蜘蛛の糸

おんなじ部署の同期と久しぶりにふたりで飲みに出掛けた。ハイボールを4杯くらい飲んだところで急に気持ち悪くなり、水とお茶で回復を図ると店員に少し迷惑そうな顔をされた。しかしたくさん話せて嬉しい気持ちだ。充実感。ご機嫌な気持ちで外に出ると雨が降っていて、これは酔いも覚める寒さだ。セブンイレブンで休憩を挟み温かいお茶を買った。おめでたい会の〆にコンビニでケーキをプレゼントして別れた。

土曜日の朝と昼は前日からの二日酔いにくるまって、重たいけだるさに浸った。ベッドに寝転ぶと、天井から電球のひもがぶら下がっていて、これは芥川が言うところの蜘蛛の糸みたいだなと思った。思えば、朝起きれば紐に手を掛け、夜に静めるときには紐を引っ張るその行為の足元には、生きることをつなぐ意味を見いだすこともできよう。これはまさに、蜘蛛の糸を掴む動機と重なる行為ではないか。そんなことを考えながら、空虚な空想が実に馬鹿馬鹿しく思い、何度かうとうとしながら有吉の過去のサンドリをたくさん聞いた。コンビニに行く以外は外出せずに過ごす。コンビニですもものヨーグルトを買った。意外とおいしい。皮のシャリっとした食感がおいしい。

土曜日の夜は中学の友だちと飲んだ。友だちが結婚するのでみんなからご祝儀をあげようと集まるついでの飲みだった。磯丸水産ではこれでもかと焼き物に勤しむ。何を話したか、ほとんど覚えとりゃせんのじゃ。利害のない関係は心休まり心地よい。

日曜日。再び軽い気だるさ。昨日と同じ。ベッドで毛布にくるまり、ずっと過去のサンドリを聞き続けた。有吉の笑いのパターンを分析するのが楽しかった。夜、コンビニでご飯を買うついでに紅茶花伝を買った。カフェインに過敏なので案の定眠れなくなる。朝5時までギンギンに冴えてしまった。途中、眠るのを諦めて、とつとつとメモ帳に考え事を綴った。

朝、眠い。眠すぎる。新年度の開始だというのに困ったものだ。金曜日の雨で汚れていた靴だけは磨いてから会社へ向かった。