「獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ」

観てきた。予想されたことだが、客演ヒーローが多過ぎて散漫になってしまった感じ。これが例年どおりの「VS」なら、現行戦隊(キョウリュウジャー)の悪堕ちというビックリ展開で目を引きつつ、前年戦隊(ゴーバスターズ)と対立する状況を自然に作り上げ、クライマックスに向けて「バディとの絆」というテーマを前面に出して問題を克服する……というプロットにまとまったんだろうなぁ。それが、ジュウレンジャーも出さないとアバレンジャーも出さないと、でゴチャゴチャになってしまった。

ヒーロー多過ぎ問題は「お祭り映画」の性質にも弊害をもたらしていて、キョウリュウジャーの中に登場しないメンバーがいる! 現行戦隊のメンバーが勢ぞろいしないというのはVSシリーズ初では? ラミレス、鉄斎は変身後含めて一瞬の出番も無し、弥生は変身せず、シルバーは登場するけど活躍は無しです(トリンの姿ではそれなりに出番あり。ゴーバスのあの設定との関連付けは素直に笑えた)。ロボもキョウリュウジン、ライデン〜のみが登場。単体ではガブティラ以外にはほぼ出番無し。ステゴッチ、ドリケラ、パラサガン、ザクトル、プトラゴードンの存在は話の本筋に関わってるんだけどなぁ…。

ゴーバス勢は陣さん含めて5人全員登場、ニックに黒りんまで登場するけど、ゴリサキ、ウサダは声さえ登場せず。メカに至ってはタテガミライオーの生首が盾になるだけ、ゴーバスターエースすら登場しません。うーん。

その代わりにジュウレンジャーアバレンジャーが出てくるわけですが、実質的にティラノレンジャーとアバレッドが登場するだけ。他のメンバーは最後の戦闘を前にゾロっと集まって、バタバタ戦うだけです。ドラゴンレンジャー、アバレブラック、アバレキラーは出番無し。ロボのほうも、レッドでティラノな3体揃い踏みは燃えるけれど、その後は唐突に合体後状態になってしまって拍子抜けでした。

なんというかこれ、企画が欲張り過ぎだったのでは? 本来のメインターゲットである子供たちにはジュウレン、アバレンはどうでもいいはずなのに、そこに重点を傾けすぎてしまったという印象です。おそらく、「ゴーバスターズは不人気だから何とかしないと」という意識が東映には強かったんだろうな、とは思いますけどね。

そして恒例、本筋と関係ないところでの新戦隊のお披露目ですが、「大丈夫かトッキュウジャー……」が正直なところ。「大丈夫かトッキュウジャー!?」てな感じの期待半分ではなく、「大丈夫なのか……」と本気で心配。「ノリが軽い」のなら全然OKなんだけどトッキュウジャーは「ノリがど阿呆」で、はっきり言ってちょっと不快になるレベルでした。まぁこの映画の脚本と本編のメインライター(誰かまだ把握してません)は異なるだろうから、今のうちからあまり心配しても仕方無いけど。

……つってもなぁ……。ことキャラ立てに関しては抜かりの無い名手・三条陸をもってしてあのキャラってことは本編も多分なぁ……。



(追加)
「トッキュウジャー」の脚本、浦沢義雄にはもう一年のシリーズをやる体力は無さそうだし下山健人あたりかな〜と予想しつつ調べてみたら小林靖子なので驚いた。ギャグもまず普通にこなせる脚本家だし、その他もろもろ安心して見ていられるんだけど……。どうだろう、「トッキュウジャー」はどうも例外になりそうな悪い予感。