とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

恐いお年寄りのエスカレータ

 娘から聞いた話。
 娘の前を荷物を持ってヨロヨロと歩く一人のおばあさんがいた。下りのエスカレータに差し掛かり、タイミングを掴みかね少し戸惑ったが、なんとかエスカレータに乗った。と突然ドカッとエスカレータの上で座り込んでしまった。
 「大丈夫ですか」と声をかけたが返事がなく、ひょっとしてわざとこうしているのかと思っていたら、しばらくしてモゴモゴと「足がもつれてしまって」と言う。前を見ると、エスカレータの終点が近づいてくる。
 焦った娘は、おばあさんの荷物を持ってあげるが、本人がなかなか立ちあがれないでいる。ついに終点に至った。座り込んだおばあさんは足を浮かして床に足をつけるが、身体が持ち上がらない。とっさに娘が腰を抱きかかえ、お尻が段と床の間に巻き込まれるのを防ぎ、起き上がらせようとする。しかしなかなか立ちあがれず抱えたまま後方に数歩下がる。幸い、後ろは少し空いており、それでも背中に後方の人の圧力を感じた頃、ようやくおばあさんの身体が持ち上がり、独り立ちしてくれた。
 間一髪、セーフ。
 後ろのおばさんが「エレベータを使わなくっちゃ」と声をかけたら、エレベータの方に向かって歩き出したので、「次からの話だよ」と言い聞かせたそうだが、痴呆も進んでいたのかもしれない。大丈夫か。
 エスカレータは「80才以上利用禁止」などの対応を考えた方がいいのかもしれない。