クモハ12002の一党

仙石線色のクモハ12が結構お気に入り。一両で動くし、レイアウト映えもする。

クモハ12はいくつかのグループがあり、クモハ12002は旧モハ34から改造されたグループ。モハ34は当初から両運転台で竣工したが、片運転台化や、クモニ53への改造を経て、クモハ12となったのは000〜003の4両。クモハ12000は鉄コレのクモハ12。大糸線で長く活躍し、その後垂井線で活躍、伊豆箱根鉄道に移籍し、1998年まで使われた。クモハ12001は000と同じく大糸線で活躍、001は霜取用にパンタを2台搭載していたことがあり、ゲテモノとして人気があった。宮下洋一氏の『地鉄電車慕情』で、鈴木誠氏と宮下氏によるジオラマ国電の模型の競作の題材に選ばれているのがクモハ12000と001。宮下氏は001が好みだそうで、鈴木氏が「そうかなあ」というやり取りが結構面白い。私も個人的には宮下氏と同じくクモハ12001が断然格好いいと思う。
クモハ12002と003は仙石線で活躍したグループで、000と001が長野工場で更新工事を受けたのに対し、002と003は盛岡工場で更新工事を受けている。特徴は前面の非貫通化。クモハ12000と001は両方とも貫通扉があるが、002と003は埋められている。寒風対策だろうか。長寿を全うした000や001の大糸線OBと比べ、こちらは1967年ごろにはクモハ73系の投入により引退することになった。
仙石線にはクモハ12040も在籍したことがある。牽引車代用だったようだが、客扱いも行っている写真もあるので、必ずしも事業用オンリーだったわけではなさそうだ。クモハ12002、003とは入れ違いになっており、同時に在籍したことはないのと、クモハ12040は茶色(ブドウ色2号)だったことが特徴だ。ちなみにクモハ12040は仙石線に来る前には福塩線にいたようで、その時には紺色だったようだ。GMから発売されているクモハ12はこの040をプロトタイプとしている。クモハ12040は長寿を全うし、1982年まで在籍していた。
野原交通(「昭和の鉄道模型をつくる」の舞台として私が捏造している架空鉄道)では1970年ごろから買収国電(官鉄に買収された私鉄の車両で、鉄コレでは南武鉄道や鶴見臨港鉄道の車両がこれに相当する)の置き換え用に廃車になった17m級旧国を購入する、というシナリオにはクモハ12002はぴったりかな。クモハ12000は使い倒されているから今更という感じだし、クモハ12040はあってもいいかも、とは思うが。実際にはなかったが、仙石線塗色にするか、福塩線塗色にするか。人気のあるブドウ色2号は実際にはレイアウト映えせず、ピンと来ない。