極寒のイナリ

Too2016-01-21

 1月7日、滞在5日め、イナリ2日め。朝7時半、暑い〜と思って目が覚めました。相方はまだ寝ていたので、ベッドでメールチェック。実は明日の夜、宿から空港まで送迎をネット予約した会社から最終的な返信がきていないのです。
 これまでラップランドからヘルシンキへの移動は寝台列車サンタクロースエクスプレスを使っていました(過去記事は→2011年車内の様子2012年車内の様子) 時間が有効に使えるし、ホテル代1泊浮くし、コンパクトでグッドデザインな個室も楽しいのですが、電車の出発地点であるロヴァニエミまでのバス移動に3〜4時間半ほどかかるのがしんどい。2012年は移動ストレスを半減するため、ロヴァニエミで2泊しました。今回はイヴァロ空港からヘルシンキまで飛行機で移動することにして、チケットはまとめてフィンエアーのサイトで予約済み。曜日によって異なりますが日に2〜3便あり、組み合わせによって価格が変動しました。飛行機と寝台車、かかる時間はぜんぜん違いますが、単純に運賃だけ比較すると金額的にはそんなに変わらないんじゃないかと思います。
 8日(金)の場合、深夜22時55分発、ヘルシンキ0時25分着のものしか取れず、体力的なことと、到着後のホテルまでの移動手段がとても心配でしたが、CPさんがヘルシンキヴァンター空港から中央駅までのバスと電車の時間を調べてくださって、まずは一安心。
 次なる問題はイナリの町からイヴァロ空港までの移動です。イナリのホテルを検索していて送迎サービス→Lentokenttäkuljetukset | Taksi- ja bussikuljetukset - Inari, Lappi を見つけ、無事に予約完了して、不安解消かと思いきや、予約段階では日付しか指定できず、時間指定の連絡に対する確定の返事が来ません。予約時に備考欄に記入し、「重要! 希望時間と送迎場所をメールで知らせてね」と書いてあったので、メールも送付。すぐにリプライメールが届きましたが「今はお休みなので、月曜日に会社に行ったら確認して返信します」というもの。まぁ、年末年始なので休みでも当たり前ですが、火曜日ぐらいに確認のメールを再送するも返信がないまま、もう木曜日、予約日は明日だよ!
 ホリディビレッジは「ネット環境なし」と書いてあったので、それも不安材料だったのですが、不安定ながらWi-Fiが使えたので、朝から迷惑メールボックスを確認したり、過去メールをチェックしたり。行き詰まってCPさんにもSOSを送ったところで、ちょうど行き違いで「予約はオーケー、明日の夜20時25分にレセプションの前まで迎えに行くね!」というメールが届きました! はぁぁ(と安堵するのはまだ早かったんですが)。
 今日は特に予定もないので、9時頃、ゆるゆると起き出すと、寝室の窓の向こうの空がほんのり赤くなっていました! 網戸があるのが残念(でも外には出たくない)。

 朝御飯。大量に作ったサーモンスープを食べ続けます。室内は暑いので鍋ごと冷蔵庫に入れていました。ベルーベリー味のヨーグルトはたぶんローファットのもの。ジュース類と明日の分のヨーグルトを買い忘れたことに気づき、コテージでのんびりするか、再度スーパーに行くか協議の結果、まぁ、することもないだから、散歩がてら出てるみること。

 午前中、相方は暖炉の火起こしに着手しました。昨日も暖炉に残っていた燃えさしの薪に置いてあったマッチで火をつけてみたら一瞬、ぱっと燃え上がって、乾燥してるから簡単に燃えるんじゃない?と言いつつ、ガラスの扉を閉めたところ、カルシファーあっけなく昇天……。毎夏のバーベキューで火起こしは慣れているはずなのですが、通常は新聞紙→細い木切れ(古い割り箸、割った竹など)→炭という順番で火を安定させていくのに、ここには薪とマッチしかなく、持っていた新聞紙で試してみてもすぐに消えてしまいます。

 チェックアウトの時間帯ならレセプションに人がいるかもしれない、暖炉の使い方について聞いてみよう!と、外出着を一式着込んで、フロントへ。……ららら無人くん♪(←古い) インターフォンで呼べば来てくれるだろうけど、ランチタイムは避けよう、ということで、買い物に行く前にリサイクルに出す空きビンを撮影。昨日飲んだラピンクルタとベリー味のシードル。

 ラップランドで飲むラピンクルタはまた格別!

 今回、宿泊したのはコテージB。

 こじんまりして見えますが、中はゆったり。

 左側がBで、右がファミリー用のA。Aのほうが湖の眺めも良さそうでした。中には入れなかったけど、ロフト付きのようです。

 凍った湖。左手がキャビンで、右に3つ並んでいるのは夏用の釣りかボート小屋だと推察。

 共用のサウナ小屋。後から気づいたんですが、鍵のかかっていない共用のトイレとシャワー(男女別)もありました。

 敷地の見取り図。小さめのキャビンが長屋のように連なっています。

 雪だるまさん。

 レセプションの建物。コテージからは少し距離があります。

 レセプション正面。クリスマスの飾りの残りがかわいい。でも基本、無人(笑)。

 謎の丸いもの。

 13時前、決死の覚悟でスーパーにGo!

 雪は降っていませんが、車が巻き上げる雪煙(?)をくらうとキツイです。

 厳しい冷え込みが報じられたこの日、道を歩く人は誰もいませんでした(寒いからなのか、いつも人けがないのかは不明)。

 住んでいる人はいるみたいで、夜は灯がついていました。

 歩き始めた直後から顔がこわばり、睫毛が引っかかる感じになっていたのですが、10分ほど歩いたところで、相方が「視界が狭い。目が見えない!」と言い出しました。わたしの睫毛も凍りついてはいましたが、短いので、こんなにゴージャスなことにはならず。わたしったら自前のミートテックも完備だし、サバイバル能力高いわ〜(笑)。

 ホテルイナリ手前にあるアクティヴィティショップ。ホリディビレッジと経営が同じなので、防寒具などのレンタルをあらかじめ手配しておくことも可能だと思います(ちゃんと誰かがメールを読んで、忘れないでいてくれれば)。

 道を渡ればスーパーですが、相方は「もうあかん!」と顔を解凍するためにホテルイナリへ駆け込みました。手前がレストランなどのある旧来の建物、奥が湖側に新設された別館。

 13時でこの暗さ。

 マイナス32度! 車の温度計は(日本の通常の車もそうだと思いますが)日光や風の当たり具合で数値が変動する気がするのですが、通常の気温計でこの数字は初めて見た!

 わたしは先にスーパーへ。

 空きビンや空き缶をこの機械に入れるとデポジット金が店内の買い物で使えるレシートとなって戻ってきます。ペットボトル5本で1ユーロとか返ってくるから、バカにできません。ビールの空き缶はつぶしてしまうとエラーになるので、つぶさずに持ってくること。

 中国あたりからやってきたような気がしてならないサンタの飾り。

 ペットか庭のお客さんへのクリスマスプレゼント?

 店内あちこちにクリスマスの名残りが。冷凍コーナーには巨大なクリスマスハム用の肉!

 クリスマスパイとジンジャークッキーの冷凍生地。

 ラピンクルタの大容量パック。

 サーモンいろいろ。

 30分ほどで買い物終了。

 教会。



 雪の積もった木々。空がとても青く見えますが、実際はもっと薄暗い感じでした。







 バス停。

 徒歩15分弱。宿に戻ってきました。



 レセプションは相変わらず無人でしたが、敷地内で駐車スペースの雪かきのような作業をしている人を発見! 宿泊客かスタッフか尋ねてみると、スタッフとのこと。「暖炉の火の起こし方を教えてください!」と頼むと、コテージに来てくれました。

 薪(白樺?)の樹皮をプーッコ(小刀)で剥ぎ、1本マッチで点火すると、薪を並べた炉内へ。さらに樹皮を薪の間に差し込んで、火を強くしていきます。薪は思ったより多く入れていました。

 カルシファー復活!

 ガラスの扉は基本的には閉めておいたほうがよく燃えるそうですが、火を眺めたいときなどは開けてもいい、とのこと。石の部分が温まって火が消えたら、煙突の仕切りを閉じて、熱をキープ。

 煙突についているレバー。どないせいっちゅうねん!というぐらい高い位置にあり、何かに乗らないとまったく届きません(笑)。

 チップをお渡しするべきだと思ったのですが、かえって失礼かなと躊躇しているうちに帰ってしまわれそうになったので、慌てて、明日、スーツケースを預かってもらえるか確認。スーツケースを引いて半日、外をうろつくのは不可能ですし、かといってレセプション内にキープしてもらったスーツケースが取り出せなくなっても困る。最初に「レセプションは何時から何時まで開いてるの?」と訊ねると、「開いてないからインターフォンで呼んで」とのお返事。開いてないんかいっ! 大事なことなので、タイムスケジュールを書いたメモを見せながら相談すると、「インターフォンで呼べば預かりも取り出しもいつでもOK。もし夜まで部屋を使いたいなら、ぼくにはスケジュールがわからないから、空いているかどうか電話で確認てみて」と言ってくれました。
 追加料金がかかるとしても部屋で過ごせるならありがたい。スタッフの方が帰った後、早速電話をしてみましたが、「次のお客さんのためにクリーニングしなきゃいけないからインポッシブル」とのことで、残念〜。
 遅めその昼御飯は日本から持っていったサトウのごはんをレンジでチンしたものを、お酢がついている海苔で巻いて、スモークサーモンを乗せたもの。すごくおいしかったのに、写真を撮り忘れました。カップのお味噌汁もありがたかった!
 15時過ぎ。夕陽がとてもきれいだったので、服を着込んで外へ。この景色を独り占めできただけでもここを借りたかいがありましたが、寒すぎて外に長居はできません。







 相方はもう暖炉の火に夢中(笑)。マッカラ焼くぞ!と木の枝をプーッコで削ってくれました。

 マッカラ&ビール第一弾!(サウナはまた後ほど)。今回はスタンダードなマッカラを買うことができました。

 楽しいー!

 ちょっと焼きが甘かったかも。

 マスタードも買いました。使い切れなかったのでクリスマスハム用に日本に持ち帰り。

 17時。凍ったベリーに熱いキャラメルソースをかけるデザートを再現してみました。牛乳と砂糖。砂糖の残りは次のお客さん用に置いてきました。

 冷凍クランベリー

 キャラメルソース作成中。

 ソースじゃなくてキャラメルそのものになってしまった〜。しかもクランベリーはすごく酸っぱい。もしやラズベリーで正解だったのか!?

 相方はククサ+丸氷でフィンランディアを飲んでます。丸氷ロックがロマンだったらしく、前回、スナフキンの製氷皿を持参したら文句を言われたのですが、丸氷は凍るのに時間がかかるようで、氷点下30度でも即氷!という感じではありませんでした(前回のスナフキンはすぐ凍った)。

 ひたすら暖炉に薪をくべ、その様子をムービーで撮り続ける相方。ノルウェーのテレビ局かよ!?

 わたしはソファーでうたた寝

 19時半頃、オーロラをチェックしてみることにしました。一歩外に出るだけなのに、本気の重ね着。うーん、今日は無理かなぁ。

 雪が降り出してしまいました。



 フラッシュ撮影。

 これはこれできれい。雪はサラサラで、雪玉は作れそうにありません。コツが知りたい。




 21時のアイスクリームタイム(笑)。玄関の外に放置してあったのを回収しました。カチコチに凍ってます。

 予想ではチョコとチョコキャラメルだったのですが、チョコ入りバニラとチョコでした。サイズもほどよくておいしいです。

 暇なのと白樺の樹皮がきれいだったので、コースター作ってみました(笑)。

 何度か、意を決して空を見に出ましたが、ずっと雪が降っていました。この夜、ウワサによるとイナリ湖畔はマイナス40度だったとか。オーロラが出なくて、かえってよかったのかもしれません。
 サウナに入って25時半、就寝。明日は長くてハードな一日になりそうです。