ったってことでしょ!」と煽っても

「いや、みんなで作った曲だよ」と煽られない。


こりゃあ、ひどいな、と思って今日、ハワード・スターンのサイトにUPされたエースの写真を見て納得。

写真右がエース。左はメイクしたKISSファンの馬鹿。

ヨレヨレのおじいさんだ。

メタルで未来的な宇宙人のイメージのカケラもなし。

まあ、アンプラグドの時も酒で相当よれよれだったけどね。

ちなみに映画での役はヘロインの売人。


KISSの初来日武道館公演はオイラが生まれて初めて行ったロックコンサートだった。

あの頃は消防法の規制が甘かったから、ステージでやたらと炎を吹き上げて面白かった。

特に「ファイヤーハウス」では火柱が5本くらい天上近くまで吹き上がるんだから。

これはNHKのヤングミュージックショーでも放送したね。

エースはギターを壊す時だけ、安そうなギターに取り替えるのがセコかったなあ。


ジーン・シモンズにはジャッキー・チェンの「タキシード」のプレミアで会って少し話した。ものすごく背が高くて高級なスーツでビシッとキメて若い金髪美女も連れてまさに「WINNER」の風格だったなあ。

元はNYで移民の子供相手に英語を教えてた優しい先生だったのにね。

2005-02-23 ミニ・ミーの妻

TomoMachi2005-02-23

実は金曜日の放送だったけど、

ハワード・スターンのラジオに「オースティン・パワーズ」のドクター・イーブルのクローン「ミニ・ミー」ことヴァーン・トロイヤーの妻、ジュヌヴィエーヴ・ガーレンが出演した。

f:id:TomoMachi:20050223023851:image


ジュヌヴィエーヴとトロイヤーは2004年1月に結婚して3月に別居した(まだ正式に離婚していない)。


離婚のディテールは明かさなかったが、彼女は経済的に苦しくて、アパートを追い出されそうだと訴えた。

そしてハワードはミニ・ミーに代わる彼女のパトロンを募集して、スタジオで彼女を脱がしてオッパイを揉んでその感触を実況した。


ちなみにこの放送は朝の9時です。

キリスト教右翼も怒るわけだよなー。

2005-02-17 スターはKKK&知恵遅れ&小頭症

TomoMachi2005-02-17

ブッシュ政権下で新しく成立した放送規制法によって「史上最低のラジオDJ」ハワード・スターンはFMを追われ、サテライト・ラジオに移ることになった。


スターンの放送が生んだ3大スターをここで紹介しよう。

3人とも、スターンの番組(生放送)に電話をかけてきて、そこから常連になった連中だ。


★ダニエル・ザ・KKK


 ユダヤ系のスターンに「ユダヤは死ね」と嫌がらせの電話をかけてきた自称KKK。

 キリスト教右翼とかネオナチとかからの嫌がらせ電話は日常茶飯事でその度にハワードは

電話の相手を徹底的に罵倒し、恥をかかされた相手は二度とかけてこなくなるのだが、

ダニエルだけはしつこく電話し続けた。ハワードもその度に「KKKは貧乏人」「童貞が多い」「バカ」と貶し続けたのだが、911テロの後、ダニエルはNYに住むハワードを心配して電話してきた。「同じアメリカ人だからな」

 それ以来、不思議な友情が芽生えて今やすっかり常連だ。


★ゲイリー・ザ・リタード(知恵遅れのゲイリー)

f:id:TomoMachi:20050217162049:image

 ハワードのラジオに電話してくるのは右翼だけじゃない。電波系のキチガイはもちろん、知恵遅れの人もいる。普通のラジオはそういう人を出さないが、ハワードは違う。「UFOにさらわれて、頭の中に何か埋められたの」という妄想の相手をちゃんとしたりする。ゲイリーは知能が遅れたオジサンだが、ハワードは彼にクイズを出したり(ラジオはどうして聞こえるの? とかそういう質問)、政治論議をさせたり、コメンテイターとして活用している。


★ビートルジュースhttp://www.jollydwarf.com/

f:id:TomoMachi:20050217162201:image

 金髪のおねえちゃんの胸に抱かれている干し首みたいのがビートルジュースさんの頭。

 そう、この人はいわゆる「小頭症」である(名前の由来は映画『ビートルジュース』で最後にビートルジュースの頭がしぼんで小さくなることから)。http://www.jollydwarf.com/Video/T115.mov

 しかし、ハワードスターンのラジオでキャッチボールのボールの代わりにされたりして人気が出て、ポルノ映画に出演したり、タレントとして暮らしている。

 フィギュアにまでなった。

「知恵遅れのゲイリー」もハワードのおかげでモテモテだ。


 ああ、こんな番組、日本じゃ間違っても放送できないんだろうなあ。

2004-11-04 これは70年代反戦運動挫折の再来だ

TomoMachi2004-11-04

サンフランシスコ・クロニクル紙に全米の各郡ごとの共和・民主分布図が出た。

それはまだネットには上がっていないので、とりあえず参考までに4年前のものが右の図。

細かい部分で違っているので、以下の説明は今年の分布図について。


民主党が圧勝したカリフォルニアですら、青(民主党)はサンフランシスコやロサンジェルスなどの都市部だけで、内陸地はほとんど真っ赤(共和党)である。

ところが共和党が圧勝した州でも、南部ですら都市部では民主党が勝っていたりする。

たとえばブッシュの地元テキサスのオースチン、ネヴァダはラスヴェガス、オハイオならクリーブランドやコロンバス、フロリダではマイアミ、カンザスではカンザス・シティなど大都市は青い(今年の分布図)。

他には人種的な分布もあって、テキサスのメキシコ国境周辺のメキシコ系の多い地域、ミシシッピ川周辺の黒人の多い地域、サウス・ダコタやアリゾナのインディアン・ネイションがある地域でも民主党が勝っている。

しかし、概していえるのは、やはり都市と田舎の対立だ。

アメリカとは大海のような田舎に、ポツンポツンと孤島のように都市があるだけなのだ。

しかし、外国人が旅行で訪れるアメリカは、外国人に見えるアメリカはその孤島の部分だけなのだ。

そして赤い地域に住む人々の大部分にとって、外国は一生に一度行くか行かないかの異世界にすぎない。田舎では労働者のメキシコ人や中華料理屋の中国人以外に外国を感じることはない。

もちろんテロの心配もない。イラクがどこにあるかなんて知らないし、調査ではアメリカ人のほとんどがアフガンは中東にあると思っていた。

そんな人々に「イラクでは十万人殺された」と言ってもピンとくるわけがない。

しかし、大統領の選択に最も大きな力を握っているのは、そういう人々なのだ。


「宗教的価値感こそが大統領にとって最も重要だ」と調査会社ゾグビー社の調査に答えた人の91パーセントがブッシュに投票した。

「我々がアンケートを取る時に選択肢として用意した5つの項目に宗教倫理は最初は入ってなかった」

ゾグビー社の社長ジョン・ゾグビーは、宗教がそんなに重要だとは気づかなかったと驚いている。

ゾグビー自身は今回の選挙でケリー勝利と予測していたのだ。


アメリカ一下品なラジオDJハワード・スターンは、共和党議員が成立させた「放送倫理法」のために、ついにFMラジオを追われる。

まだ検閲の及ばない衛星ラジオに移籍することになったスターンはブッシュ勝利を知った朝の放送で「これでラジオから自由が消える」と宣言した。

「政府の批判をするDJはいなくなる。反体制的な曲も流れなくなる。アメリカのメディアはキリスト教原理主義者の倫理とやらが支配する」

議会でハワード批判の演説をして放送倫理法を成立させた二人の共和党議員は再選された。


今回の選挙はアメリカ文化そのものに大きな痛手を残すだろう。

映画俳優、ミュージシャン、作家、ジャーナリスト、学者たち、それに大学生の多数派はブッシュと戦ったが、

結局、キリスト教右翼と金持ちと田舎の人々に負けた。

この挫折は、今後のアメリカ文化や学生たちに、社会に対する大きな無力感、アパシーを残すだろう。

特に、今まで社会に関心がなかったが、今回始めて市民としての意識に目覚めて選挙に行った若者たちの心の傷は大きいだろう。彼らが再び社会を見るようになるには相当の時間がかかるだろう。

そして民主党への信頼感はとことん失われた。

実はわずか3パーセントで僅差なのだが、その数字は忘れられ、負けたという意識だけが残るだろう。



1960年代後半、ベトナム戦争に反対する学生と文化人や芸術家は激しい闘争を繰り広げた。

大都市にある大学はすべて反戦一色、音楽も出版も反戦主張が圧倒的になった。

日本など海外に伝わるのは、そうした都市とメディアの動きだけだったので、反戦が優勢のように見えた。

しかし、実際の選挙になると、戦争を支持するアメリカ人のほうが多数派だった。ニクソン言うところのサイレント・マジョリティだ。

『イージーライダー』のラストで主人公のヒッピーが田舎の農民に撃ち殺される場面はそれを象徴していると言われた。

「社会は変えられない」という挫折感に打ちひしがれた若者や芸術家たちは、社会の矛盾に目をつぶり、政治から離れた。

それは今回の選挙まで30年も続いた。

今回の傷が癒えるまで、またそれくらいの時を要するのだろうか。


ヒッピーだった学生たちは金儲けに奔走し、ヤッピーになった。

彼らは80年代、レーガン政権の金持ち減税で大いに潤った。

レーガン政権下で多くの工場は閉鎖され、小規模農場は潰れた。貧しい者は失業に苦しんだが、資本は富める者に集中した。貧富の格差は拡大した。

アメリカは巨大な財政赤字を抱え、福祉は削減され、貧困層は犯罪に走り、殺人事件の発生件数は史上最悪になった。

それがまた繰り返されるのだ。


ベイエリアのローカルTV局KRON4では、セントラル・バレーと呼ばれるカリフォルニアの山間の地域にあるダーンヴィルという郊外住宅地を取材していた。

そこは大きなプールつきのお屋敷が並ぶ、金持ちの町である。

彼らはみんな「ブッシュ&チェイニー」の旗を振って大喜び。

「8年もブッシュ政権が続くおかげで、100万ドル(一億円)以上、税金が得するよ。子供にもお金を残してやれる」という。

ちなみにブッシュ政権では金持ちの相続税は大幅に免除されている。


ブッシュ政権下で貧富の差は広がり、5人に一人の子供が極貧家庭に生まれる。

減税と戦争が生み出した赤字のため、アメリカの公立学校は予算不足ですでに崩壊している。

5千億ドルに膨れ上がった財政赤字は、次の4年間で増えはしても、減らす策は一切ブッシュは提出していない。

国民健康保険制度が共和党の反対でいつまでも導入されないので、任意で高額な民間保険しかなく、貧しい子供は病院に行けない。


オークランドの町に出ると、いくつかの工場や家が半旗を掲げていた。

2004-10-26 オンラインゲームでバカでもわかるブッシュ政権の犯罪

TomoMachi2004-10-26

「ブッシュ・ゲーム」を知ってるだろうか?

http://www.emogame.com/bushgame.html

5月からやっている反ブッシュ・オンライン・ゲームだ。


ダースベイダーの指令で地球を破滅させようとするブッシュ政権(ブッシュ自身は何もわかってなくて閣僚の言いなり)。

閣僚にはなぜか「百獣王ゴライオン」(アメリカではボルトロン)も参加し、自由の女神を土下座させる。

この惨状に怒ったハルク・ホーガンは、肥満したヒーマン(マテルのオモチャ『マスター・オブ・ジ・ユニバース』のヒーロー)と、入院中のミスターTを率いて、ブッシュ打倒の戦いを始める。


プレイヤーはホーガン、ヒーマン、ミスターTを操るのだが、これでわかるようにテイストは80年代、ゲームのビジュアルも当時のマックのゲームみたいになっている。


プレイヤーは十字キーで移動、スペースキーで射撃して、金持ちのブタども(雑魚キャラ)を倒しながら、ホワイトハウスやエンロンなどブッシュ政権の牙城に入って、ゴライオンを倒す5つの鍵を手に入れる。

その過程で敵に捕らわれたクリストファー・リーブ(ブッシュ政権の幹細胞研究禁止の被害者)、ロジー・オドネル(レズビアンのコメディアン、ブッシュのゲイ結婚禁止の被害者)、ハワード・スターン(下品DJ。ブッシュの放送倫理締めつけの被害者)などを助け出して仲間にしていく。

自分のキャラが死んだら画面上のキャラクター・リストから次々に交代できる。


各面のボスキャラは、国土安全保障省のトム・リッジ、大統領顧問のカール・ローヴ、国防長官ラムズフェルド、副大統領ディック・チェイニー、それに莫大な減税を受けているパリス・ヒルトン、FCC(連邦通信委員会)のパウエル会長、ブッシュに献金していたエンロンの経営者など。

なかでも巨大なブッシュ父とブッシュ母は強敵で、この老夫婦はケダモノのようにセックスしながら襲ってきて、父ブッシュは日本でも吐いていたゲロ爆弾で、母ブッシュは股間から次々とバカ息子たちを産み落として攻撃してくる。


このゲーム、ただバカなだけではなくて、ブッシュがこのままだとアメリカを滅ぼすかもしれないという事実を数字をもとにしてきちんと解説する。

たとえばクリントン政権が終わる頃には2千3百億ドルもあった政府の黒字がブッシュ政権の四年間でなんと5千億ドルの赤字に転落した。

すでにブッシュは社会保障年金の備蓄も使い果たしてしまった。このままさらに4年間ブッシュ政権が続くとアメリカという国は再起不能になるだろう。


原因は無駄な戦争と金持ち向けの減税である。

たとえばウチは年間数万ドル(数百万円)の税金をアメリカに払っている(アメリカの税率は30パーセント。10万円の原稿料でも手取りは7万円だ)がブッシュの政策で減税された額は年間わずが数百ドル(数万円)に過ぎない。

しかし年間100万ドル(一億円)以上の税金を払っている国民のわずか2パーセントの富裕層だけはブッシュの減税で、莫大な利益を得た。

たとえばチェイニー副大統領自身はこの減税で40億円以上も得しているのだ。

誰のための減税か、もちろん自分たちのためだ。


中産階級からいちばん多くの税金をふんだくり、それを学校や公共投資にまわすのではなく、爆弾を作って貧しい国の子供に落としてるんだから、オイラが頭にくるのもわかるだろう。

このオンライン・ゲームは誰にでもわかりやすくブッシュ政権の恐ろしさを教えてくれる。

2004-08-29 Mass Destruction

TomoMachi2004-08-29

フェイスレスというイギリスのバンドが8月4日に発売したエレクトロ・ファンク「マス・デストラクション」は「大量破壊」というタイトルの反戦歌だ。

「ザ・サン」(アメリカでFOXニューズを使ってブッシュを支援したニューズ・コープがイギリスで所有するタブロイド紙)や、ブッシュ政権と癒着したハリバートン社やエンロン社を名指しで批判しているので、ブッシュを支援するクリア・チャンネルが支配するアメリカのラジオではなかなかかからない。

しかしハワード・スターンの下品番組を放送する独立系のオルタナティブ・ロック専門局だけでわずかに流れており、最近はクラブでも流行りつつあるそうだ。


ビデオはこれ。ドラムとベースのおねえちゃんがカッコいい!

http://www.musicremedy.com//audio/index.cfm?FuseAction=ShowVideoPlayer&AudioId=1678&Quality=3

ラジオで流れるバージョンにはイントロでブッシュの「イラクは大量破壊兵器を隠し持っているから今すぐ攻撃すべきだ」という開戦前の演説が入っている。


MASS DESTRUCTION by Faithless.


長距離ミサイルだろうと自爆テロだろうと

悪意こそが大量破壊兵器なんだ

『ザ・サン』紙だろうと、BBC第一放送だろうと

情報操作こそが大量破壊兵器なんだ

君が白人だろうと貧しいアジア人だろうと

民族差別こそが大量破壊兵器なんだ

インフレだろうとグローバリゼーションだろうと

恐怖こそが大量破壊兵器なんだ

ハリバートンだろうとエンロンだろうと

強欲こそが大量破壊兵器なんだ


ある晩、父さんが軍服を着て僕の寝室に入って来た

父さんは戦場に行くんだ

父さんは僕のベッドに腰掛けていくつか話した

「パパには任務がある 召集がかかったんだ

お前も妹もしっかりするんだぞ

パパの大事な兵隊さん

パパの話を忘れないでおくれ

お前は男としてパパの代わりにこの家を守るんだ

朝起きたら、ママにキスしてあげるんだぞ」

そして僕は父さんにさようならを言った


翌朝、僕はママの泣きはらしたまぶたにキスをした

僕はまだ子供だけど

事態はちゃんとわかってる

ママは僕を抱きしめた

僕をまるで宝物みたいに抱きしめた

ママには本当のことは言わなかった

代わりにこう言った

「ママ、大丈夫だよ

パパは今晩帰ってくるさ」


そろそろ、はっきりさせよう

こんなことはそこらじゅうで続いているんだ

人は涅槃かどこかに行かない限り

また生まれ変わって己の業を繰り返す

前より悲惨になるかもしれない、マジでね

この輪廻から僕らを解放してくれる誰かを

もう何百年待ち続けただろう

海の向こうの人々が僕らと同じように苦しむのは

もう見たくない

悪しきリーダーとエゴが足枷を解かれて野放しになっている

正しいリーダーを人々に与えてくれるのは誰なのか

善良な人々はただ神の裁きを待ち、祈るしかないのか

正義を為すなら、今しかない

だって、今夜も誰かの父親を戦場に行かせるのは嫌だから


僕らは勇気を奮って乗り越えなきゃ

何もしないことこそ大量破壊兵器なんだ

見て見ぬふりこそが大量破壊兵器なんだ

Inaction is a weapon of mass destruction

Inaction is a weapon of mass destruction

Inaction is a weapon of mass destruction

Inaction is a weapon of mass destruction

2004-07-15 『華氏911』は偏向しているか?

TomoMachi2004-07-15

日本にいる人にはわからないと思うので書いておく。

マイケル・ムーアよりもアメリカのマスコミのほうがはるかに偏向して情報操作している。


日本ではイラク戦争に関するネガティブな報道や現地の被害も報道されたと思うが、

実はアメリカのマスコミは、2003年3月の開戦からは反戦的論調を自らに封じ、

異常なほど戦争バンザイ一色に偏向していたのだ。


もちろんブッシュが戦争を準備している間は大量破壊兵器やアルカイダとの関係を疑問視する論調もあったが、

開戦した途端に全テレビ局が「戦争万歳報道」に殺到してしまった。

そうしなければ軍から取材を許されなかったからだ。

実際、途中で帰されてしまった記者もいる。

もうひとつの理由は後述するが親会社のせいだ。

しかし、最も大きな理由はアメリカ万歳報道を国民が求めたからだ。

なかでもいちばんイケイケ報道を続けたFOXニューズが比較的中立的だったCNNを視聴率で圧倒してしまった。


恐るべきは、たぶん日本の人たちが普通にテレビで見ていた「子供の死を嘆くイラクの母」や「アメリカに怒るイラク人」「怪我をしたイラクの子供」はもちろん、「死んだアメリカ兵」や「負傷したアメリカ兵」の姿さえアメリカの新聞やテレビには開戦後一年ほどは登場しなかったのだ。

映るのは「フセイン政権崩壊を喜ぶ群衆」や「イラクの子供たちに笑顔でお菓子を配るアメリカ兵」のようなポジティブなイメージだけだったのだ。

もうすぐ公開されるドキュメンタリー映画『アウトフォックスト』では、実際にFOXのスタッフ間で回されていたメモが暴露されるが「負傷した人を映すな」とか、それはそれは実に露骨で意図的な歪曲報道だったのだ。


たとえばジェシカ・リンチが負傷した交通事故では、同乗していたロリ・ピエステワ(23歳)という二人の子持ちのアメリカ原住民の女性兵士も死亡し、彼女は女性で最初の戦死者になったが、政府とマスコミは生き残ったリンチについて大キャンペーンを展開して、死者の存在をかき消した(後から本人が告白したように、ジェシカ・リンチ英雄伝説は軍とマスコミが結託して捏造したまったくのデッチ上げだった。特にワシントンポストがその戦犯だ)。


戦争が始まって半年後の9月、フリー・ジャーナリストのヴィンセント・L・グアリスコは「葬送のトランペットが聞こえない」という記事を独立系新聞やネットに配信した。

「すでに三百人以上が戦死しているのに、彼らの棺や葬儀や嘆き悲しむ遺族の姿はテレビでも新聞でもほとんど見かけない。いったいどうなっているんだ?」


 それをアメリカのテレビが初めて放映したのは開戦後一年以上経った2004年4月1日だった。その前日にファルージャでアメリカ人の「傭兵」4人が殺され、その死体が群集にバラバラにされる映像がテレビで放送された。

 続いて4月23日、全米の有力紙の一面を星条旗に包まれた二十あまりの棺の写真が飾った。イラクで戦死した米兵がクウェートから故郷に送られるため輸送機に載せられたところだ。写真を投稿したタミ・シリシオという女性は基地で働く民間人だった。国防総省はこの写真に怒りを表明し、シリシオを契約違反で解雇した。


 ベトナム反戦運動が急激に高まったのは、テト攻勢の激戦がテレビで放送されたのがきっかけだった。黒人公民権運動にアメリカ人が共感したのも、非暴力デモを続ける黒人たちに警官隊が放水し、犬をけしかける映像が放送されたのがきっかけだった。だからブッシュ政府は戦争の悲惨な部分を隠し続け、アメリカのマスコミはそれに協力してきた。


 そんな御用マスコミをムーアの『華氏911』は、ブッシュ以上に激しく叩いている。ほとんど全員のニュースキャスターが嬉々としてバグダッド陥落を告げる映像を見せて「さらしもの」にしているのだ。そして、ジャーナリストたちは、政治に素人の映画作家ごときが自分たちのテリトリーを侵犯して、そればかりかジャーナリスト批判までしているので反発しているのだ。


 ちなみにNBC、CBS、ABCの三大ネットワークで比較して(あくまで比較して)最も体制翼賛色が薄いのはCBS。イラク人虐待の映像を流したのはCBSだ。CBSの親会社はメディア・コングロマリットのバイアコムなのでブッシュ政権からの圧力が比較的少ない。バイアコムはハワード・スターン・ショーの製作会社でもある。またバイアコム傘下のMTVではイラクに住む若者に戦時下のバグダッドを取材させたり、選挙人登録を呼びかけたり、今回の民主党大会でも協賛キャンペーンを行っている。

 ABCの親会社はディズニーで、ディズニーのCEOマイケル・アイズナーはブッシュに政治献金している男であり、ご存知のように『華氏911』を封印しようとした。


 そしてNBCの親会社GEは軍需産業である。NBCのマット・ロウアーはムーアのインタビューで『華氏911』を「事実を捻じ曲げたプロパガンダだ」と決め付けたが、ロウワーは『華氏911』の中でイラク侵攻万歳報道をしている姿を「さらしもの」にされている。

 また「ニューズウィーク」誌は現在NBC系である。「ニューズウィーク」のマイケル・イシコフは『華氏911』の事実誤認を突つき、ニューズ専門のチャンネルMSNBCはイシコフの記事に基づいて『華氏911』批判の特別番組を放送した。


 ちなみにイシコフの指摘した点はすでにムーアによって論破されている(公式サイト参照)。たしかに『華氏911』が提出した「事実」は「事実」だが、その並べ方によって、曖昧な「陰謀論」を観客に連想させるように編集されている。そこが問題視される点だ。

実は『華氏911』はそういう陰謀論のところが説得力が弱いし、いちばん面白くない。

『華氏911』で強いのは、アメリカのメディアが隠してきた映像だ。

テロを知っても呆然として何もせずに絵本を読むブッシュ、

イラクの平和な子供たちと、空爆で殺された子供、

手足を失った米兵、ブッシュに怒る米兵、息子を失った母、

そして「戦争はいい商売になるね」と笑う軍事産業の経営者、

こうした議論の余地なき現実こそが『華氏911』の力なのだ。

ムーアもここだけで勝負してたら攻撃されるスキを与えなかったのにと思うよ。


 しかし、MSNBCのブロガーでもあるリベラルの論客エリック・アルターマン www.ericalterman.com は『華氏911』に対するジャーナリストによる攻撃について、いいことを言っている。

「そんなに厳密に『華氏911』の事実関係をチェックする能力があるなら、なんでブッシュがイラクはアルカイダとつるんでるとか大量破壊兵器を持っていると言っていた時にそれをやらなかったんだ? もしその時にウソを暴いていれば、こんなに沢山の人が死ななくてもすんだのに」


 アメリカのマスコミの偏向は今も続いている。たとえばブッシュはベトナム戦争を逃れて州兵になっていた間もサボっていたと疑惑を持たれ、その資料の公開が軍に求められていたが、軍は、ちょうどブッシュの記録がある部分だけのマイクロフィルムを管理ミスで破損して破棄したと発表した。ブッシュの記録の部分だけ破損するとは都合のいい話もあるもんだ。これでブッシュの徴兵忌避の真相は永遠にわからなくなった。しかしこのニュースはアメリカのメディアではほとんど報じられてない。NYタイムズが記事にしたが、アメリカ人の大部分は知らないままである。


ムーアは先日の外国人向け記者会見でこう言った。

「アメリカのマスコミは新聞からテレビまで毎日24時間、ブッシュ万歳報道を展開している。“フセインはテロリスト”“イラク戦争は正しい”という叫びで四六時中人々を洗脳している。そんななかに僕の映画がたった二時間、違う意見を言っただけでどうしてプロパガンダと非難されるんだ。僕の映画は見たい人だけが見るものだが、マスコミは見る気がなくても無理やりしつこく押し付けてくるんだぜ」