いびがわマラソン20回特別企画「金哲彦コーチのランニングミーティング ハーフ教室」に参加しました。

 今年は11月11日に行われる「いびがわマラソン」。TVのマラソン解説でもおなじみの金哲彦さんによる「いびがわマラソンのハーフを完走するためのアドバイス」である「金哲彦コーチのランニングミーティング ハーフ教室」に参加させていただきました。
 私はランニング初心者ですが、金さんの書かれた「3時間台で完走するマラソン」ほとんど1冊を参考に、「いずれホノルルマラソンを走る」ことを目標に日々研鑽?をつんでいます。そういう意味で、金さんの話を直接を聞きし、指導も受けられる機会というのは、ちょっと嬉しかったです。
 ちなみにホノルルマラソンについて「(記録的には)世界最低レベルのマラソン大会である」というジョークも話されてました。制限時間がなく(これが最大の魅力の1つなわけです)、5km過ぎたらほとんどの人が歩いているそうです。ハワイの人たちの心の大きさに敬意を禁じえません。
3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから (光文社新書)
 金さんの話は、本もそうですが、とてもわかりやすいし、元気でさわやかで、質問の答えにもよどみがなく、信頼感があります。件の本を参照している立場から言えば、効果も確実です。この教室で関節の準備運動やストレッチの方法などを実際に教えてもらえたのはありがたかったですね。こういうのは、本の図だけではやはりわかりにくいので。
 揖斐川健康広場という立派な施設があるんですね。主にランニングフォームについていくつか教えていただいた後、そこの競技場を4周しましたが、35度以上あったかもしれないくらいのたいへんな炎天下でした。少し早目についたのですが、ちょうど金さんがスタッフと一緒に施設内の状況などを確認されていて、「外はかなり暑いから、準備運動などは中でやって走る時間は短めにしましょう」みたいなことを相談されている姿を見かけました。

 金さん監修の「ハーフマラソン完走マニュアル」という本を全員にいただきました。1つの大会だけのために冊子を作ったのは初めてだとのこと。その中にも書いてあるんですが、いろんなメディアや講演を通じて「いびがわマラソンは日本のボストンマラソンだ」ということを言われているそうで、その根拠はこどもたちの応援のすばらしさだそうです。今日話を聞いて、そんなにすばらしい大会ならぜひ一度体験してみたいとの思いがさらに強くなりました。
 ボストンマラソンについては、元ボストン在住で市民ランナーでもある村上春樹が「うずまき猫のみつけかた」で、けっこう詳しく書いていますが、「ボストン・マラソンはいつ走っても本当に素晴らしいレースである」といい「町全体がこれくらい一体になってランナーを盛り上げてくれるレースは他にちょっとないだろう」と書いています。金さんの発言は揖斐川町岐阜県民にとっては実にありがたいけれど、少なくとも今の時点では褒めすぎだろうとは思います。いつか本当にそんな大会になったら誇らしいですよね。
うずまき猫のみつけかた―村上朝日堂ジャーナル
 ところでハーフとフルマラソンでは、距離は2倍だけど、その大変さはとうてい2倍どころではない、ものすごい差があると、金さんは参加者の質問に答えられていました。同じようなことを村上春樹も「走った後の充実感・達成感がまったく違う」というような言い方で指摘していたのを思い出して、「なるほど」とうならされました。
 最後にもうひとつだけ村上春樹の文章を引用したいと思います。
「しかし何はともあれ、誰がなんといおうと、勇気があってもなくても、フル・マラソンを走り終えたあとで食べるたっぷりとした温かいディナーというのは、この世の中でいちばん素晴らしいもののひとつである。」
 ボストン・マラソンは4月に行われるようですが、アメリカの東部はまだ寒い(寒かった)んでしょうね。自分が寒さの中達成感とすきっ腹を抱えたマラソン・ランナーだとしたら−−そのクラム・チャウダーのうまさが格別に違いないとあまりにもリアルに想像できます。
 今日のような暑い日にフル・マラソンを走ったら確実に死んじゃいそうですが、グラウンドを4周走っただけでも、冷えたビールを想像してくらくらしそうになりました。