TDA1543えぴ(3)―電源部をいじってみた

DCカット用のカップリングをMulticapからDynamicapに変更した1543えぴだが、その後少し角が取れて聴きやすくなったものの、やはり俺には少し空気感や潤いに欠けるので、低音を制御してバランスをとるには電源部にこいつを使うといいかもしれないという情報を得て電源部のOSコン1000uFをファインゴールド4700uFに替えてみたところ、音が見事に死んだ。低音が聞こえなくなっただけじゃなくて、1543えぴがもっているいい部分が、ごっそり削ぎ落とされてしまったのだ。いくら以前と比べていいところを探そうとしても、ない。唯一、木管の響きが柔らかくなったとはいえ、これにしたって音に芯がなくなって聴覚上聞きやすくおもえるだけのことだ。先人たちの情報から1543えぴが電源部のパーツ変更やモディフィケーションでかなり大きく音が変化するとは聞いていたが、これほど激変するとはおもわなかった。驚愕とともにショックがでかい。
選択肢は2つ。デジタル段の電源をLED化して様子を見るか、LED化と同時にFGをOSコンに戻すか。
少し迷った末に後者に決定。理由も2つ。デジタル段のLED電源化は情報によると「解像度が上がって音がクリアになる」らしいが、おそらく現状のままそれをしても音の生気は取り戻せないとおもったことと、面倒くさがりの俺のことだからいまこのときを逃すといつやるかわからないという理由。比率は6:4といったところか(^^;;
というわけで、昨晩、デジタル段のLED電源化とOSコン復活作業に挑んだ。Prostさんから以前に詳しく作業方法を聞いていたこともあって、作業そのものの手順に間違いはなかったが、とにかく一度ハンダ付けしたパーツを取り外すのが、死ぬほど面倒なのだ。いつものことながら、実際に基板をじっくり眺めることで、すっごく当たり前の構造なんかが見えてくるのはおもしろいのだけど、以前ランドをはがしてしまって接触不良を起こしたことなんかを思い出したりするとすっごく不安だし、キレイに穴が抜けないと途中放棄もしたくなる。こういう作業を繰り返しながら音決めしておられる先達たちの努力と根気、そして何よりもそのスキルには、脱帽なのである。
余談はさておき、作業内容はProstさんをはじめ何人もの方々がやられておられるので書く必要はないだろうが、結果は上々である。音がクリアになって品位が上がったぶん、Dynamicap交換後に感じていた違和感がかなり緩和された。たぶんOSコンに戻したことも正解で、FGのままだとクリアになるいっぽうで線の細さがきつい感じに聞こえてしまうように思う。これはこれですごくいい。ある意味、非の打ちどころがないほどのクリアな音で音場再現性もすばらしいのだが、ただ、やはりいちばん最初に聴いたMulticap versionの瑞々しさが記憶に鮮明に残っているだけに、いまひとつ煮え切らない思いがしている。ここでまた、俺はベルリン・フィルの音よりもドレスデン・シュターツカペレの音のほうが好きなのだ、とまた愚にもつかない比喩をつぶやいてみる。
さて、次にやるべきこともすでに控えている。ノラさんに6.8にコメントしていただいたLPFのコイルだが、じつはこの間、音を消してW杯の試合を横目で見ながら巻き巻きしていたのだ(ちょっと気をとられると、何回コイルを巻いたのか忘れてしまう ^^;) 。platycerusさんに「LPFをとっちゃうのもあり」とコメントいただいていたり、以前khimairaさんに「LPFの有無を確認するのもいい」とうかがっていたこともあったので、さっそく今晩か明日に試してみるつもり。ノラさんの言うような効果が生まれればしめたもの。ただ、自分ではできるだけきれいに巻いたつもりだが、なにぶん初めての巻き巻きだからこんなもんで大丈夫なのかどうか不安があるし、たぶん1回か2回くらい巻き数が間違っているかもしれないのが?なのだが。