夏がきらいになりそうだよ。

咳がもう二週間もとまらないのでさすがに仕事を休んだ。11時半頃、近所の松屋で新作、麻婆カレー定食を食べたのだけれど、茄子がぶにゅぶにゅしていて全然おいしくなかった。あんなもん二度と頼むか。しかし何回も言うけど松屋の味噌汁はほんとうにおいしくなった。昔はただの色つき塩汁だったのに最近はしっかり出汁の味と味噌の風味がしていて、好感が持てる。変わったのはたぶんプレミアム牛丼にした前後くらいのタイミングだと思う。それまでは、すき屋松屋吉野家だったランキングが、松屋すき屋吉野家に変わった。昔から母親に「吉野家の牛丼がいちばんおいしい」といわれつづけていたぼくはずっと「いうほどおいしくないな」と思っていたけれど、ちゃんと自分のなかにランキングを作れたのは大学生になった頃だと思う。

夜に外に出てみるとマンションの共通廊下のところに黒々とテカるgを見た。gは触覚をうようよとうごかす以外には微動だにしない。帰ってくるとわが家のドアの前にめちゃくちゃ小さなゴキブリの赤ちゃんみたいな輩がいたので、すぐさまゴキジェット(GJ)を噴射。赤子を手に掛け成敗した。成仏せえや!ドアの隙間や壁にもこれでもかとGJを吹き掛けておいた。今年は常に網戸にしているからか、まだgの姿を見ていない。部屋に出たらまじで殺す。やつらにだけは容赦しねえ。無慈悲でいくよガンガンいこうぜ

地獄みたいな37℃の日を除いては、梅雨かと思うような日が続き、夜もずいぶんと寝つきやすい。

ゲリラ豪雨が東京の街を再び襲う。さっきまでの青空は地面に落ちていき、空は急に不穏な灰色を濃くした。青空は地面に落ちる間に雨つぶへと変わり、まもなく雷がどんがらがっしゃーんと空気の整列をなぎ倒した。なんだかこういう仕事以外の時間、影すらできない存在の軽さを感じて、ムダでしかないはずのいろんなことを考えてしまう。今日はお昼ごはんを食べに外へ出ているときに、30代子連れの家族が「2週間さいこうにたのしかったね」ときゃっきゃっしている会話をしていて、なんだか心を穴開けドリルでこじ開けられてしまったようで、急に出来た空洞に無性に泣きそうになってしまった。でも、桃を食べているときだけはすべてが果汁でうるおされていく。398(さんきゅっぱ)の潤いに救われる気持ちだ。

ベッドでユーチューブを見ていると、以前付き合っていた人の故郷の街で千鳥のロケが行われていて、その人とその街を歩いたときのことを思いだした。その人の情報を色々と思い出してみるも、バイト先だけがどうしても思い出せず、こうして忘れていくのだろうか、こぼれていく砂はつかめない。片栗粉でも溶かしておこうか。いまさらだけど、千鳥のロケはこんなに面白いのかよ。

夜、雪見大福がどうしても食べたくなり、やまない雨もお構いなしとしゃなりしゃなり歩いて外へ。コンビニでパスタとヨーグルトを買い、帰宅。雪見大福を買い忘れて、ぼくだってそんなの、夏がきらいになりそうだよ。