アリアンロッド・サガ・アクロス1 天に月、地に剣


リプレイ3シリーズ並行刊行の『アリアンロッド・サガ』、第2シリーズがこの『アクロス』です。 GMにして著者は、久保田悠羅さん。私の中では、「セッションに参加したら面白そうだけど、リプレイとしては面白くない」リプレイを書く人として評価が固まってます。 で、この本も最初に読んだときは相当面白くなかったんですけれど、今回読み直したら、あれ、結構面白い……?


どうも初見で面白くなかったのは、この巻で出る情報が多すぎたのと、PCのキャラが立ってなかったせいじゃないかと思います。 戦記物なので、とにかく国名、都市名、人名のオンパレード。 さらにこのシリーズは、『サガ無印(およびサガ第3シリーズ)』の5年前を舞台にしているため、ある国が滅亡する前だったり、他のリプレイの身内が出てきたりと、とにかく読んでいて混乱します。しかし現在『サガ』リプレイは通算9冊、『アクロス』に限っても3冊出ているので、私もだいぶ世界観やら地名やらキャラクターやらが飲み込めてきました。 そういう状態で読むと、悪くないですよ、このリプレイ。


プレイヤーは声優の矢薙直樹さん(ナイトウィザードのリプレイなどに参加)、きくたけ、えんどーちんに、ゲストとしてアニメ脚本家の吉村清子さん。 リプレイ慣れしている矢薙さんはもちろん、吉村さんも初心者とは思えないほどスムーズに遊んでいました。 が、いかんせん全体に地味なのは否めません。 レベル1スタートなのを差し引いてもパッとしない。 これはやっぱり、著者のゆーらさん側の問題なんじゃないかなあ。 何が悪いのかはわからないんですが。


などと不満がありつつも、『サガ』の残り2シリーズは面白いのでこれも読まなくてはいけない罠。 と思ってたら3巻は面白かったので、みなさん頑張って読みましょう。


満足度:B+(読み直し時)