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映画評論家町山智浩アメリカ日記


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2007-12-09 昨日の絵は1500万円

TomoMachi2007-12-09

昨日の絵はNYのギャラリー、クリスティーズで展示されてた絵で、クリスティーズがつけた値段は150,000ドル。


このヘタクソなロリ絵が1500万円以上でNYで売られるんだよ!

描いたのはもちろん村上隆の弟子Mr.(ミスター)。

こんな絵買ってどうするんだ?

応接間に飾るのか?

村上隆がキャンバスに描いたルイ・ヴィトンのロゴは3000万円以上で売られてた。

黒いキャンバスにヴィトンのマークを描いただけのものがだよ。


クリスティーズはロックフェラーセンターの隣にあって、

お客さんはカシミアのコートを着た大金持ちの中高年の夫婦が多かった。

みんな、まじめ腐った顔で、こんなロリコン絵を眺めて腕組んで「買おうかしら」とか考えてたりする。

「こんなの俺でも描けるぞ!」って、連中の目の前でささっと描いてやろうかと思ったぜ(実はオイラのほうがマンガはずっと上手い)。


このシンディ・シャーマンがハゲヅラかぶった自分の写真も2000万円くらいで売られてた。

ハゲヅラかぶったオバハンの写真にどうして2000万円も払うわけ?

そんな金があったら、今、そこの路上に、寒空の下で物乞いしてるホームレスに少しでも分けてやれよ!


 アニメに詳しくない人はわかってないかもしれないが、昨日の絵は構図も人物のポーズも顔の描き方も有名なアニメの絵の模倣の組み合わせだ。

 元の絵にはちゃんと作者が特定できる。

 『未来少年コナン』のポーズに、カルピス劇場の『アルプスの少女ハイジ』風の少女をはめ込んだものだ。

 つまり、この絵は、アニメを知っている者から見れば、中国製のモドキ商品みたいなものなのだ。


 しかし、この絵を見るアメリカ人はそれが模倣に過ぎない事実を知らない。

 ウォーホルのキャンベルスープ缶には元があることをみんな知っているので詐欺ではないが、

こっちの場合はちょっと違う。


 アニメやマンガが長年かかってやっと作り上げた国際的評価に後からのっかって、それを手軽にマネして「アート」として売る。

 この手の「アート」屋たちがやっていることは、アニメやマンガが達成したものを「搾取」しているわけだ。

 もちろん、その基盤を作ったアニメーター、漫画家たちは昔も今も厳しい生活のなかで彼らの芸術を描き続けている。

「だったら、そのマンガをアートの市場に持っていって売ればいい」と考える人もいるかもしれないが、

 アニメやマンガの価値もわからず、単に投機目的で絵を買う連中なんかに売れても何の意味もない。

 アニメやマンガは金持ちのコレクションになるのではなく、美術館で額に入れて飾られるのでもなく、

 アニメとして、マンガとして、人々に楽しまれるべきだろう。


 本当にアニメやマンガを愛してる人間は誰もアートとして売りたがらないから、代わりにそれをやって儲ける人間が出てくる。

 でも、優れたアニメやマンガの作品を作者の代わりにアートとして売り出してあげるのなら、良いことだろう。

 もしくは自分でアニメ風に描いた絵をアートとして売るのならまだマシだ。

 ところがこいつらは人マネの絵で商売している。

 中国のモドキ商品は本物より安く売るが、こいつらはモドキの絵を本物の何万倍もの値段で売っているんだ。

2006-04-25 村上隆のDOBのモデルってミッキーマウスじゃないの?

TomoMachi2006-04-25

現代美術家でルイ・ヴィトンのデザインなどで知られる村上隆さん(44)が、自らのデザインと類似したキャラクターを勝手に使用され著作権を侵害されたとして、大手子供服メーカーの「ナルミヤ・インターナショナル」(東京都港区)に損害賠償などを求めた訴訟は24日、東京地裁で和解が成立した。ナルミヤ側が遺憾の意を表し、数千万円の和解金を支払う。

 村上さんは92年、ネズミをモデルにした「DOB(ドブ)君」を発表し、のちに代表的なキャラクターとなったが、04年7月、ナルミヤ側のキャラクター「マウスくん」4種類が似ているとして、使用差し止めや賠償を求めて提訴。東京地裁は4種のうち現在使われている1種類を除いて類似性を認め、和解を勧告した。(毎日新聞より)

http://www.excite.co.jp/News/society/20060424212500/20060425M40.115.html

「数千万円」だって?

「ネズミをモデルにした」だって?

 ウソつけ!

DOBって、モデルはどう見てもミッキーマウスじゃん!

ナルミヤ村上隆の売ってる商品(作品じゃないよ)が他のクリエイターの作品の引用や模倣であることを盾にとって徹底的に戦うべきだった。ディズニーも巻き込めば勝てたかもしれないのに。

オイラはポストモダン以降の高度情報化社会に住んでる以上は、既成の作品の引用や模倣なしには何も作れないと思っているけど

自分は既成の作品を利用しておいて、他人にやられると訴えて金を取るのは、矛盾してないか?

「アレは僕のDOBのパクリですね。でも、DOBも元ネタはミッキーマウスですから偉そうなこといえませんね、わはは」くらいのこと言えば、今まで自分がやってきたことと筋を通せたかもしれないのに。

それがポップアートの精神じゃないの?

少なくとも金は取るべきじゃなかった。

だって自分はディズニーに金を払わないでDOBで金を儲けたんだから。

こんな裁判した後でも村上は今までどおり他の人のアニメやマンガを利用し続けるんだろうか?

他のマンガ家やアニメーターたちが「一つひとつコンセプトを考え抜き、心血を注いで造形した」「子供の様に愛し育てて来た作品達」を利用してお金儲けを続けるんだろうか?

今回せしめた数千万円は、せめて、貧困にあえぐ日本のアニメーターたちに寄付するとかしないかね?

しないだろうな。どうせきっと服や車や酒や女に使うんだろうな。


せしめた金は4千万円というが、それだけの金をマンガ家が単行本の印税で稼ごうとすると、

400円の単行本なら100万部、

800円の単行本なら50万部売らないとならないわけだが、

今はマンガがまったく売れず、

週刊マンガ誌連載のマンガの単行本でも3万部以上売れる本は少なくなっている。

最近、50万部以上売れたマンガってどれくらいある?

村上はマンガでメガヒットを出したのと同じ金額を、

他の人の作品のマネをマネされたとゴネただけでせしめたのだ。

2004-07-03 「華氏911」でいちばん怖い場面

TomoMachi2004-07-03

サンフランシスコで「華氏911」を見た時、会場がざわめいたのは、

シスコの対岸オークランドのメリット湖畔が映った時だった。

オイラの家があるあたりである。

要するにみんな「あっ、この近くが映ってる」と思ったので声が出ただけ。


メリット湖畔の芝生で一人の老人が、自分の体験を語る。

スポーツジムの井戸端会議で「ブッシュのAsshole」と言ったら、

それだけで、FBIに調査されたのだ。


実はオイラはこの場面がいちばん怖かった。

「華氏911」ではあまり強調されてないが、ブッシュ政権で最も恐ろしいのは

国民の思想を監視する「愛国法」が成立してしまったことである。


「愛国法」により、政府に求められたらネット・プロバイダーは利用者の個人情報を提供しなければならない。ネットの通販のデータや図書館の利用データ、クレジットカードの利用明細を政府は知ることができる。それに電話の盗聴も自由になり、すでに盗聴は始まっている。

これは完全に合衆国憲法違反である。

民主党の議員も法案を読みもせずにこの「愛国法」を通してしまったのだ。

「愛国法」などという名だから、反対すると「愛国的じゃない」「売国奴だ」と言われて反対しにくい状況だったのだ。


この愛国法が実際にどういう事態を起こしているかは、このサイトを見てください。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/07/post.html


この他にも、「マイケル・ムーア」という名前の退役軍人が理由もなく逮捕されたり、異常な事態が全米で起こっている。


なにが怖いってウチの近所に住んでるタダのジイサンがブッシュはケツの穴 と言っただけでFBIにチェックされたということだ。

じゃあ、オイラはどうなるの?

しかも外国人だしなあ。

でも、年間数万ドルの税金も納めてきたし、

娘は暫定的アメリカ市民だ。


「マイケル・ムーアもまた権力になってしまった」などと言って何でも相対化すればカッコいいと思ってるお子様もいるだろう。

権力というのは、他人の個人的データを勝手に盗み見て、それでも罪に問われることもなく、逆に人を拘束したり国外追放できることをいうのだ。

ラジオの放送を管理して罰金を科したりライセンス停止をちらつかせて圧力をかけることを言うのだ。

戦争を始めて、人を殺しても罪に問われないことを権力と言うのだ。

税金を使って国民にプロパガンダを押し付ける力を言うのだ。


マイケル・ムーア自身は、他人の個人情報を勝手に見たら罪になる。

それどころか自分の意見を貫くと殺されるかもしれない。

彼自身はいつも政府や右翼の暴力に恐怖しながら、銃や爆弾ではなく、映画だけで戦っている。

アンチの連中はムーアの住所をネットで公開しているが、

これはキリスト教原理主義の連中が、

中絶医の住所をさらすことで狂信的な連中が殺しに行くよう示唆した戦略と同じで、実際に何人かの医者がキチガイに殺された。

ところが警察はこのような行為を野放しにしている。

脅迫されても警察に守られないムーアが国家と同じ権力だろうか?


『華氏911』は観に行くのも行かないのも自由だし、

賛同するもしないも自由なのだ。

しかし「愛国法」は、アメリカに住むすべての人間はブッシュの政策に賛同しないと逮捕すると脅しているのだ。


(もちろん強い自分の意志や行動力を持たない人間にとっては、彼のように強い意見を主張し、その発言が多くの人に影響を与え、映画がヒットするのを見ると、それだけで反発を感じる者もいるだろうが、それは嫉妬であって彼が「権力的」なのではない。彼は金持ちのボンボンではなく、実力で今の地位を得たのだ。経済的に成功したことを批判する者もいるが、強い者に突っ張ることでも金が儲かる世の中でないと、誰もお上に逆らわなくなってしまう)。


「華氏911」の細かい間違いや論理の整合性の甘さを批判している人も多いし、日本でもそういう批判は出てくると思うが、たいていは「フセインはたしかに悪かった」というレベルの的外れな重箱の隅以下の指摘である。

「ブッシュ政権は、テロの警告を無視したうえに、テロリストを逃し、それを放っておいて、無関係なイラクにウソの理由で攻め込み、それに疑問を呈することを違法化した」

という「華氏911」の「本質」そのものに反論しない限り、その「本質」から目をそらすための撹乱工作でしかない。


今は50年代アメリカや旧共産主義国のように批評とか表現という行為そのものができなくなる瀬戸際なのだ。

(アメリカだけじゃないぞ。日本でもウェブのコンテンツを「健全化」する法律がもう成立したし、レイプ小説ばかり書いていた石原慎太郎がエロ本規制を始めているんだから)。

ここで何としてでも止めておかないと、もう取り返しがつかないのだ。

マイケル・ムーアはまさにスティーブン・キングの「デッドゾーン」の主人公と同じ気分なのに違いない。

「華氏911」を「映画的な視点において」「政治的な論理において」批判する連中は、「デッドゾーン」の主人公に「君のやろうとしていることは犯罪だ」と言うのと同じである。

でもムーアは別に大統領を暗殺しようとしてるわけじゃない。

映画それ自体は銃弾でも毒ガスでもないし観たくなきゃ見なきゃいいものだ。

「映画として問題ある」映画でも、やっぱり映画なのだ。

そしてオイラはセックスやバイオレンス満載の「問題がある映画」が大好きだ。

人はどんなに「映画として問題のある」映画だって作れる。

自由主義社会なんだから。

NYタイムズやNYデイリーニューズ、サンフランシスコ・クロニクル、シカゴ・サンタイムズなどはすべて、「華氏911」の表現上の問題をちゃんと指摘しながらも、表現者としての怒りに賛同を表明するというスタンスをとっている。


「華氏911」でムーアが多少の反則をしていてもそれはプロレスにおける「怒りの反則」と同じだ。

瑣末なミスを指摘して「華氏911」を断罪するのは、巨大な国家権力というレスラーたちの凶器攻撃でよってたかって袋叩きにされていたムーアが、椅子をふるって反撃したからといって、それで反則負けを宣告するレフェリーと同じである。


ムーアに限らずこのコーポレイトソサエティのなかで必死に「自分の」映画を作っている作家たちがいる。オイラは批評家としては彼らの戦いへの敬意だけはいつも忘れないことにしている。できあがった料理を味見して冷たく高飛車に批評するグルメ映画評論だけは絶対にしないことししている(その代わり大企業の映画は別だ)。

「華氏911」は凄まじい妨害工作を乗り越えて公開され、大ヒットしたといってもやはり敵は世界一強大な国家の権力なのだ。

命を張っている作家を、自分は安全圏にいるくせに高みから偉そうに批評したくない。

おそらく日本でも、「華氏911」の政治的ディテールに反論して自分を偉く見せようとするインテリ志願の連中がぞろぞろ出てくるだろう。

「イラク攻撃を批判してますがフセインが独裁者だったのは事実ですからね」などと得意気に言う連中だ(あの時点でイラクに行く必要があったのかっつーの!)


でも、おそらくアメリカや日本に限らずムーアに反発する心理は政治とは無関係だ。

自分が強いものに逆らう勇気もなく、ただ長いものに巻かれて生きているから、そうでない人間に嫉妬する、惨めな、行き場を間違えたルサンチマンだ。

実は昔から新しいことや突出したことを妨害してきたのは権力よりも

そういう大衆の嫉妬なのだ。

バケツに沢山入れたカニはフタをしなくても決して逃げられない。

一匹が上に行こうとすると必ず他のカニが引き摺り下ろそうとするからだ。

みんなにチヤホヤされている人を見ると、彼の作品など見ないのに、理解できないのに、

「あいつなんか、たいしたことないや」

と言ってみることで自分の惨めなつまんない人生がホンの少し救われる。

くだらん。



しかし、何よりも物を書いて暮らす者のはしくれとして

映画が大好きな者として、

一本の映画が、あらゆる手段で人々を脅かす大統領の権力を脅かしているというその事実そのものを祝福せずにはいられない。

でも、逆に普段は大企業のケツをなめ、高い金でゴミを売りつけ、けっして権威には逆らわない

村上隆のようなクズやコピーライターの類が「華氏911」をヨイショして「いい人」を気取ったりするとそっちのほうがムカつくという気もするが。



さて、アメリカはもうマッカーシズムのアカ狩り寸前である。

ブッシュは、中絶に反対し、テレビやラジオの番組内容を検閲し、同性愛の結婚に反対し、少数民族の雇用平等措置の撤廃を求め、キリスト教を全国民に押し付けようとしている。

それに対する反対言論を締め付けるために戦争が利用されている。

戦争よりも本当はそっちのほうが目的だったのではないかと思うほどだ。


コメディアンのジェイ・レノはこう言った。

「新生イラクに新しい憲法が必要なんだって? 

だったらアメリカのをくれてやれ。

だってもう使われてないんだから」


オーウェルの「1984」では国民をコントロールするため、意図的に戦争状態が必要とされるが、あれと同じだ。

「1984」の世界では、

外国との戦争によって、国内は一つの思想にまとめられ、

国家に服従することによって、個人は自由が与えられ、

政府のしていることに無知であることによって、善良な市民として社会的地位を得る。

「戦争は平和であり、

 服従は自由であり、

 無知は力である」


写真は映画What a Girl Wantsの修正前のポスター。

「ピース・サイン」が「戦時に不適当である」であるとして手を下げている絵に描き変えられた。「平和禁止!」


チャップリンが「独裁者」で徹底的にヒットラーを攻撃した時、アメリカですら

「何を必死になっているんだ」

「最後の演説が一方的なメッセージすぎる」

「映画で意図的にヒットラーを悪く描いている」

など、やはり否定的な批評が少なくなかった。

でも、その後、アメリカと世界はヒットラーが大虐殺をしていた事実を知って、もっと早く止めておくべきだった、と後悔した。

しかし、殺された600万人はもう帰らなかったのだ。

2004-03-07

村上隆についていろんな反応をもらったが、

いちばん多いのは「もう名前も聞きたくない」「あいつは本当のオタクからはすでに相手にされていないのだからどうでもいいじゃないか」という感じのものだった。

でもさ、奴のHPを教えてくれた人がいて、それを見たらすごいことになってるぞ。

http://www.kaikaikiki.co.jp

BBSなんだが、たとえば、こんな投稿がある。

>かつてこれほどまでに多くの人に愛されたアーティストはいなかったのではないのでしょうか?(中略)

>そして経営者としてもすごい。今年はきっと経済界からも注目されるんでしょうね〜。なんか経済界の賞もとる勢いですね。


どうも、これが一般の人々の認識のようだ。


かつてヒットラーが出てきた時、ドイツは民主的なワイマール共和国で、

最初はかなりの人がヒットラーを見て「あんなものにダマされるのはよほどのバカだけだ」と、たかをくくっていた。

そしたら、いつの間にか国民に圧倒的に支持され、

ヒットラーを批判する人は少数者として封殺されてしまう事態になった。


ヒットラーを例に挙げるのは大げさに聞こえるかもしれないが、

こういったことは会社の内部でもあるでしょう?

口がうまくて立ち回りのうまいだけの奴が同じ会社にいて、

「あいつは実力もないし、本当は思いやりもないから、どうせみんないつか気づいてくれるさ」とたかをくくっていると、

そいつがどんどん出世して、

マジメに働いてた方はバカを見るわけですよ。

人を見る目がある人というのは、実際はそんなに多くない。


インチキをインチキだとすぐにわかるカンのいい人はたいていシニカルで現実にあまり期待していないので、

「ほうっておこう」「無視しよう」「自分の仕事に専念しよう」ということになりがちだ。自分も含めて。

しかしインチキに気づかない人々はすぐにノせられてしまうし、そちらのほうが圧倒的に人数が多いので、

あっという間にヒットラーに政権取らせたり、村上が「これほどまでに多くの人に愛されたアーティストはいなかった」なんて大物になってしまうのだ。


だから、こういうインチキな連中が出てきた時は、インチキを感じた人々はシニカルにならず、面倒くさいしお金にならないけれども頑張って、一般の人がダマされる前に共闘し、全力をあげて徹底的に叩き潰しておかないとならない。大変だけど。

そうしておかないと、インチキがわからない圧倒的多数の人たちが彼らを認めたときには、

我々は少数派として発言力を失い、

彼らがほしいままに文化や政治や経済を搾取するのを見ているしかなくなってしまう。そうなってからでは遅いのだ。

2004-02-24

snowcrashさんという人が何度も何度も書き込みしています。

回答を求めているのでお答えします。

まず、snowcrashさんは

「少なくとも、猪瀬氏の態度が悪いからと言って脅迫するような人は「普通の市民」ではないですよね。」

と言っています。

オイラの文章の意味は「普通の市民が犯罪に走るまで追い詰めた猪瀬の不快さは、それこそ犯罪的だ」という意味です。オッサンが犯罪者になったのは「結果」だと思います。彼は脅迫でもする以外に自分の心を猪瀬から守る術がなかったと思うのです。


次に、snowcrashさんは、

「猪瀬氏を批判するならば、彼の発言についてここがおかしいと言わないと……)」

それに、

村上隆氏や三代目魚武氏については彼らの作品を鑑賞した上で(単なるパクリじゃねーかとか)批判しているのに対し、猪瀬氏については本も読んだことがなく、発言も理解できないが、とにかく態度が偉そうだというだけのことですよね」

ということですが、

オイラは「単なるパクリじゃねーか」なんて言ってません。

そいつらの作品も一切、ロクに鑑賞などしたことなどありませんから。

見ると気分が悪くなるからです。

たぶん多くの人にとってもそうだと思います。

だから彼らが不快な人々は、彼らのことを見て見ぬふりするわけです。


嫌うならちゃんと読んだり鑑賞してからにしろ、というsnowcrashさんのいうことは一見正論なのですが、

ヤツラのものを読んだり鑑賞するのはものすごおおおおおおおく不快なのでやる気が起きません。

だからヤツラのインチキさに感づいた人は、ヤツラのことを忘れたフリをして、ヤツラのことを考えないようにするわけです。


ヤツラに正面から対抗しようとすると、snowcrashさんのおっしゃるように、猪瀬の分厚いだけでダラダラした、やたらもったいぶった文体の本やら、現代アートの理論やら、詩の評論やらを読んで理論武装しないとならない。

でもキライなやつのために本を読むのは、オイラのように物書きを商売にしていても、考えるだけで疲れる。そう、疲れるんだよ。

「批判するなら理解しろ」という言葉は、もう猪瀬を脅迫したオッサンや、難しい本を読むのがキライな人には特に、巨大な「壁」のように立ちはだかります。何を言っても論破されるだけのような気がするだけです(魚武の武器は図々しさなので、少しこの論旨からは外れます)。

だから「批判するなら理解しろ」というsnowcrashさんの言葉は、正論ですけど、清原がムカつくなら野球で対抗しろというのと同じくらい嫌な感じがします。

そして、みんなその「壁」に負けて、「どうでもいいや」「勝手にしてくれ」と戦意を喪失するわけです。ましてや、普通の人はWEBくらいでしか発言できないし、世間は権威のない人の意見など聞く訳がないから考えても意味がないですからね。


ところが、ヤツラはそれにつけこんで世の中にのさばっていくんだよ!


インチキに対するカンの鋭い人々が謙虚で、くだらない奴と戦うほどヒマじゃないから、それを利用して、図々しいヤツラはいつの間にかえばりちらし、好き勝手やってるんだよ!


snowcrashさんは猪瀬の本を理解できないなら批判するなとおっしゃいますが、あなたの言ってることは「バカは黙ってろ」ということと同じです。

難しい本やアート理論や詩がわからない人間は、ヤツラがのさばるのを黙ってみてろ、と言ってるんですよ。

だから、インチキがどんどんどんどんのさばっていくんですよ!


高城剛とか、辻仁成とか、中谷彰宏とか、ゴダールがラカンがと何度読んでも意味のわからない文章書いてる映画評論家とか、口先だけのインチキ野郎どもが!

もちろん、30年以上人生を生きてる人間なら普通は、こいつらがちょっとしゃべってるのを見ただけでインチキかどうかわかるでしょ。

こいつら、むちゃくちゃわかりやすいから。

でも、わざわざ理論武装して連中と戦うほどヒマじゃないし、そんなに真剣になる必要もないから、放置しておくわけでしょ。

そうすると、いつの間にかヤツラはのさばるでしょ。

辻なんてしょせん純文学とかいうどうでもいい世界でいぱってるだけだからって放っておくと、いつのまにか次々にイイ女をコマしては捨ててるわけでしょ。


カルチャーの世界だけじゃない。

snowcrashさんの理論を政治や経済に適用すると「政治を批判するなら政治を理解しろ」「経済を理解しろ」ということになりますが、それは実は「庶民は政治のことなんかわからないんだから黙ってお上に従え」「庶民は経済のことはわからないから銀行や資本家がやることを黙ってみてろ」と言ってるのと同じなんですよ。

もちろん近代国家というものは、政治や経済を理解し判断ができる「市民」が選挙を通じて統治するという前提によるわけだから、理解できないほうが悪いという意見もあるでしょうが、こんなに複雑で勉強することが多い世の中になってしまうと、仕事と趣味だけで精一杯ですよ。それ以外のことまで考えるのは疲れるだけですよ。面倒くさいし、不可能です。

みんなが手一杯だから、それを利用して文化でも経済でも政治でも、インチキどもがのさばっていく。


「難しいことはわからない、わからないけど我慢できない!」ということでオッサンは猪瀬を脅迫しました。たしかにそれは一種のテロです。

偉そうな左翼文化人を襲う右翼や、政治家や大企業を襲うテロ、いや、すべてのテロは、政治や経済や文化が高度になりすぎ、理解するのが難しく、でも理解できないとこの社会が自分のものではないという疎外感を感じるだけでなく、実際に社会の下層部に追いやられてしまう非知的な人々のギリギリの反逆です。

たしかにそれは市民社会のルールからは外れていますが、彼らにとっては最後の手段なので、オイラはオッサンやテロリストを頭ごなしに断罪したくないのです。

政治テロはしなくても、辻とかが女をダマしてる現場に行ってクリスタルの灰皿でぶん殴って、拉致して、目と耳つぶして舌抜いて手足切り取って「天誅」と刺青してどっかに捨てたくなる気持ちは誰にでもあるでしょう(ないない)。


むしろ政治や経済や文化や技術がここまで高度化して、ついていく気にもならない現状、自分にとって死活問題の税制や年金ですら考えると頭痛がする現状、趣味と仕事に逃避したくなる現状、それを利用してのさばる口のうまいヤツラ、ヤツラに対抗するにはテロしか残されていないこと、そういうことが問題だと思います。

オイラ自身も、毎日、新聞やテレビを見るだけで、リクツでは勝てそうもない文化人や政治家や資本家から日々「お前に何がわかる」と言い負かされているような屈辱感を感じて生きていますから。


snowcrashさんも、猪瀬に追い詰められたオッサンのくやしい気持ち、もうわかるでしょう? 

2004-02-23

TomoMachi2004-02-23

あ、10万ヒット突破してる。


なんと「ポセイドン・アドベンチャー」がリメイクに向けて本格始動とのこと。

思えば、あれを有楽座で観たのが本格的な映画好きになったきっかけだった。

パメラ・スー・マーチンはその後「プレイボーイ」でヌードになったりして、

最近は、こんな写真までサイン入りで通販してるの。

悲しいけど、彼女ももうすぐ50歳なんだよなあ。


下のコメントにこんなところで答えますと、

僕は広島原爆の映画の企画はオタキング岡田さんから「タイタニック」の直後に聞きました。

ジェームズ・キャメロンがタイタニック以上の悲劇を求めて広島をリサーチしているという話でした。

原爆のひどさを現代のSFXで世界に向けて再現するなら、それはぜひやるべきだと思ってましたが、その後、噂は聞かなくなりました。

ところが、先日、キャメロンはポンペイ最後の日の映画化に動いているとのこと。

あんた要するに人がいっぱい派手に死ねば何でもいいんじゃん!


全然、関係ないですが、この日記の人は村上隆が好きなそうですが、

この人自身がやってることのほうがすごいかも…。

http://nana.cocolog-nifty.com/nana/

2004-02-21

少し前、猪瀬直樹を脅迫して捕まったおっさんが逮捕されたが、

その動機は「とにかくテレビを見ていると猪瀬は偉そうで偉そうで、ムカムカしてどうしようもなかった」というものだった。

そのオッサンに政治的、思想的背景は特になかったと報道されたと思う。

猪瀬の思想や意見ではなく、猪瀬の立ち振る舞いが普通の市民を犯罪に走らせたのだ。


オイラはオッサンは被害者だと思う。

犯罪に走るほどムカムカさせた猪瀬のほうが加害者なのだ。

言論人でもない一介の市民がテレビでエラソー光線を発射して攻撃してくる猪瀬から心を守るには脅迫しかなかったのだ。

なぜなら猪瀬は全身から「オレは利口でお前らはみんなバカだ光線」を発してるから、見るだけで非常に傷つけられてしまうのだ。

猪瀬の態度は不特定多数への侮辱罪として有罪にできないんですか?


オイラも、そのオッサンと同じく猪瀬の本など一冊も読んだことないし、テレビで言ってる政治や経済のこともさっぱりわかりませんが、猪瀬が品性下劣な人間なことくらいはわかる。

 だって本当に偉い人は、絶対に猪瀬みたいに偉そうにしないですよ。


もしヤクザと少しでも関わりのある仕事をしていたなら、確実に刺されてるね。横井英樹みたいに。安藤昇は話をまとめるために横井に会ったのに、その態度があまりにも偉そうだったので前後を省みずヒットしてしまったのだ。

この平和な社会では猪瀬がどれだけ不遜にしても、それに対抗できるだけのヒマや機会を持てないオイラのような庶民はしかたがなく沈黙しているだけだと思う。ていうか、オイラもこいつをどこかで見かけたとき、殴らずにいられる自信がないよ。

日本のテレビを見てないから知らないが、猪瀬は、政治的や思想的なものではなく、純粋に生理的な理由で自分がそこまで人を不快にさせたという事態に少しは人として反省があったのだろうか?


猪瀬という男は政治に関わっているくせにイデオロギーはない。右も左もバカにしている。建前は「国民のために」なのだろうが自分以外はみんなバカとあからさまに人を見下している猪瀬が本気で国民のことを考えてると思いますか? こいつが本当に貧しい人、学のない人、愚かな人のことまで考えてると本当に思いますか? 

猪瀬の政治的な発言は何かの理想に動機付けられているわけではない。こいつの思想は「オレは偉い」それだけ。だからオイラには猪瀬が何を言っても「オレは偉い。こんなに知ってる。みんなバカだ。尊敬しろ」としか聞こえない。「オレは偉い。オレはグレート。オレはリアル」と言ってるだけの低脳ギャングスタ・ラッパーみたいだ。


村上隆も似たようなもんだ。彼自身、「自分には表現すべきものがない」と言っているそうだが、本当は「自分は偉い」ということだけがテーマなのだ。

現代アートは自我という神話が崩壊する時代を反映し、「表現すべき内的衝動」を否定し、どこまでも空虚を目指した。

しかし、実はそういう現代アートには芸術史上最も醜いテーマがむき出しになっている。

何でもいいから有名になりたい。オレはエラい。みんなに尊敬されたい。オレオレオレ。そのオレ自体は空っぽなのに。

空っぽの人々が、別に言いたいこともないのに、とにかく有名になりたい、有名になれるはずだと無闇に信じる現代社会。


村上隆がかわいいキャラクターで本気でみんなを幸せにしようとしてると思いますか? それだったら普通にあのキャラクターを普通にサンリオみたいに売ればいいんであって、「アート」にする必要はどこにもない。作品よりも自分が前面に出る必要は何もない。


要するに猪瀬も村上も「自分は偉い」というテーマを表現するパフォーマーなのだ。三代目魚武とかも根本的には同じだね。というか、今の世の中ではそれ以外に表現するものがないんだろうが(本当はある)。


ちなみにオイラは会田誠のファンです。彼はちゃんと美少女マンガも描けるし、口当たりのいいだけのものは作らないし、自分もさらけ出してるし、少なくとも彼は「オレは利口だ光線」は出してない。