未明の眉月と水星

今宵の夜空は満月に向かう月齢10前後の楕円月。言うまでもなく下の画像は蔵出しだ。
撮影は二年前の12月。東の空に輝く水星と眉月(月齢27.96)。

このカットは来年用のカレンダー「あるいは月の物語」の作成過程で最後まで悩んだ一枚。 
冬枯れた樹木の被りなど雰囲気の範疇なのだが、人工構造物を排した他頁の画像とそぐわず没とした。
とは言え拙ブログでも未掲載だったので、一度は人目にさらそうかとアップロード。

薄暮の撮影では藍や群青を強調するため、カメラのホワイトバランスを電球マーク(3200K)に設定することがある。
デーライトやオート設定より肉眼の印象に近づくように感じられるからだ。

余談だが、昭和の頃は戸外に出て眺めた夜空の青みが強かったように思う。
あくまでも仮説だが、肉眼が色温度の低い白熱電球に順応するからではないかと愚考。
LEDなど太陽光に近い高めの色温度が主流の昨今では望むべくもないけれど、
ウソクの仄かな灯かりに目を慣らしてから戸外に出れば、古人が「青い」と感じた夜空が見えるのかもしれない。

撮影データ :Canon EOS 5D + EF70-300mmF4-5.6 IS USM / 2012/12/12_06:08