12月に買った漫画

激マン! 6 (ニチブンコミックス)

激マン! 6 (ニチブンコミックス)

「激マン」6巻、「デビルマン」編完結。最後まで買ってしまったけれど、1巻を読んだときの 『「どうだ、デビルマンはこうして生まれたから面白いんだぞ!」という自己顕示は感じても「どうだ、いま描いているこの『激マン』も面白いだろ!」というエネルギーが感じられず、永井豪はもう枯れちゃったんだなぁ…と寂しくなる』 という感想はとうとう覆らなかった(「デビルマン」は確かに名作なんだけどね)。時代考証に問題があるから70年代文化史・精神史としても読めないし(その点「アオイホノオ」は見事なもんだ)、6巻まとめて処分しよう。
 「ようこそ了法寺へ」1巻完結。八王子に実在するお寺、了法寺のマスコットキャラを主人公にしたマンガ。萌え絵のマスコットは今日び珍しくないが、それにしたってこの了法寺、檀家さんはどう思っているのだろう?

ぽよよん・ろっくちゃんの絵にしか見えないが、作者のとろ美は「ぽぽたん」で主演した声優だそうな。
 

「チカちゃんは知りたがる」2巻。ツッコミ不在の総ボケ状態、全てのキャラがボケ続ける底なし沼状態で、読んでいると軽くトリップ状態に陥るのが相変わらずの竹内元紀マンガです。昔は無駄な情報の多さや脈絡の無い会話のテンポが作風だったのですが、4コマのフォーマットには収まりきれないからか、「チカちゃん」では抑え気味。もっとも巷間「台詞が多いマンガは読まれない」とも言われますから、これはむしろ進歩というべきか。
これが売れないと連載打ち切り&3巻が出ないのが確実、というガケっぷちとのこと。4コマ誌はチャンピオン並に厳しいのか、他社ですが風上旬の『ねじゆるゆる』(asin:4832250035)なんて1巻中断、2巻は同人誌ですよ買ったけど。シビアだなぁ。
2巻の最後で登場した教生が可愛いので、なんとか3巻まで続いて欲しいところ。
 
名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス)

名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス)

名探偵マーニー」1巻。ねじくれているけどどこか共感できる「犯人」を毎度作り出しているのが見事。ページ数の制約がきついのかストーリー展開が強引になる傾向があるため、各回の感想を書き出すと少々厳しくなるが、この「変人列伝」というべき面白さは何物にも代え難い。
 斉木楠雄のΨ難」2巻。ジャンプの三本柱「友情、努力、勝利」を備えてはいる。ただ、主人公は超能力で何でもできるという超越した存在で、じたばたと努力するのは周りの人間、という「努力」との距離感がイマ風なのかもしれない。とかなんとか。
 
ソニコミ 01 (BLADE COMICS)

ソニコミ 01 (BLADE COMICS)

「ソニコミ」1巻、同名ゲームのコミカライズらしいが元のゲームは未プレイ。「スーパーそに子が流行りだから基本設定くらい押さえておこう」と全く期待せずに購入。これが意外と面白かった。

主人公はゲーム版のプレイヤーズキャラクターに相当するのだし、男にするのがセオリーだが、このマンガはそれを女性にした。そのため、ダブルヒロインのマンガとなっているのだ。天然巨乳のそに子と、内省的な眼鏡スレンダーの花子は対照的で、どちらも魅力あるヒロイン。ともに駆け出しの状態から名を上げていく、成長物語の面白さがある。

……いやまぁ、「まだ「何か」が足りない!!」とシリアスに盛り上げといて答がこれかよ!! とかツッコミどころはあるんですが、そこらへんのバカバカしさも面白みのうちでしょう。仏さんじょに求められてるのってそういうノリだよね? 他の作品読んだことないけど。
 

「つくもつく」2巻完結。昔、「萌え系4コマって主な対象読者は男性なのに、何故かハーレム型ラブコメが少ない」と書いたことがあるが、これは非常にストレートなハーレムマンガ。作者の本来のジャンルはエロだそうで、いわゆるサービスシーンも少なくない。「エロ」としては少々絵柄が古い気がするが、「お色気」ならば丁度いい塩梅でしょう。

付喪神ヒロイン4人と人間ヒロイン1人(後に1人追加)に、主人公がひたすらちやほやされる。大切に使われてきた古いモノが付喪神となり主人公に恩返ししようとする、という設定なので、初めから好感度MAXで当然なのである。男に都合良過ぎ? しょーがないよ、彼女らは元から主人公のモノなんだから。
モノが何かというと、レジスターに携帯電話に中華包丁にえっちな本と、独特過ぎる設定なのでナンセンスの面白みがあります。
ただ、この2巻できっちり話が完結してしまうのはどうなんだろう? それも泣かせエンドでなく中途半端なぬるさで、でも決着をつけてしまっている。ハーレムものは初めからおかしいんだから、最後まで男に都合良く、マンガが終わった後もずーっとその状態が続くような不透明決着がいいんでないかね? 「ぼくの生徒はヴァンパイア」(asin:4832279629)も同様にすっきりしなかったんだよな。
 

宗像教授伝奇考【十二支考】 (希望コミックス)

宗像教授伝奇考【十二支考】 (希望コミックス)

潮出版社がKIBO(希望)レーベルでコンビニ売りの単行本を出しているというのがまず驚く「宗像教授伝奇考」。手に取るまでビッグコミックスペシャルだと思っていたよ。宗像教授シリーズはこれまで2、3冊つまんで読んだだけで、「良くも悪くも硬い作品」というイメージだったのだが、これに収録されている「狗の骨」「鼠浄土」などはほとんど諸星大二郎の『妖怪ハンター』。まぁこれはこれで面白い。前後編の「龍神都市」になるとかなり「私の知ってる『宗像教授』」で、描かれた時期によってムードが異なるんですかね?