学級運営

毎日新聞の記事より。http://www.excite.co.jp/News/society/20061124030100/20061124M40.125.html
要するに「なれ合い型の学級でいじめが生まれやすい」という話。管理型となれ合い型というのは教師の教え子への接し方によるものだそうで、有無を言わせず従わせる指導タイプと言い分を尊重する援助タイプがあり、指導タイプに偏ると管理型、援助タイプに偏るとなれ合い型になる、という。子どもの言い分は確かに尊重せねばならない。しかし尊重しすぎると学級崩壊に陥る。そこの線引きが難しい。
私は一年間の授業の最初にルールを示す。そのルールを守ることを生徒に求める。このルールは教室の秩序を維持するために必要なルールである。何よりも他人の邪魔をしない。授業進行の妨げをしない。以上である。それ以外は生徒の自由。と言っても以外と生徒に残された自由は少ない。その中でも生徒は様々な要求をしてくる。これに対しては一貫した対応が求められる。自分の軸にぶれがあっては、生徒はそのぶれをついてきたりするので、なるたけぶれないようにする。トイレは塾の方針として許可。しかし教師に一言断ること。授業中の飲食だが、テストや塾の都合で十分な食事時間が与えられない場合は食べながら授業に参加することはOKしている。隠れて食べているせいとをしかりつけたことがあるくらいだ。「せこい喰い方すんな」と。上記を除く場合は飲食は禁止。人の話をだらだらお茶を飲んだり物を食べたりしながら聞くものではない、という社会常識を身に付けさせることは一応塾の責務だ。ちなみに大学ではスルー。大学は社会常識を身に付ける場ではない。社会常識を欠いたまま社会に出るのは自己責任。塾の生徒は子どもなので社会常識を知らない可能性がある。そんなもの親が身に付けさせろ、というものだが。寝るのはOKだが、寝るのを放置するのは何よりも本人のためにならないのでサービスとして起こす。だから叱らない。ネタで起こす。今の6年が5年だった時に寝ていたヤツを「フォー!!!!」(HG風)で起こして以来だれも寝なくなった。寝そうになっても必死で起きる。寝てもいいのに。残念だ。忘れ物に関しては私はへらへら笑いながら理由を聞く。「なんで忘れたん?」「自分の部屋どないなってんの。汚いんとちゃうんか。俺も汚いねん。ごみ箱やで。だからか小学校の時忘れ物多かったなあ」と延々と小学時代の思い出話をする。三年生でも結構堪えるようで、怒鳴りつけるよりも効果がある。プリント忘れにはネタを披露してもらう。当てるのでボケをかましてもらう。スベッたらもう一回。ウケるまでやってもらう。ということを周知徹底したら誰も忘れない。忘れていいぞ、と言っているのだが。
最近こうした様々な管理主義に偏向した教室運営をやっているおかげで怒鳴らなくて済んでいる。一度なれ合い型になると怒鳴っても効果はない。逆に生徒も急速に不満を募らせる。最初は厳しくした方がいい、というのは塾講師の間では鉄則だ。それと若くて経験の少ない講師も厳しく接することから始めろ、というのも塾講師の研修で言われたことだ。あとは面白い冗談を言うのは慣れてからにしろ、とか。
塾で人気がある講師は「面白い」だけでは実はだめで、むしろ成績を確実に上げてくれる講師が人気も高い。面白いかどうかは副次的なのだ。厳しくても、うっとうしくても成績を上げてくれる講師についてくる。ただし進学塾の場合だ。救済塾でもそうだろうが、総合塾では微妙になるだろう。しかしいくら総合塾の下位クラスでも楽しいだけでは付いては来ないだろう。やはり「この先生に付いていけば大丈夫」と思わせなければならないだろう。楽しいだけ、でクラスの秩序を維持している場合、それは完全になれ合い型学級運営に堕している。そしてなれ合い型学級運営は、私の経験上、かならず悲惨な結末が待っている。私が中学校の時になれ合い型学級運営の崩壊を目の当たりにした。そして塾講師一年目、なれ合い型運営を目指した塾長が学級崩壊に面しかけたこともある。それらの過程を次回に見ていきたい。

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