東方蒐集所(3月15日付けより)

 先日ここで少し紹介したアルトノイラントのひろよさんの東方ピアノアレンジの再録音。Diaryの3月15日付けをみていただければ辿れますが、聴いて真っ先に思ったこと…。
 お、落ち着いてる…。
 前回のように突っ走りまくって置き去りにされた音を脳内補完するより遥かにクオリティが上がっていて非常にびっくりしました。旧新でどれだけブランクがあったかわからないのですが、非常に面白い録音です。かなり大げさですが、グレン・グールドの「ゴルドベルグ変奏曲」の新旧録音みたいな印象の違いがあります(マテ)。
 もちろん粗を探せばいくらでも出てくるのですが、演奏している人が現役の音大生ピアノ科の生徒というわけでもないので*1、そこまで技術を求めるのは逆に酷に思えてしまいますし…。それにしても、右手の旋律部分と思われる個所が明確になっただけあって、原曲の印象もつかみやすくなっているかと思います。
 もともとひろよさんの演奏は「突っ走ることによって聴者を圧倒させる」タイプの感じだったのですが、ここに来て新たな一面を垣間見たような気がします。あとは「魅了するような」とか「語りかけるような」演奏が聞けるようになれば…。
 音の作り方に関して言えば、せっかく演奏技術があるのに「一定パターンの伴奏に耳コピした旋律を載せただけ」なアレンジをする方に比べて遥かにマシではないかと思います。ただ、悲しいかな聴き手は「結果のみ」で判断してしまうので、更なる向上を期待したいところです*2

*1:何に対して揶揄しているかは言わずもがな…。

*2:演奏技術は訓練である程度何とかなるものなので…。