2012-01-10
■[雑記]大河ドラマ

『平清盛』、もちろん見ている。自分の専攻に近い時代の大河は見ておかないと同業者の話題に付いて行けない。もちろん大河の悪口をいうことw
『義経』は見ていなかった。同業者の話題に付いて行くことよりもタイガースの試合の方が大事だったから。
『北条時宗』は見ていた。このときは大河の悪口に付いて行けた。
今年も悪口が一杯出てくるだろう。その時に「そうそう、私もそう思っていました」くらいの相づちは打てるようにしておかないと・・・
■[雑記]大河ドラマ『平清盛』のツッコミ所

「王家がどう」とか「色彩がどう」とかツッコミがあるが、一番のツッコミ所はやはり吹石一恵演じる舞子が院御所で殺されたところだろう。ケガレを極度に忌む彼等が御所内で血を流させるわけはない。吹石一恵が忙しくて初回しか出演できないのであれば、御所の外で殺される、とかやりようはあったはずだ。
かつて『北条時宗』で近衛基平が御所内で自害するシーンがあり、それについて本郷和人氏は次のように述べている。
平安末にラーメンが存在したか否か。これは知っている・知らないの問題にすぎない。清盛が白河上皇の落胤か否か。これは学説の分かれるところですので、どちらを採ることも可能です。でも何十年も研鑽を積んでいるはずなのに、天皇や朝廷の本質を理解していないとなれば、これは中世史研究者としてのこの上ない恥辱です。関白に御所で切腹させるとは、考証役の私はダメな研究者だと、満天下に広言しているのに等しい。ですから、こうした根本的な誤りには、職を賭して異議を唱えなければなりません。もちろん、私もそうするつもりでいます。日ごろの信頼関係がきちんと築けていれば、制作のみなさんも、快く受け入れてくれるにちがいありません。
『北条時宗』の考証は奥富敬之氏と杉山正明氏。「制作のみなさん」はあまり快く受け入れてくれなかったようだ。かつて『炎立つ』では原作が義経を大陸に逃していたのだが、それに考証の入間田宣夫氏が猛反発して行方不明としたようだ。なかなかスムーズにはいかない。
ちなみにもう一人の考証の高橋昌明氏は次のように発言しているらしい。
「清盛殿」とか「頼朝殿」と相手の実名を呼ぶ場面がある。実名で呼ぶのは大変嫌われる行為で、名前をよばれるということは、相手に支配されるとか、自分の大事なモノを持って持っていかれると思われていた。だから官職名で呼んだりした。だが、これでは見ている方が誰が誰だか判らないから、仕方ないのかもしれない。
もしそういったありえないことが出てきたら、私は懸命に止めたのだが振り切られたと思ってください。
脚本家は、朝ドラ「ちりとてちん」の脚本を書いた藤本 有紀さんです。起用された理由が群像を描くのに優れているからだそうです。実際に会ってみると、「アァァ・・・これは大変だ」と思いました。才能豊かな方だとは思いますが、歴史のことに必ずしも詳しくない。
ということで、果たしてどういう事になりますか?
ドラマ製作者の名前が出てきますが、そのなかに私の名がなかったら、喧嘩別れして辞めてしまったとお考えください。(大河ドラマ「平清盛」放送決定記念講演会
)*1
舞子の殺害シーンは振り切られたのかな?
■[雑記]大河ドラマ『平清盛』の中世史研究者の評判

高校生の頃、『宇宙戦艦ヤマト』をけなすのが流行っていた。何せ突っ込みどころ満載だから。くさしていると『ヤマト』ファンが「いやなら見るな」と絡んできた。いやいや、けなすのが楽しいんだって。いや、なんてとんでもない。
中世史研究者が大河の悪口をいうのもそんなものかと。野口実氏の掲示板を見る限りでは評判は上々。だって『江』なんてたぶん話題にもならない。あそこまで評判になっているのであれば、今後中世史研究者が集まる場に行く時には大河の悪口を用意しておかないと話題についていけなくなる(笑)
■[雑記]大河ドラマ「平清盛」の「正義感」

一番萎えたのは、王家と呼ぶこととか、殺生禁断の白河院が清盛の母の殺害を命じたとかじゃなくて、清盛が出世を目指すのは、殺生禁断などという無茶な命令によって苦しめられる民を救うためには出世して意見を言える立場にならなければならないというような「大義」が動機になっているような描写。
これを入間田宣夫氏風にいうと、腐敗した貴族社会を武士が正して行く、というような武を文よりも重んずる軍国主義的描写、ということになるかな。
白河院の堕落が貴族社会を混乱に陥れた、という見方は『神皇正統記』。自称右派が「白河院を醜く描くのは反日サヨク的」というからには、北畠親房も反日サヨクだな。




と言いたいところではありますが、とりあえず法皇の目前で血を流させる、という段階で元木泰雄氏の「仏教信仰に篤く、殺生禁断例を何度も出した白河法皇が、自分の目の前で、しかも何やらわからない理由で処刑を命じ、追い詰められて切りかかった元の愛妾を射殺させたのには、ただ唖然・茫然でした。地獄変の悪影響でしょうか??殺生禁断例がどうのという以前に、藤原忠実が血にまみれた忠盛を忌避する場面を設定しながら、よくこんな場面が作れたものです。脚本家は何を考えているのでしょうか?プロデューサーは矛盾を感じないのでしょうか?これでは時代考証の先生方も大変ですな。お察しいたします」(http://donkun.ath.cx/bbs/の9377)が解決しないのは事実と思われます。
ちなみに私はそこ及び本郷氏の著書を読むまで全く気になりませんでした(笑)
形式論では、中国とかでは、服毒を「賜る」ですか。
平安時代は一時、死刑が怨霊への恐怖で廃止されたけど、復活する辺りがドラマ上でしたか?
欧州の中世史でも、ルネッサンスとか前後の辺り、「聖なる」教会で思いっ切り暗殺流行りだったり。
中々、聖人君子とはいかないみたいですねえ。
初回、所要のため見逃したのですが、気になったこと。
「お腹の子が禍をもたらすと陰陽師から告げられ、追われる身となる」
子供を殺すための追手なんでしょうか。殺害より御所追放したらオシマイとか、寺に入れて積徳とかいう発想になりそうな気がするのですけど(^^;
平治の乱ですね。信西がリードして。衝撃を与えたようで信西が殺されたとき、天罰と言われたんじゃなかったけかな。承久の乱はその意味では衝撃的だったでしょうね。
さんにゃんさん
今年もお願いします。モンゴル戦争関係の論文はもうすぐ二校に入ります。三月までには何とかなるかと。そうなんですよ、そもそも殺害を命令するのが意味解らん。やはり吹石さん忙しいのかなw
それから、脚本家の方や監督さんたちは、その道のプロですから、あまりぼくたちの流儀で云々するのはどうかな、と思うのですね。ぼくらだって、カメラワークとか、効果的なせりふ回しとか、そういうことにはど素人なのですから。
「あいつの考証はなってないという人がいるようだが、脚本家や俳優の都合で歴史的事実に反してるとしても、どうしてもそうしたいとNHKに言われたらそれ以上何が言えるのか、けんか別れして考証から手を引けばいいのか」
「所詮ドラマとわりきればいいんじゃないのか、水戸黄門や遠山の金さんでそこまでうるさく言う人はいないのになぜ大河だけが」と。
ただそういうと考証必要なのかという問題も出てくると思いますが。
ドラマとしてはありだとは思いますね。そもそも平盛国の設定とか、フィクションですから。まあとりあえず大河の悪口をいうのは娯楽ですから。「江」の悪口は全く聞きませんでしたからね(笑)
bogus-simotukareさん
ドラマと割り切るべきなんですが、「大河ドラマで、これをやられてしまうと、一般の方々は、これをその時代のイメージとしてしまいますから、今後の市民講座など一苦労だと思いやられます」(野口実氏の氏の掲示板での発言)ということで、困る人もいるのかな、と。