02012.05.21.
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さて、時あたかも日蝕でございますが、まあそれはそれとして、にしき的フォントを更新しました (Version 2.35) 。
気になったところを全体にわたって細々と修正・調整したりしています。
その他、以下のような文字などを追加しました。
- 漢字を90字ほど追加 ; 総計は2870字少々
- 「Runic」(ルーン文字)にUCS提案段階の文字8字を追加
- 「Dingbats」(装飾記号)ブロックの矢印類を多少追加
- 「Miscellaneous Symbols and Arrows」(その他の記号及び矢印)ブロックの提案段階の記号類を N4244 あたりに基づいて並べ直し、および追加
- 私用領域に雑多な記号を多少追加
追加したUCS提案中のルーン文字は、ファンタジー作家J・R・R・トールキンが『ホビットの冒険』などで現代英語をルーン文字でそれらしく表記するために作り出した翻字法において独自に追加された3字*1、
ならびに、フランクスの小箱 Franks Casket ないしオーゾンのルーン小箱 Auzon Runic Casket と称される7世紀アングロサクソンの鯨骨製の美術的遺物 (大英博物館蔵) に刻印されたルーンの銘において母音を表すために使われている独特の字形の5字です。
私用領域に追加したのは、まず密教がらみのシンボルが2つ。「妙法蓮華経呪咀毒薬」および「令百由旬内無諸衰患」という九字の切りかたを表した図らしいです*2。
それから円の中に三角や四角が描かれた記号、これは囲碁の盤面図において石の打ちかたなどを指示するためにしばしば用いられるものです*3。
半分だけ塗られた星形は☆をならべて5段階評価などを示す際に0.5点ぶんを表すためにしばしば見られるもの。
さいごに、トルコの通貨トルコ・リラの記号。従来は「TL」と書かれていましたが、独自のシンボルを決めることになり2011年10月に公募され2012年3月に発表されたばかりのものです。UCS提案も行われていますがコードポイントがはっきりしていないのでとりあえず私用領域のてきとうなところに。
あとそれから、 U+EFF0-EFFE のところを使って、ちょっとしたお遊びのようなものを入れてあります。これは今ヴァージョン限りのおまけです。BabelMapなどのキャラクタマップヴューアかなにかでご覧ください。
02012.05.09.
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たまたま知ったのですが、こちらで『灘校パソコン研究部2012年度部誌』というのが公開されておりまして、そのなかに「にしき的フォントで巡るUnicode表探記」と題する記事がありました。
Unicodeが収めるさまざまな文字や記号を通覧する内容なのですが、題名が示すとおりその糸口として拙作フォントが取り上げられており、見ればなんだかずいぶんと細かなこだわりの部分にまで叮嚀に触れていただいていて畏れ入った次第です。
筆者のかたは高校生でいらっしゃるかとお見受けしますが、メインの記事である「書体の歴史」も欧文書体の変遷を概観するものとしてこれもまた青年客気に溢れた一篇にまとまっており、どうやら文字や書体の方面においてなかなか病膏肓に入っておいでのようで、おなじ文字好きとして同病相憐れむ……いやいや、もとい同気相求むる心持ちで拝読いたしました。
話は変わりまして、フォントを2つほど公開しました。
「NKD01 7-segment Hematitic」(赤鉄鉱7セグメント) ならびに「NKD02 14-segment Hematitic」(赤鉄鉱14セグメント) と号しまして、7セグメントディスプレイ、および14セグメントディスプレイを摸したフォントです。ようするに俗に言うデジタル数字です。
「NKD01 7-segment Hematitic」は数字および基本的なラテン文字を、「NKD02 14-segment Hematitic」のほうはそれに加えてギリシア文字やキリル文字や多少の記号などをそれなりに収録しています。字形は独自のものです。
とはいえ、ご覧のとおり大文字はともかく小文字についてはいろいろと無理をしていたりするので、可読性を考えると小文字はせいぜい補助的に使うくらいがよろしいかと思います。
ところで7セグメントで表示しうるパターンの数というのは 2の7乗 = 128とおりであり、14セグメントの場合は 2の14乗 = 1万6384とおりになりますが、後者はさておいて前者は容易に列挙し尽くしうる数量なので、「NKD01 7-segment Hematitic」ではすべての表示パターンを私用領域に置いておきました。
02012.05.08.
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《ひので字》をはじめその他いくつかの日本語のための奇妙な人工文字すなわち〈新国字〉をフォント化したものをまとめて『新国字聚成』などと銘打って先日いくつかの即売会的なところで頒布するようなことをしたのですが、その流れで拙サイトに上げてあるひので字フォントも更新しておきました (Version 1.02) 。
>2012.05.06. 21時ごろの方
コミティア100にて拙作フォント集をお手にとっていただいた由どうもありがとうございます。お愉しみいただけていればと願うばかりです。
拙サイトのフォントもご覧くださったそうで、労いのお言葉ともどもいたみいります。「にしき的忍びいろは」はフォントづくり自体もさることながら、この暗号文字の出自や来歴についてとりあえずネット上にはあまりまともな情報が漂ってはいないようだったのでこの際はっきりさせて示しておこうと種々の資料を尋ねまわったりしたのが思い出深いです。
02012.04.09.
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>もっしょくしさん
お作りのゴーストさんに拙作フォントをお使いくださった由、そのご報告ともどもありがとうございます。
こちらも暦にしきさんをお迎えして拝見しております。
〈にしき〉に名を借りて曲がりなりに作ってきたフォントでありますゆえ、にしき系ゴーストさんのご制作に用立てていただけたということが言うなればカエサルのものがカエサルに返ったような、あらまほしきところにコトリと収められたような感じがしてとても感慨深いです。
暦にしきさんにおいでいただきまして、そのにしきシェルの姿に眼福の栄にあずかったかと思えばオヤお召し物の妙に目立つところに個人的に見慣れた形の数字があしらわれていて恭悦至極でありつつハテ何の数字だろうと思いましたがなるほど日めくりになっているんですね。いろいろとおもしろい試みをなさっているようで今後をゆるりと楽しみにさせていただこうと思います。
ときに、無限遠に拙作「にしきバルーン」をあてがったときの言葉にはいろいろな〈にしき〉ゴーストさんがたのイメージを擦り込んであるのですが、せっかくなのでそれに新顔のゴーストさんも含めてみました。
02011.12.16.
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フォントをひとつ公開しました。
「Nishiki-teki+01 Shinobi Iroha (にしき的忍びいろは)」と称しまして、かつて忍者が用いたと伝えられる《忍びいろは》という暗号文字のフォントです。

過去にもひっそりと世を忍ぶように公開したりしていたものですが、このたびいろいろ手を加えてリニューアルしています。
おまけとして忍者のシンボルたる手裏剣の絵文字のようなものをいろいろ入れたりもしました。縦書きにも対応しています。
詳しい説明などは同梱の readme.txt をご覧ください。
その readme.txt にしたためた内容と重複しますが、改めて図版を交えるなどして《忍びいろは》というものについての解説を以下にかいつまんで添えておきます。
江戸時代初期の延宝年間に、藤林保武という伊賀忍者の筋の者によって編まれた『万川集海』という忍法書がありまして、その中にこの暗号文字を見ることができます。
この暗号は木火土金水人身の七字を偏、色青黄赤白黒紫の七字を旁として計49の漢字のような文字を作り、その一字一字に仮名の音を割り振るという形になっています。
あくまで暗号なので、『万川集海』には文字の一覧が掲げられているのみであって、どの文字がなんという音に対応するのかについては何も述べられていません。
実際には使用者によってさまざまな割り振りかたがなされていたと考えられますが、忍者研究家の山口正之氏が仮名との対応づけの一例を示しており、それが『万川集海』の別の箇所に見える使用例とも符合するので、ひとつの妥当な割り振りかたであろうと考えられます。
かようなわけで氏の呈示した音価によるものが《忍びいろは》と称されて流布しており、忍者を扱った創作などでときおり用いられたりしています。当フォントもこれを踏襲して作ってあります。
ところで、この《忍びいろは》で「よ」の仮名が当てられる [木黄] という字は「横(よこ)」という漢字とそっくり同じ形をしています。
ほかにも「や」が当てられる [木白] は「柏(かしわ)」、「こ」が当てられる [水白] は「泊(とまる)」という漢字そのものの形になります。
このように《忍びいろは》の文字には既存の漢字と同じ形をしたものがいくつもありまして (こういうのを字形の衝突とか呼んだりします)、ゆえに大半のもの (具体的には49字中36字) はコードポイントをもつ漢字としてUCSに存在します。
ここで「し」に当たる「𨊂」、および「み」に当たる「𠎁」の2字について特筆すべきことがひとつ。
白土三平の手になる「忍法秘話」という忍者漫画の短篇集シリーズがあるのですが、それの第2巻の題名が『栬𨊂𠎁潢』(イシミツ) という忍びいろはを用いたものになっており、それが国会図書館の目録に存在するとかそのへんの理由でこれに含まれる前述の2字がこの漫画タイトルの用例のみを典拠として JIS X 0213 の第4水準漢字に採録され、それに基づいてUCSにも採り入れられた、という経緯がそこにはあります。
かようなわけで、この漢字づらをした「𨊂」「𠎁」の2字は純粋に忍びいろはを出自としてUCSに忍び込んでいる文字だったりします。
02011.12.04.
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にしき的フォントを更新しました (Version 2.30) 。
内容は以下のとおりで、今回は記号類を中心に幅広く追加しました。
- 前回追加したアルメニア文字ですが、ほかの文字系に較べてやや筆画が太い気がしたので程よく痩身
- 既存のグリフの修正・調整 ; 特に、全体的な整合性などのために記号類をいろいろと手直し
- 漢字を110字ほど追加 ; 総計は2780字ほどになりました
- 「Miscellaneous Technical」(その他の技術用記号)ブロックの未収録分をひととおり追加
- 「Supplemental Arrows-B」(補助矢印B)ブロックの矢印群をひととおり追加
- 「Supplemental Mathematical Operators」(補助数学記号)ブロックの記号をひととおり追加
- 「Miscellaneous Symbols and Arrows」(その他の記号及び矢印)ブロックの残りの矢印などをひととおり追加
- 「Supplemental Punctuation」(補助句読点)ブロックの記号をひととおり追加
- 「Miscellaneous Symbols And Pictographs」ブロックにある時計の表示形(30分刻み)を追加
- Standardized Variantsとして規定されている数学記号の異体のグリフを私用領域のU+F0000〜に配置
- その他こまごまと
まだUCSへの登録の提案段階にある記号もそれなりに積極的に先行して作字・収録してあります (上掲の画像中で青色っぽく示したものがそれです)。










私もにしきファンの一人として、アンさんがにしきバルーンの反応に、\b[2]一面使わないといけなくなるくらい、仲間が増える事を祈るものです! ではまた……。
追伸:乱読にしきさんの大根コミュニケートに対応させていただきました。
暦にしきさんからのコミュニケートありがとうございます。不肖 乱読にしきからもささやかな反応を投げ返しました。