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我が九条 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2006-02-09

[]第九話 02:57 第九話 - 我が九条 を含むブックマーク

夢子は荒岩の家にいた。夢子と荒岩の妻虹子、そして東山は荒岩の作る料理を囲んでいた。

「奇妙じゃ。向こうからは何も言って来ん。南部議員の関係者ともめたのですぞ。だからワシはあわてて土方竜元政友会副総裁と真田志郎外務大臣事務所回りをして、南部議員古代官房長官の圧力を消そうとしたのに、圧力らしきものすらない」東山は首をひねる。

「そういえば、民政党からも何も接触はないんですよ」虹子も応じた。「もともと民政党馬場皆人議員の夫人から直接に夢ちゃんに危険が迫っている、といわれたから、慌てて主人に頼んでああいうことをしたんですけど」

「そうでしたか。それはますます面妖な。これは推測じゃが、夢子さんが何も知らないことが先方にも分かっていたのかも知れんな」

荒岩が口を挟む。「そういえばあまりにも無警戒で、あっさり種ヶ島君らに捕まったと聞いております」

「ところで虹子さん、マスコミの方はどうなっておりますかな」東山は虹子に聞いた。

「もうほぼ自殺で固まっていますね。夢ちゃんが言った田中ちゃんの電話が『自殺をほのめかす』ということで警察が動いていますから・・・。」

「えっ!待って下さい。田中君は『しばらく帰れないかも知れないけど、大丈夫だから』と言っていたんですよ。その言葉のどこが『自殺をほのめかす』なんですか?」夢子は驚いて反問した。さらに言う。「実は・・・那覇ホテルで突然変な電話が掛かってきたんです。何か『自殺はありえない』という話でした。『ざっくり切られた手首で包丁が持てますか?』とも言われました」

荒岩が答える「それは怪しい。大体あの田中が『これから帰る』と言ってから失踪することも考えられんしな」

虹子がさらに続ける「あたしもあの田中ちゃんが夢ちゃんを遺して自殺するなんて事自体が信じられないもの。これは沖縄に行って調べて見る意味はありそうね」

翌日、金丸産業の応接室に東山、荒岩夫妻、夢子、種ヶ島、工藤、奥別府、ニチフク新聞の深井治文化部長、荒岩の妹の味知の夫の根子田敏夫、夢子の弟の木村達也が来ていた。

東山が立ち上がる。「ニチフク新聞社のご協力の元、わが社の元社員の田中一君の死の深層を調査するプロジェクトを立ち上げる。深井部長、虹子さんをお借りしますぞ。あくまでも虹子さんが沖縄食材を取材するという形で行なう。陣頭指揮は荒岩君が行ってくれ。くれぐれも気を付けてくれ」

2006-02-08

[]第六話 03:15 第六話 - 我が九条 を含むブックマーク

田中葬儀が終わって、夢子は放心していた。「あの沖縄電話は?何が田中君にあったの?」

「ピンポーン」ドアのチャイムが鳴る。

「か、係長!」ドアの外には田中夢子のかつての上司荒岩一味が立っていた。「な、何で・・・。」「葬儀の時にはゆっくり話せなかったからな。今から出られるか?」

外に出ると荒岩の部下の工藤三平と奥別府鉄男が立っていた。「すぐに車に乗ってくれ」というや、荒岩は夢子と元輝を助手席に押し込むと工藤と奥別府を後ろに座らせ、車を発進させた。

「ど、どうしたんですか?係長」「車のミラーを見てくれ。尾行している車がある」確かに車が一台ついてきていた。「え、ど、どうして?」「田中自殺したんじゃない。何かの組織犯罪に巻き込まれたんだ。だから君の家にも監視が付けられていた。今から夜逃げをする」「ちょっ、ちょっと待って下さい。家は?子供幼稚園は?」「大丈夫だ。入れ替わりに達矢君と二郎君、三郎君がやってくることになっている。彼らと社の者で引っ越しをする。今は一刻も早く君をこの状況から救い出すのが先だ」

車は金丸産業東京支社に入る。東京支社と言っても十人程度の小さなオフィスだ。奥にある厨房に通された夢子はさらに驚いた。「じ、常務!それに種ヶ島ちゃん!」金丸産業常務東山徹思と夢子の後輩の種ヶ島恵が立っていた。

田中さん、話は荒岩君から聞いた。協力させてもらうよ。」「君は常務とともに博多へ向かってくれ。元輝君はしばらく種ヶ島君と行動する。今は尾行者をふりきるのが先だ」

夢子は種ヶ島と服を交換する。種ヶ島はいかにも常務の秘書らしい姿をしていた。その服を着て今度は夢子が常務秘書に変装するのだ。そして種ヶ島は夢子の服を着て夢子に変装する。

「よし、まず種ヶ島君、元輝君を連れて手はず通りに動いてくれ。そして工藤、奥別府君、種ヶ島君を尾行してくれ。」柔道二段の種ヶ島と剣道初段の工藤、そして元ラガーマン別府の三人が出て行くと、様子を窓からうかがっていた荒岩が「よし、常務、大丈夫です。出発して下さい」と声を掛けた。「夢子さん、いきますぞ」東山が声を掛け、二人は地下駐車場に降りていく。通用口に付けられた常務専用車の後部座席に乗ると「行ってくれ」と声を掛けた。車は急発進すると町の中へ消えていった。

続く。この話はフィクションであり、実在の人物、団体、事件、クッキン○パパにはいっさい関係ありません(笑)

[]第七話 01:56 第七話 - 我が九条 を含むブックマーク

種ヶ島恵は夢子の服を着て、田中夢子の子の元輝を連れて歩き出した。やがて車の中から三人の男が尾行を始めた。それを見て工藤、奥別府もあとをついていく。

亀有公園にさしかかり、人通りが絶えた一瞬、種ヶ島は元輝を抱き上げ、走り出した。あとをつけていた男三人もあわてて追いかける。種ヶ島はそのまま公園前の派出所に駆け込み、そこにいた巡査に助けを求めた。「あの人達に追いかけられているんです!」すぐに二人の巡査が飛び出していく。男三人は身を翻して逃げようとするが、そこに後ろからついてきていた奥別府工藤が飛びかかった。剣道有段者とラガーマンにかかっては逃げられない。残る一人も長身巡査によって取り押さえられた。

[]第八話 01:56 第八話 - 我が九条 を含むブックマーク

南部康雄衆議院議員事務所亀有公園前派出所より連絡が入った。事務所職員が現行犯逮捕された、というのだ。逮捕された職員は黙秘しているというが、持っていた名刺から連絡がついた。「す、すぐに先生に連絡を」対応に追われる事務所

一方金丸産業東京支社で待つ荒岩のところにも、種ヶ島を尾行していた南部事務所職員逮捕の連絡が入った。

「なるほど、夢子君を尾行ていたのは南部議員関係者か」というと荒岩はすぐに南部議員について調べはじめた。「なるほど、古代官房長官の側近、萩本ファンド萩本欽一代表の後輩、ITに詳しく、IT業界古代官房長官を結ぶ役割を果たしていた・・・。もしかしたら活力門投資事業組合にも関係していたかも知れないな」荒岩は直ちに東山常務に連絡をとった。

東名高速を走る黒塗りの車。東山徹思常務の専用車である。運転士東山夢子が乗っていた。「東山じゃ。今東名高速を走っておる。どうした。何?!南部議員の関係者だと?!わかった。手はず通り元輝君を連れて大阪支社に向かってくれ。大阪支社で落ち合おう」

いったん荒岩との電話を切ると大阪支社に電話をかけた。「東山じゃ。村山君か。わしの顔を見たらたこ焼きを思い出すというあの・・・。まあよい。少し予定が変わった。深夜東京に向かう夜行を取ってくれ。サンライズ出雲でもサンライズ瀬戸でもよい。シングルデラックス一つじゃ。頼んだぞ」

電話を切ると東山夢子を見た。「思ったよりもややこしいことに巻き込まれておるようじゃな。田中さん自殺じゃないかも知れんて。」「えっ?ど、どういうことでしょうか?」「夢子さんを監視していたのは政治家じゃ。まともには対抗できん。ワシは至急東京にもどらにゃならん。こちらも政治家バックアップが必要じゃ」

田中君、一体何をしていたの?」夢子は自分が出会ってしまった闇の深さに呆然とするばかりだった。

続く。フィクションであり実在の事件、人物、団体、クッキン○パパとはいっさい関係がありません。

2006-02-05

[]第五話 02:33 第五話 - 我が九条 を含むブックマーク

ニチフク新聞文化部記者荒岩虹子は福岡市内の小料理屋「きんしゃい屋」に、民政党衆議院議員馬場皆人の妻東子と向き合っていた。衆議院議員の妻が福岡に来る、ということで、案内を頼まれたのだ。総務省キャリア官僚大黒秀一から直々の指名で荒岩記者が東子夫人の相手をさせられることになっていた。会うなり「内密に話がしたい」という意向で、荒岩記者の知り合いのきんしゃい屋に入った。

田中さんの件で来ました」東子は切り出した。

「ああ、田中ちゃんの・・・。昔、主人の部下だったんですけど、東京に行って、ヘッドハンティングされ、証券会社副社長までなった、って喜んでいたんですけどねぇ。まさか自殺してしまうなんて・・・。夢ちゃんもかわいそうに。あんな明るかった田中ちゃんが自殺するなんて事考えられなかったでしょうに」

そこまで言いかけた虹子の言葉を東子は遮った。「夢子さんの身に危険が迫っています」

続く。

この物語フィクションであり、実在及び虚構の人物、団体、事件にはいっさい関係がありません。

2006-02-04

[]第四話 00:12 第四話 - 我が九条 を含むブックマーク

野党政党は昨年の九月十一日の総選挙沖田十三総理の率いる政友会に惨敗し、党の建て直しを計っていた。そこに降って湧いたかのような活力門騒動。民政党幹部会はこの問題をどうするか考えていた。

「とりあえず代表質問で釣って見よう」楷恭介代表は活力門代表森渉を「我が弟です、息子です」と選挙戦で持ち上げた佐渡酒蔵政友会幹事長を突っつくことにした。

「昨年の衆院選で政友会は森渉社長公認候補以上に応援しました。このような候補を利用して膨れ上がった政友会の議席粉飾決算といわざるを得ません。沖田総理をはじめ、特に『我が息子」とまで持ち上げた佐渡幹事長道義的責任を免れることはできないでありましょう。」

案の定佐渡幹事長は噛みつく。「公党に対する侮辱のみならず、神聖なる選挙に対する侮辱である。懲罰動議を出したい」

楷代表はほくそ笑んだ。「ふむ、政友会はかなりこの問題に敏感になっている。続いては投資事業組合に関する問題だな」

楷代表の脳裏に一人の議員の姿が浮かんだ。耐震偽造問題で質問を連発している大阪府選出の馬場皆人議員だ。というのは耐震偽造マンションを分譲したヒューマンユーザー社の前田郷介社長に対する証人喚問の中で気になる人物の名前が浮上していたからだ。証言拒否を繰り返す前田社長言葉の中で、馬場議員が持ち出したのは沖田内閣官房長官古代進の名前だった。古代官房長官の後援者の団体である古進会に前田社長が出席していたこと、そして沖縄で「自殺」した田中一が古進会の理事を務めていたことを思い出したのだ。楷代表は田中一「自殺」事件を調査することに決めた。

2006-02-03

[]第三話 22:53 第三話 - 我が九条 を含むブックマーク

「もしもし、田中さんの奥様ですね。私は身元は明かせません。ご主人の遺体の状況をお知らせします。傷口は五ケ所、喉の左右で頚動脈に達するもの、左右の手首、腹部です。法医学的見地から言えば自殺はありえません。頚動脈は一方を切れば一気に血圧が低下して脱力します。両方の頚動脈を切ることはかなり厳しいです。」「えっ!主人は自殺ではなかったんですか。手首と首の傷はためらい傷と聞かされていたんですけど・・・夢子は相手が何をいっているのか、とっさにはのみこめなかった。「手首をザックリと切られた手で包丁が持てますか?両手首を切られているから非常ボタンさえ押せなかったかも知れない」それだけ言って電話は切れた。

続く。

この話はあくまでもフィクションであり、実在の人物・事件・団体とはいっさい関係がありません。

yuuka_u_uyuuka_u_u 2006/02/03 23:55 なんでそこで電話が切れるのぉ〜?!気になるょ、、。(>▽<;; 早く続きが読みたいです。

WallersteinWallerstein 2006/02/04 00:42 次は別の登場人物が出てきますので。

tetsujin1204tetsujin1204 2006/02/04 10:45 最後はこの小説を書いてる本人が犯人だったという自伝オチとかだったらすごい!(笑)

WallersteinWallerstein 2006/02/07 01:06 オチは無いんではないかな、と思います。勧善懲悪に徹すれば、巨悪を倒す、ということになるんでしょうが、それではオチとしてつまらない、と思いますので。結末は九月ごろか?「巨悪」が総理になっちゃたりして(笑)。