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TooriSugariの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-10-24

グラン・ヴァカンスのSF面

ヴァーチャル・リアリティ」は既に陳腐な言葉になった。だが、まだそこには新たな物語を描き出せる可能性がある。この作品のように。

先日の日記感想を書いたグラン・ヴァカンスの続編、飛浩隆「ラギッド・ガール」を読んだ。


概要

廃園の天使第2作であり、<数値海岸>の誕生から第1作のグラン・ヴァカンスまでの間を埋める5つの短編集。


感想

著者自身が書いているが、グラン・ヴァカンスでは<数値海岸>とは一体何かについて断片的にしか語られていない。本作は人間AI、双方の視点で<数値海岸>の誕生、<大途絶>とその後を描いている。<数値海岸>の仕組みについて語られていて、実にSFらしいSFだ。前作で浮かんだ謎に答え、新たな謎も生まれている。

そして、やはり暴力と死と苦痛に満ちている。差分だ。この廃園の天使というシリーズは、暴力と苦痛によって抉り取られ、浮かび上がってくるものなのだろう。




!以下、ネタバレ。!




夏の硝視体 Air des Bijoux

<夏の区界>の、夏らしい話。そしてそこにも痛みと苦しみがある。


ラギッド・ガール Unweaving the Humanbeing

おそらく今後も登場するだろう、コートの女の生まれる話。

アンナ天使なのだろうか?


クローゼット Close it.

もうひとつ、コートの女の話。この狂気はいったいどこから来たのか。

ところで、ラックの配線は誰が外したんだろう?カイルが死亡した時点では結線されていたはずだが。


魔述師 Laterna Magika

グラン・ヴァカンス最終章タイトル「微在汀線」(BIT-SEIN BEACH)の意味が分かる。

ダイ・イントゥした人間達はどこに行ったのか?そして、<鯨飲亭>の主は誰なのか?


蜘蛛の王 Load of the spinners

若い頃のランゴーニと、彼に従わない蜘蛛の話。

ランゴーニのAIに対する酷薄さは、彼が人間の視点でAIを眺めているからなのかもしれない。関連して思ったが、ジュールは硝視体を受け入れることで人間の視座を得ているのではないか。

ランゴーニの何が特別なんだろう?強力なAIではあるが。

ランゴーニは頭が良さそうに見えてかなり抜けてる。いくら蜘蛛に情報貯め込んでいても、ウーゴがいなかったら焼け死んでたところだ。

チットサーイやアンナの様な攻撃的な女に甘い部分があるのはファザコンマザコン?)だからかな。


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